写真・文章: 鈴木房子
平成27年3月13日 狭山元気プラザにおいて、「さやまの生活文化伝承講座 第10回」の講座が開かれました。前回同様「循環型農業」、「茶仕事」の2班に分かれ第8回、9回の聴き取り調査をもとに結果をまとめる作業を行いました。 2班(循環型農業聴き取り班)では3月14日、話者を引き受けてくださった中田晃先生の畑及び平地林を見学させていただきました。
中田先生のお宅は堀兼地区上赤坂にあり、190アールの畑と80アールの平地林を所有されています。このあたりは、農地や平地林が360年前の新田開発の面影を残しています。現在では農地が車道で分断されているため、お宅から平地林に車で行くには迂回しなければならず10分ほどかかりました。
先生の畑では、昭和40年代はほうれん草、チンゲンサイ、小松菜を作っていましたが、現在は水菜、里芋、ジャガイモを主に作っているそうです。「さやま緑と里の会」元会長で、自宅の平地林を開放し「体験クズ掃き」を毎年行い、一般の方に平地林の大切さを伝え、保護にも努められています。
堆肥場見学
昔は「堆肥場」は[ツクテ]「ツクテバ」「ツクテッパ」と呼ばれていました。
まず、先生の家の前にある「堆肥場」の大きさに驚きました。縦横10m高さが2m位ありました。「クズ掃き」で集めた落ち葉、米ぬか、家畜の糞尿を混ぜ合わせ、上には野菜クズなどをのせていきます。昔はフォーク等でかきまぜたそうですが、今は「ホイールローダー」を使って混ぜます。
平地林見学
手入れされた中田先生の平地林(左)と、放置された、平地林(右)
平地林では常緑樹は伐採します。 落ち葉を集めて、カブトムシの幼虫を育てています。
ビニールハウス見学
190アールの農地のうち18アールがビニールハウスです。主に水菜を栽培しています。 ハウス内は散水、温度管理すべて自動でコントロールされています。冬は1ヶ月にドラム缶15本ほどの重油を使います。 水菜は直植えせず種から苗を育て、それを堆肥を施した地面に植えます。年間5回か6回のサイクルで栽培できるそうです。
種を蒔く3cm位の穴のあいた容器。
写真手前が堆肥を施した苗を植える準備をした用地、その向こうが植えられた苗。苗は5cm程の穴のあいたビニールを敷いた穴に植える。
2班の編集会議
2回の聴き取り講座の結果をまとめる、2班の編集会議。
いよいよ、迫ってきた発表に皆真剣です。 翌日の中田先生の畑、平地林見学も提案されました。