広報委員の取材日記 「狂言『入間川』を演じて感じる狭山の魅力」
狭山地域ふるさと学講座 特別公開講座
講師:人間国宝 狂言師 山本東次郎 様
日時 平成27年9月28日(月曜日)講座開始:13時30分から16時
会 場 : 狭山市市民交流センター 1階 コミュニティホール
主 催 : さやま市民大学・狭山市中央公民館
平成27年度 さやま市民大学 まちづくりコースに、 狭山の地域資源やまちづくりを学び、郷土愛を深めて、ふるさと意識を醸成することを目的に「狭山地域ふるさと学講座」が開講されました。
その第11回講座に、狭山市において狂言鑑賞会を21年間継続的に開催するなど、狭山に縁のある人間国宝「山本東次郎様」を講師にお招きし、「狂言『入間川』を演じて感じる狭山の魅力」を、市民の皆様にも特別に公開いたしました。
当日は、さやま市民大学の受講生及び関係者、そして一般のさやま市民の皆様、約180名の参加者が、人間国宝「山本東次郎様」の、狂言の世界に魅了されました。
人間国宝「山本東次郎様」は、「狭山地域ふるさと学講座」の授業ということもあってとても優しい語り口で、能や狂言の歴史、舞台の3本の門松のような若松について、能面や般若の面の表情の表し方など、能や狂言の基本的な説明を、丁寧に分かりやすく話されました。
二人のお弟子さんとともに、衣装の着付けを披露しながら、狂言「入間川」の説明がありました。
参加者の皆さんは、ふだんでは見ることのできない貴重な場面を見逃すまいと後ろに立つ人や写真を撮る人など、にわかにその場がざわめきました。
その後30分間にわたり、今回のテーマである、狂言『入間川』の滑稽なせりふ回しを面白おかしく解説しながら、一場面を演じてくださいました。
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狂言『入間川』
登場人物/大名・召使い・入間の何某 上演時間/約30分
長らく在京していた大名は召使い(太郎冠者)を伴って故郷へ帰る途中、大きな川に行き当ります。通りかかった男(入間の何某)に「川の名と浅瀬」を問うと、男は「この川は入間川で、川底は深いから浅瀬はない」と答えます。 すると大名はこの地方に流行る「入間様(いるまよう)」で答えたものと思い、川を渡り深みにはまりずぶ濡れとなってしまいます…、…。
ここに出てくる入間様(いるまよう)とは、中世の入間地方で、物事をすべて反対に云い表わす遊びで、狂言『入間川』は、この言葉遣いを面白おかしく台詞に使った演目です。
狭山市を流れる入間川は、埼玉県秩父地方から荒川に注がれる一級河川で、荒川の支流としては約63キロと最長です。火災が多かった江戸時代、飯能の名栗村から木材を切り出し、筏にして江戸まで運びました。
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最後に、能「鵜飼」を舞ってくださり、参加者の皆さんは、能という、極めて様式化された所作によって奥深いものを表現している、幽玄の世界を時間の経つのも忘れ堪能しました。
「山本東次郎様」は、2時間半にわたる公開講座にお疲れでしたでしょうに、質問の時間では、質問者に目線を合わせるように膝をついてお答えになり、優しいお人柄がうかがえました。
又この日、テレビ埼玉の取材が入り、当日の夜21:30~のニュースの時間に放映されました。