防災とまちづくり
市民大学の講座として、10月から「地域の防災リーダー養成学科」が始まりました。
昨年に引き続く第二回目の防災講座になります。広く市民のための学びの場である市民大学講座として、「防災」がテーマになるかどうか、考え悩みましたが、受講して良かったという高い評価を昨年貰うことが出来ましたので、今年も開講することになりました。防災について市民同士が真剣に話し合い、考えることが「まちづくり」につながることが見えてきたからです。災害は「想定外」で起きますが、防災は「想定内」で行動することが可能です。
万一の災害に強い、安心して暮らせるまちをつくることは地域コミュニティの最優先課題です。でも、その安全なまちをどのように創ったらよいかの明確な答えはありません。「まさか、こんなことが起こるなんて!」と、災害に直面して初めて防災対策の重要性を悟りますが、一過性で終わらない継続的防災政策が何より大切です。
安全は「状態」ではなく「価値」である
「今までが安全だった」の考え方が極めて危険です。「未然防止の安全対策」と「万一起こったあとの対応措置」が、「想定内」で考慮され、率先行動できる安全文化が構築されなくてはなりません。安全は「状態」を指すのではなく「価値」であり、その安全価値は市民、行政、学校などが協力し合って「協働して創りだす価値」であるという認識が共有化出来た時、狭山のまちの安心・安全が生まれるはずです。
災害時の安全確保のためには、「備蓄」や「自主防災組織」などがもちろん必要ですが、一番重要なのは一人一人の「防災意識」を高めることに尽きるのではないでしょうか。防災や安全課題は、すべての住民を巻き込める地域コミュニティの共通課題であり、住民同士の絆づくりにも役立ちます。
目標は「安全文化」の構築
狭山市は地盤が強固で、地震等の災害に強い安全なまちの評価がありますが、防災、減災、応災に対する強靭な市民意識よる「安全文化都市」を目指したら、住みたい都市イメージが高められると思います。
国は災害対策として国土強靭化対策を打ち出しています。しかし、もっと大事なのは、いざという時に率先行動できる「市民意識の強靭化政策」ではないでしょうか。防災訓練で防災知識を蓄積し、防災教育で防災意識を高め、市民・行政の協働で強靭な防災意識を育てる「防災(安全)文化都市」を創り出すことに最終目標を置くべきではないだろうか。