1.開催日時:平成29年9月29日(金)13:30~16:00
2.場所 :狭山元気プラザ B棟階大会議室
3.講座名 :「さやま市民大学総合講座」
4.受講生 :受講者数15名 出席者 13名 欠席者 2名 スタッフ4名
5. 第10回講座テーマ:「地域福祉の現状と課題を知る」
~西武文理大学 健康福祉マネジメント学科 影山 優子
1)地域福祉とは・・誰もが自ら地域の一員であることの誇りと責任を持ち(略)市や社会福祉協議会をはじめ地域住民、地域福祉活動団体の協力と役割分担により、様々な福祉的課題の軽減・解決を図ろうとする考え方。(狭山市地域福祉推進計画より)
2)「福祉的課題」はどのように解決するか?
●誰が:基本的には本人主体
●どこで:課題が発生した地域社会の中で解決することが基本
●どのように:自助-互助-共・公助を上手く連動させる
3)狭山市の現状:年少人口は昭和55 年から減少傾向、平 成17年に老年人口 を下回った。
:全ての地区で人口が減少しており、狭山台、奥富、堀兼、柏原、入曽は全体の平均を上回る減少率。
:高齢者夫婦世帯は7 年前に全体の1割を 超えている。
:特に「富士見・狭山台地区」の 高齢化率の上昇が激しい。
4)高齢者領域の課題:
●一人暮らし、高齢者のみ世帯に対する地域特性に応じた見守りや支え合いの体制づくり
●認知症高齢者に対する正しい理解と地域特性に応じた 見守りや居場所づくり
●住み慣れた地域で後まで暮らし続けるための支援
●医療との連携
●介護予防への取り組み
●介護者家族支援(介護離職防止など)
●介護職員不足 質と量の確保 等
5)子ども、子育て環境の現状
●出生数推移:H23年1117人⇒H27年 979人
●合計特殊出生率:H27年 全国1.45人、埼玉県1.39人、狭山市 1.18人
:全国、埼玉県と比較して低い水準にある。
6)子ども領域の課題:
●地域子育て支援サービスの充実
●親子の健康の推進(妊娠期から乳児期までの不安の解消、食育等)
●虐待防止
●障害児施策の充実
●仕事と子育ての両立(保育所問題、男性の子育て参加 推進等)
●親子が安心して暮らせるまちづくり の推進 等
7)障害者を取り巻く現状
●障害を持つ市民の割合:精神障害~全体の1.1%、知的障害~全体の0.5%、身体障害~全体の4.2%
8)障害領域の課題:
●障害への差別をなくすための意識啓発
●発達障害児への理解と職員の専門性の向上
●障害者が安心して就労できるよう職場の人の理解を深める
●障害者の就労を促進するための雇用環境の整備
●仕事の定着支援等の施策
●外出がしやすくなるための移送サービスの充実
●福祉サービス等の情報提供の方法
●多様な手段による情報の提供
●町全体のバリアフリー化、公共施設のバリアフリー化
●指定避難所での生活に支障がある障害者などが利用できる福祉避難所の具体化
●災害時の支援体制の整備
9)「我が事・丸ごと」の地域づくり~地域共生社会実現本部の設置
●従来からの行政縦割り支援体制(高齢者、子ども、障害者の3分野)を、「地域丸ごと支援」への転換。「他人事から我が事」へ、視点を変えてみる。
●受益者から先駆者へ~地域の福祉的課題に対して、行政がフォーマルサービスを作ってニーズを埋めていく時代から、地域住民がニーズを拾い、先駆的に活動を起こし、それを行政がニーズとして認知し、サポートしていくスタイルに変化してきている。
狭山市圏域毎の高齢化率の違い 従来の縦割りから各種障害を横ぐしでの支援体制へ
<受講生の意見・感想>
*人、モノ、カネが集まるまちにするにはどうしたらいいのでしょう?
*狭山市の現状は地域福祉をもっと身近に感じられる諸施策が必要なのでは?
*子ども、子育て環境についての話は重要だと思いました。
*高齢化率の高さとスピードを考えると今後10年間の有効活用が大切。
*障害者、高齢者に対する対応策を効果的に推進していく必要がある。
*これから少子高齢化を迎える中で如何に細やかな社会福祉制度を維持していくか心配です。
*狭山市の現状がこのようになっている現実を知り、愕然としました。
*「地域丸ごと福祉」の制度が普及していくと嬉しい。
*狭山市に若い方の移住者を呼び込む様な施策が必要ではないかと思います。
*地域のささえ合いでこまりごと、高齢者、子供の貧困などを解決していかなければならない状況ですね。
*大変なことが多く、今後とも増えていく訳ですね。
*2025年の高齢社会を誰もが住みやすいまち狭山に向けて今から取り組くむ
ことが大事だと感じた。
<講座リーダーのコメント(記入者):草野 喜実勝>
*地域福祉問題を体系的、現実的に纏まった講義を聴くことができて、受講生も含めて理解を深めることができたという実感であった。
*狭山市の詳しい現状分析も数字を含めて詳細な説明があり、福祉課題も具体的:に理解することが出来て、大変役に立つ講義であったと思う、
*行政の縦割り体制を横ぐしを通して、市民が「我が事」として課題に取り組む体制へと変換が早急に進められることが重要であると実感できた。