第2回 生業の体験を聞く・学ぶ “その1:水富の田仕事・養蚕など”
文責:「さやまの生活文化伝承講座」受講生 鈴木房子
10月24日(金)狭山元気プラザにおいて「さやまの生活文化伝承講座」の第2回目の講座が開かれました。今回講座のカリキュラムは生業(なりわい)の体験を聞く・学ぶと題して、講師として元史市編さん委員の今坂隆二先生、平野明雄先生をお招きしました。
最初に前回に引き続き、元狭山市博物館長の髙橋光昭先生から、地図で見る狭山の戦前より現在に至る変化。水富地区について名前の由来や今日までの生活についてのお話がありました。
元史市編さん委員の今坂隆二先生が水富地区での昭和5年当時より現在までの生業(なりわい)の変遷についてお話をされました。当時この地区での生業は養蚕であった。斜子(ななこ)織、魚子織と呼ばれ手で織っていたが次第に機械に代わっていった。生業も養蚕、お茶、牛蒡、さつまいもから次第に酪農にと変わっていった。ウエノハラ(平らな上段の土地)やハケ(斜面の土地)についての話もありました。風通しの良いウエノハラに畑や豚舎をつくり人々は低い土地に住んだ。上の土地に水を引く共同水道を作ったこと。共同苗代仲間の“ゆい”の話などをされました。
続いて平野明雄先生のお話です。当時“さつま床”と呼ばれる苗床でさつま芋の苗を育てたが温度管理が大変だったこと。その後牛蒡の栽培が盛んになったが手掘りだったので大変だった。当時入間牛蒡は高級品として全国的に珍重されていた。土地の変化や気候の変動で産物は移り変わっていくこと。
後半、仲川幸成市長が参加され、何故今この講座なのかを話されました。
かつての農家、商家の生活文化を記録に残しておく、これが最後の機会ではないか。この事業は3年計画で行われる。皆さん楽しみながら参加してほしいと締めくくられました。
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髙橋光昭先生は平成22年3月まで狭山市立・博物館館長を務められました。
※先日の狭山市制施行60年の記念式典では市政功労者の感謝状をうけておられます。
狭山市文化財審議委員会 副委員長
さやま市民大学 狭山の歴史学科講師
狭山博物館主催 古文書読解講座講師 等もなさっておられます。
今坂隆二先生は、狭山市史編さん委員として狭山市史編さんに携われ、又、文化財保護審議会委員長として数々の遺跡調査にも関わられました。
平野明雄先生は. 平成4年から笹井校区において、学校児童や地域の子どもたちの米作り や茶摘み等の農業体験指導や食育活動等を行っているほか、青少年育成水富地域 会議主催の「親子で楽しむ野菜作りと収穫」「地場産を使ったお菓子で指導者を務めるなど青少年の健全育成に貢献していらっしゃいます。平成24年度、青少年育成功労賞を受けられました。
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