不老川の今昔と現在
日 時:11月24日(水)13:30~15:30
会 場:オンライン 元気プラザパソコンルーム
講 師:不老川流域川づくり市民の会 丸橋かほるさん 田口利明さん
受講生:出席9名(欠席2名)
不老川流域づくり市民の会は平成9年4月に発足した市民団体です。今回は代表の丸橋さんと、田口さんに不老川のお話をしていただきました。
不老川の歴史
まずは不老川の誕生から。数十万年前、青梅を頂点とする扇状地を流れていた古多摩川の名残川の一つの不老川は、礫層のため水の浸透しやすい川で、冬になると水が枯れることから「としとらず川」と呼ばれていました。777年には水不足から七曲井が掘られ、入曽の里が誕生しました。度重なる洪水対策のため、昭和20年代から拡幅、掘り下げ、河道直線化の工事が行われ、昭和40年には一級河川に指定され、名前も不老川(ふろうがわ)に統一されました。
全国ワースト1の川から住民の運動へ
昭和39年のオリンピック以降、都市化、流域人口の増大で水質悪化と浸水被害がおこり、昭和58年から3年間は全国ワースト1の川になりました。その後、住民が浄化運動に立ち上がり、官民で下水道の整備、礫間浄化施設の設置等をしました。平成3年には大森調節池、平成10年には入曽調節池が造られました。平成28年には台風9号による洪水で西武新宿線が不通になり、 床上浸水対策特別緊急事業が令和4年度まで行われています。
また、大森調節池を広げる計画では、県とともに現地で立ち合い協議し、森の部分を残すことになり、新しい調節池を造ることになったそうです。「地域で話題にしてもらい、多くの人に不老川に関心を持ってもらいたい。そして活動に参加を……」とのお話で講義が結ばれました。
不老川流域づくり市民の会の活動
不老川流域づくり市民の会は、「きれいな水と流れを確保し、緑が多く多様な生き物が棲み、流域住民が親しめる川」をキーワードにそれぞれ無理のない範囲で自由に携わっているそうです。活動も、大森調整池の森づくりや池まつり、川歩き、水質調査と行政への情報提供、環境学習への協力など様々な分野にわたります。活動の一部を写真でご紹介します。
「としとらず川」に名称変更できる?
講義の後の質問タイムでは、不老川の河川改修工事の環境に与える影響や、人間の営みと環境や他の生物とのバランスのとり方等について話し合われ、「としとらず川」が「ふろう川」になった経緯や、「としとらず川」に名称変更する方法等については大いに盛り上がりました。
また、今回の講義にあたり、事前に「写真集 入曽を流れる不老川」「不老川 お宝マップ 2017」「会報 川のささやき」を受講生全員に届けて頂きました。