開催日: 平成 30年 6月 8日(金) 時間 13:30~15:30
場 所: 狭山元気プラザ B棟2階 大会議室
担当講師: 西武文理大学名誉教授 さやま市民大学学長 小山周三
講座スタッフ: コーディネーター:小山周三 講座リーダー:草野 喜実勝
スタッフ: 山影昶、江頭誠治、有賀富士子
本日のテーマ:「まちづくり」は「コミュニティデザイン」
1. 狭山が抱える「まちづくり課題
*揺らぐ商店街の位置づけ:商店街がコミュニティ広場である役割は終わった?
*住み続けるための住宅街の再生:ニュータウンのオールドタウン化は止められない?
*解決を必要とする社会課題:①健康・福祉。②子育て・教育支援、③観光・交流、④環境・安全、⑤スポー ツ・文化のまちづくり、など
2.「まちづくり」は「生活」と「暮らし」発想から始まる。
*暮らし起点:快適な日常生活の維持・発展
*市民起点:まちづくりに李かいある市民(志民)の育成
*市民が動く、行政が支援、の仕組みづくり
3.「まちづくり発想」と「まちづくり実践」から得られるものは?
*「やりがい」と「生きがい」:まちづくりは幸せの創造。やりがいないことは失敗
*「イベント」から「プロジェクト」へ、そして「仕組み(システム)」へ進化。
*人と人が唾がる「仕組み(システム)」:「ソーシャルキャピタル」
4.「まちづくり」は「コミュニティデザイン」
*コミュニティとは?:共同体、地域社会、一定地域の居住集団
*デザインとは?:下絵、図案、意匠計画
*人々が豊かに暮らす「つながりのデザイン」:山崎亮「コミュニティデザインの時代」より
5.問い直される「コミュニティ」の在り方
*コミュニティ=共同体:「家族」と「会社」中心の共同社会、軽視された地域社会
*二つのコミュニティに暮らす、つながる場:
①地域コミュニティ~町内会、自治会、婦人会、老人会、子供会など
②テーマコミュニティ~サークル、クラブ、社会支援活動、NPO活動など
6.「つながり」としての「地域コミュニティ」の「二つのタイプ」
*「農村型コミュニティ」:濃密なつながり、しがらみ、伝統文化の継承
*「都市型コミュニティ」:希薄なつながり、自治会加入率の低下、孤独化、自殺増
*今後は「農村型」x「都市型」:人と人がつながる、新たなコミュニティの創造
7.「生きがい」と「やりがい」のあるコミュニティを「どうつくる」か?
*お客さん化した社会:なんでも行政がやってくれる時代の終わり
*地域に戻ってきた団塊の世代:地域デビューに戸惑い
*「参加」と「活躍」の場をどうつくる?:木村清一先生の「コミュニティタウン」
8.住み続ける「まち」=「コミュニティタウン」を創るために
*コミュニティデザイン:「ビジョンらしいもの」を創る、合意形成プロセスが大切
*コミュニティマネジメント:管理と運営、組織づくり:しなやかな水平型関係
*コミュニティマーケッティング:お役立ちマーケティング、」生活支援お助け隊
9.「コミュニティビジネス」発想
*無償ボランティア:奉仕、貢献の精神
*有償ボランティア:有償活動からの責任感、継続の維持、ビジネス手法の活用
*ビジネス発想をコミュニティづくりに活かす:狭山初「NPO法人コモンズ」誕生
:コミュニティビジネス、市民起業家の登場
:生活支援、保育支援、農業支援、情報支援その他
10.さやま市民大学修了生の活躍(例)
☆生活お助け隊・・・NPO法人コモンズ
☆障碍者支援・・NPO法人ぶどうの会
☆学習支援・・・ジョイスタディ
☆産前・産後ママさんの支援・・・さやマーチ
☆出前健幸サロン活動・・・健幸サロン
☆コミュニティカフェ・・・(一社)街活さやま
☆ビリヤードで地域貢献・・・狭山ビリヤードの会
☆カフェ、移動キッチン(キッチンカー)・・ベジタブル・プロモーション
11.「協働のまちづくり」で狭山を先進都市へ
*「狭山元気大学」の設立 (平成23年)
*「協働のまちづくりガイドライン」発表 (平成24年)
*「さやま市民大学」設立 (平成26年)
*「協働のまちづくり条例」(計画中) (平成30年)
*条例制定後のスキームづくり (平成31年)
12.「まちづくり学習」から「人生100年時代」の生き方を考える
*地域学習xまちづくり学習x地域経営
*自分の「やりたいこと」、「できること」
*地域(社会)課題から選択、解決への取り組み:ボランティア活動への参加、NPOの設立、コミュニティビジネスの起業
13.まとめ~Let’s MACHIDUKURFI
*人と地域の元気を創ろう:「まちづくり」は「豊かな地域づくり」の根幹
*創造型共生社会に向け:創造型、自主自立、循環型運営:共生社会、ダイバシティ(多様性)、連携と協働
*Let’s MACHIDUKURI!
(後半約1時間のグループ討論課題)
テーマ① 地域コミュニティの課題とその解決策
テーマ② テーマコミュニティの課題とその解決策
今回から4つのグループに分かれ、それぞれのグループリーダー以外のメンバーは15分づつ全てのグループを移動して各グループのメンバー全員と意見を交わすという”ワールド・カフェ方式”でテーマ①とテーマ②について話し合いを行った。短時間でお互いのことを知り合う楽しい時間となった。
<受講生の意見・感想>
*「まちづくり」の方が(コミュニティデザイン)より分かり易いと思います。
*子供たちとお祭りなどのイベントで(つながり)ます。
*自分は高齢者なので健康長寿をテーマにしたグループを作りたい。
*「コミュニティデザイン」の方が使いやすいです。
*婦人は仲良くやっているようだが、男性は家の前で挨拶する位なので、婦人方の協力が必要。
*テーマコミュニティとして色々なサークル、クラブ等を設立して人と人とのつながりを増やしていきたい。
*「まちづくり」は横文字を使わずに表現したした方が良いと思う。
*年寄りには「まちづくり」の方が分かり易い。
*私の住んでいる地区は農村地帯ですので、今日でも村社会が残っています。
<講座リーダーのコメント(記入者)草野喜実勝>
*今日は小山学長の「まちづくり」に関する講義で、基本的な考え方、身近な問題としての「まちづくり」、狭山市内の「まちづくり」活動の状況などかなり学問的な内容を学んだ。
*後半約1時間はワールド・カフェ方式でのグループディスカッションとして、「地域コミュニティ」と「テーマコミュニティ」それぞれの課題とその解決策について4つのグループに分かれて議論して貰った。各メンバーが全てのグループを廻って歩くということで、あっという間の1時間であった。