第11回 「日本文化における狭山茶」
日程: 11月14日(月)
講師: 大妻女子大名誉教授 大森正司 様
会場: 狭山元気プラザ 大会議室
受講生: 出席25名、欠席2名
1.お茶研究との出会い
2.日本の後発酵茶
3.世界の茶事情
4.日本の茶事情
5.茶の起源
6.茶の多目的利用
今回、「お茶大学」校長でもある大森正司様に科学的側面からお茶について語って頂きました。大森様は昭和45年に日本茶葉から紅茶の製造する方法について研究を始めました。お茶研究の過程で、①日本初の女性農学博士でカテキンの構造を明らかにした辻村みちよ氏、②スリランカの赤い茶葉はβ-カロテンをたくさん含んでいることを明らかにした山西貞氏、③茶葉のβ-カロテンを分解するポリフェノールオキシダーゼを発見した竹尾忠一氏、④茶種べにふーきに多く含まれている花粉症に効果のあるメチルカテキンを研究した西條了康氏、等々との出会いがあったと振り返られました。まさに、お茶の機能性・効能に関わる研究に携われれてきたのです。中国プーアル茶と同種の後発酵茶が日本(阿波番茶、碁石茶、石槌黒茶、バタバタ茶)にもあり、その起源と現状について詳しくご教示頂きました。
日本茶の起源については、中国から持ち込まれたことになっていますが、昔から存在したのではとの仮説を立証するために、若い研究者と共に世界各地を飛び回って古木の遺伝子分析を進めています。近々、樹齢3200年の最高齢茶の調査に向かうと熱い思いを語って頂きました。
需要が低迷する日本でお茶文化復活に向けた研究では、食行動分析の手法を取り入れて分析し、幼児期からの習慣が重要であること、ペットボトル茶の利用は否定されるものでないことを強調されました。また、健康寿命の側面からは、お茶成分の持つ機能性効能が多方面で活用されつつあると紹介されました。
なお、講義録は冊子「語り継ぎたい狭山の魅力」としてまとめる予定です。
狭山地域ふるさと学講座