第13回 「入間川流域に広がる遺跡群」
日程: 12月12日(月)
講師: 狭山市役所 社会教育課 文化財担当 主査 石塚和則 様
会場: 狭山元気プラザ 大会議室
受講生: 出席24名、欠席3名
1.旧石器時代の遺跡
2.縄文時代の遺跡
3.縄文時代晩期から古墳時代前期の遺跡
4.古墳時代の遺跡
5.奈良・平安時代の遺跡
6.中世の遺跡
狭山市の遺跡発掘や文化財の保存を業務として活躍している石塚和則様に、遺跡群と埋蔵文化財について熱く語って頂きました。
現在、市内には67個所の遺跡群が確認されています。入間川左岸29か所、右岸10箇所、久保川流域11か所、智光山公園水源12か所、不老川流域5箇所です。いずれも河川流域や湧き水のある場所です。関東ローム層は酸性であるが故に金属や骨格は出土していません。包丁の原型のような旧石器時代のナイフ形石器、槍先型の尖頭器を手に取って観察することができ、細かく解説頂きました。ただし、狭山市内からは縄文時代草創期以前の住居跡は発掘されていないとのことです。
縄文時代前期から後期の住居跡は発掘されていますが、縄文時代晩期から古墳時代後期の遺構は発見できていないようです。洪水等で流されたかな?と推測されていました。
奈良平安時代、高麗郡が建郡された頃になると、入間川流域の左岸右岸に大規模場住居跡が形成されました。この時代の代表的な遺跡として、今宿遺跡(48軒の竪穴住居)があり、3軒を保存、1軒を再現しています。
中世の遺跡もたくさんありますが、城山砦は市内唯一の砦です。上杉城とも呼ばれて、戦国時代に川越城に攻め込むために築造したのではないかと言われています。砦は完成されることなく放棄された可能性が高いとのことで、確定できないが故に興味が増してきました。
なお、講義録は冊子「語り継ぎたい狭山の魅力」としてまとめる予定です。