第14回 「入曽獅子舞にみる文化的魅力」
日程: 12月26日(月)
講師: 入曽獅子舞保存会
会長 大野茂弘様、前会長 小窪藤夫様、笛役 町田昌弘様
会場: 狭山元気プラザ 大会議室
受講生: 出席23名、欠席4名
1.日本の獅子舞の歴史
2.埼玉県の獅子舞
3.狭山の獅子舞
4.入曽獅子舞
・獅子舞の構成 ・演目 ・用具
5.入曽獅子舞の継承
年末のお忙しいなか、保存会役員の方々に埼玉県指定無形民俗文化財「入曽獅子舞」について熱く語って頂きました。
日本の獅子舞は、16世紀頃伊勢の国で疫病や飢饉を追い払おうと獅子頭をつくり、正月に舞ったことが起源のようです。17世紀に江戸に伝わって縁起物となり、演劇集団が全国へ広めていきました。獅子頭と胴幕の中に二人が入って舞う「伎楽系」と一人で舞う「風流系」があります。入曽獅子舞は風流系です。埼玉県で継承されている獅子舞は250か所、県指定文化財は13団体です。
入曽獅子舞は18世紀頃(今から260年以上前)すでに入間野神社(旧称:御嶽神社)で演じられていたようです。子どもが天狗役を演じていることが最大の特徴です。子役は南入曽と水野に代々続く家の長男か跡取り息子に限られていたようで、地域のヒーローであったそうです。学校を早引けして演じたとは良き時代でした。ただし、1演目40分以上ですから体力が必要です。女子は参加していません。小窪様は3歳の時に加わり60年以上に亘って演じ、今も後継者の指導にあたっておられます。大野様はお子様とともに保存会に参加し獅子舞の継承に尽力されています。町田様は笛役です。
獅子舞は演者以外に、笛役・歌役・法螺貝が加わって25名で構成されています。10月14日は金剛院で「前狂い」を、2日目に金剛院から入間野神社に向かい、到着して「前狂い」と「後狂い」を舞って、金剛院に戻るそうです。なかなかハードな祭事ではないでしょうか。
最後に、平成22年開催第1回埼玉県民俗芸能公開事業「未来に伝えよう、ふるさとの芸能」で演じた動画を披露して頂きました。個人的には2回ほど実演を観賞しています。実演は迫力があります。是非一度ご覧ください。
なお、講義録は冊子「語り継ぎたい狭山の魅力」としてまとめる予定です。