市民大学から生まれる「実践知」の魅力
市民大学には様々な分野の講師が登場します。大学の先生もいれば、地域で活躍する実業家にも講師をお願いします。生活者の立場から地域課題の解決に当たっている市民活動家にも登場して頂きます。
市民大学という場は、受講生にとっては「学ぶ場」ですが、教える講師の先生方にとっては、考え方をまとめて発表する「情報提供の場」になります。理想的には、市民大学という場が、新しい「知」すなわち「実践知」を生み出す場になれたらすばらしいと感じています。
講師と受講生との一体化が「実践知」になる
地域課題の解決に結びつくような実践知が生まれるような場は他には見当たりません。正規の大学では、専門的な知識を学ぶ場であって、実践に役立つような知恵は得られません。講義を聞く、聞き手の側の意識とも大いに関係しますが、市民大学の受講生の受講動機の多くは、地域や社会との関わりの中で、新たないきがいや居場所を見つけたいという目的をもって受講されるからです。
このような志を持つ受講生達と知識と経験の豊富な先生方との間で、単なる知識や情報の交換だけではなく、「そうか、やらなくては」という実践知が創出される場に市民大学がなることが可能です。人と地域が元気になれる実践知が数多く、市民大学の中から生み出せたら、地域コミュニティが確実に変わっていくと思います。
地方創生は「人づくり」から、市民大学の果たす役割に期待
安倍内閣が掲げる重要施策「地方創生(まち・ひと・しごと創生)」が本当に上手くいくかどうかは「人」が鍵を握っていると思います。地域課題解決型人材の育成はそう簡単にいくものではありません。「まちづくり」すなわち「まち」や「つくる」の真意を良く理解し合い、市民・住民がリーダーシップをとりながら、行政を動かし、多くの関係者らと「顔の見える関係者会議」を積み重ねていくという地道な地域変革活動がベースにないと、創生にはたどり着けないという気がします。
我田引水になるかもしれませんが、私たちが目指しているさやま市民大学の人づくり・地域づくりが「地方・地域創生」の可視化できる事業モデルの一つとして評価されることを期待しています。