入間川とことん活用プロジェクト
日時:2019年6月26日(水)13:30~15:30
場所:狭山元気プラザ大会議室
講師:狭山市役所商工業振興課 北 淳
埼玉県には川についての2つの「日本一」があります。1つは県土に占める河川面積の割合で、3.9%、150㎢、山手線の内側の2.4倍にあたるそうです。もう一つは川幅で、2537m、鴻巣市と吉見町の間が東京スカイツリー4つ分の長さだそうです。そんな興味深いお話から、今回の講座は始まりました。
入間川とことん活用プロジェクトとは
2011年4月、国の規制緩和により、民間事業者が河川敷地を利用できるようになりました。埼玉県もこれを受け、「川の国埼玉」を実現すべく、水辺空間の活用を推進しています。狭山市では、入間川の再生に向け市民と協働で取り組んだ「川のまるごと再生プロジェクト」が2015年に完了、魚道や遊歩道の整備がなされました。「入間川とことん活用プロジェクト」は、2016年にスタート、2017年1月には「入間川河川敷利用調整協議会」を設置し、同年3月に「入間川とことん活用プラン」を策定し、大きな方向性を定めています。
「入間川とことん活用プロジェクト」とは、新富士見橋と昭代橋の間の左岸側の「河川敷中央公園」に、「やすらぎ」と「にぎわい」を創出し、狭山市駅周辺市街地と河川敷を回遊する新たな人の流れを生み出し、交流人口の増加を目指す取り組みです。今後は、すでに整備されたイベントスペースなどを活用し、民間の飲食施設の整備や、子供の遊び施設、富士山の景観美を楽しむ眺望場の整備や、駐車場の増設を予定しています。水とふれあう学習の場なども継続して実施していく方針です。
地域資源としての入間川
現在入間川周辺では、「入間川クリーン作戦」「にじます釣り大会」「入間川サイクルフェスタ」「西武鉄道ウォーキング」「義高ウォーク・鯉のぼり」「リサイクルマーケット・さやま」「入間川七夕まつり・納涼花火大会」「灯の川」「入間基地航空祭」「茶の里ウォーキング」と年間を通して多くのイベントが行われています。その他、「入間川河川敷さくら祭り及びライトアップ」「モーニングヨガ」「航空祭出店」や、「気球体験」「カヌー体験」「子供自転車教室」等の新しいコンセプトのイベントも開催されています。
地域資源は「集客マグネット(存在するだけで人が集まる場)」と「促進要因(入間川)」に分けられます。それが掛け合わさることで初めて観光資源になり得るのです。促進的要因である入間川を活用し、恒常的な賑わいづくりに向け、飲食施設の誘致を主眼に集客マグネットを作り出していこうとしているのが「入間川とことん活用プロジェクト」なのです。行政は、魅力ある観光資源を作るお手伝いをしていきたいと思います。
アイディア続々……
講座の最後に、質問タイムが設けられました。「飲食店を作ると言うが、飲食店なら何でも良いという訳ではない。集客に繋がるような、魅力ある店を出せる様に一考を」「市役所の裏に万葉の碑があるが、入間川という名称は狭山発祥なので、もっと目立つ場所に移した方が良い」「入間川の水、ダム、歴史などを考えると、子供の校外学習としてもっと活用できるのではないか」「市の社会科副読本に不老川は入っているが入間川は入っていない。入間川についても学んだ方が良いのではないか」「イベント広場にステージを作るなら、狂言入間川をやると良い。歴史ある物を入れる事で価値がある。お金をかけても良いので、能の舞えるようなものを作ったらどうか」「笹井の水車が観光資源として高崎に行ってしまった。大変価値のあるものだ。買い戻せないか。狭山市は歴史のある物をもっと大事にした方が良い」等、様々な意見が出されました。受講生の熱い思いが噴き出たように感じました。
北さんは少年時代を入間川のサッカーグラウンドで楽しみ、高校時代はサイクリングロードを通学していたとのことです。毎年10月に行われる「灯の川」や5月の「義高こいのぼり」、「入間川の岸辺を美しくする会(左岸)」等のお手伝いもされています。「新しい狭山ファン」獲得に向け入間川活用を推進していただけるものと思います。