1.開催日時:平成30年1月12日(金) 13:30~16:00
2.場所 :狭山元気プラザ B棟2階 大会議室
3.講座名:「身近なところでソーシャル・ビジネスの“種”を見つける講座」
4.受講生:受講者数14名 出席者 12名 欠席者 2名 コーディネーター 小山学長
講座リーダー 1名 スタッフ3名
5.第5回講座:
*講師: NPO法人コモンズ 理事長 常世田 幸久
*テーマ:NPO法人コモンズ創設と事業展開 ~支え合って安心・安全に暮らせる街づくり~
1.地域活動への関わりと地域課題への想い
*狭山市の福祉と現状を認識
*福祉活動に参加し各種の活動体験
*C.Bの起業への想いが強くなったこと
2.CB起業の動機とその思い・・・
*高齢者の急増⇒H.22年24% ⇒ H.29年30%に
*高齢者世帯、独居生活者 52% 独居 5千人、老老生活者 1万5千人
*高齢者情報の把握困難:高齢者情報の入手が困難
3.CB起業の動機(決意)
*従来の営利企業のサービスからも、福祉制度からもこぼれ落ちた分野に特化した事業展開を決意。
☆ボランティアや慈善事業との違い~CB(社会的起業)は有料サービス提供を基本とし、それにより社会課題の解決を目指す。
☆従来の企業との違い~自社の利潤の最大化ではなく、社会課題の解決を使命としその達成を最優先する。
☆福祉政策との違い~福祉政策と重なる部分は多いが、福祉政策は全ての住民に公平性を担保しなければならない。
4.NPO法人コモンズの活動指針
*出来ることを出来る時に。誰もが持てる能力を発揮。いつまでも自分らしく安心して暮らせるまちづくりに貢献⇒シニアの知識・技能を地域の財産とし、市民力を発揮する場所づくりとその提供
5.NPO法人コモンズの事業展開
①人材育成事業:地域支え合い活動。担い手養成講座等
②コミュニティカフェの運営(ミッション):
*各種活動拠点の発信基地との思い。⇒市民活動の情報が入りやすい。
*暮らしの問題解決の場(情報交換)とする。⇒市民活動などの情報が入り易い
*お客の回転率より(客同士の)交流率を大切にする。⇒話し相手が見つかる。
③狭山安心お助け隊活動~介護保険適用外の有償生活支援活動~
*地域の高齢者、障碍者を対象に、暮らしの中の困り事を同じ地域に一般市民の応援会員が有償で支援する「住民の住民による住民のための便利屋さん」
*応援内容:
イ)生活支援:家事、付添、買い物代行、通院送迎等
ロ)住宅応援:バリアフリー、庭木の手入れ、ゴミ出し、電球交換等
ハ)パソコン支援:簡単な操作、修理等
ニ)野良カフェ:屋外での「野良カフェ」運営、支援
ホ)オレンジカフェ運営:高齢者対象に認知症予防体操、楽器演奏などイベント開催と有償のランチを提供。
6.現状での活動の課題と問題点
*支援案件と利用会員の急増:H.24年度約500件から29年度約4,000件に急増
*ゴミ屋敷等から見る孤立化問題:家の外だけでなく、家の中にゴミを貯める「かくれゴミ屋敷」が増え続けている。
*親子共倒れ生活(者)の問題:高齢者の親と同居する子供の共倒れの可能性。
7.安心お助け隊の支援体制強化と改善策
①新たな生活支援担い手(応援会員)の募集(増員)
*身近な活動に気楽に参加・体験できるよう工夫する。
*講習会、説明会の定期開催
*様々な講習会、学習会の参加者とのつながりを作る
②活動の継続のため若い世代の方々との交流による意思疎通強化
*活動参加のメリットや、活動継続のための運営。サポーター等若い人の参加を増やす。
③身近な相談拠点としての活動強化
*オレンジサロン等の改善により気楽な相談窓口として、市内各種の団体とのネットワークを構築する。~市内6か所の「オレンジサロン」との連携を強化。
8.安心お助け隊の今後
*介護保険内・外活動による認知症の人を含む高齢者に優しい地域づくりの更なる推進。
*総合事業等への参加を検討
*これまでの活動の実績を活かす⇒介護保険制度の変更に対応し、総合事業タイプBへの参加を検討。
*新オレンジプラン活動への参加~認知症施策推進総合戦略のスタート
*認知症の人を単に支えられる側の人と考えるのではなく、認知症の人が認知症とともに、よりよく生きていくことができるような環境整備が必要。(互助が必要)
*将来的に、空き家を活用した「グループホーム」の運営にも取り組みたい。
*「フードバンク」ボランティアと「フードドライブ」との連携によって、新しい事業も考えたい。
<受講生の意見・感想>
*オレンジカフェでの楽器演奏やイベント開催は良いと思います。ボランティアは当然有償で良いです。
*コモンズのお手伝い、応援など役に立てる事を前向きに取り組みます。
*有償で行う方がお互いに気を使わなくて良いと思います。
*狭山市全域をカバーする可能性がある、と思う。
*高齢社会の中では最早若者に頼ることはできず、高齢者同士が支え合うことが大事である。
*その場所に行けば話し相手がいる。こんな楽しいことはありません。
*身近にあるものでサポートできると感じました。
*住民一人一人の協力で孤独死を無くしていきたい。
*リタイア後の仕事として引きこもりがちな人の為にも、生きがいづくりの一つとして地域で取り組んでいく。
*子供たちのお腹を満たして上げたい。
*だんだんと掃除が大変になってくる高齢者の方が多くいるのでそういう方たちの支援をしていきたい。
<講座リーダーのコメント>草野 喜実勝
*コモンズの常世田理事長のお話は市民大学でもお馴染みになってきたが、その都度講座のテーマに合った話をしてくれる、ということは日頃の活動が如何に多岐に亘っているかということで、今回も期待通り大変内容の濃い講座となった。
*受講生の内6名(14名中)が「総合講座」からの継続であるが、前回の講義とは違った内容で、より具体的で分かり易い話として、質問も多かった。
*講座のテーマ、「社会課題のビジネス手法による解決」を6年前から実践しているコモンズの活動は今回の受講生にとっても大いに参考になると確信した。