1.開催日時:平成29年12月1日(金) 13:30~16:00
2.場所 :狭山元気プラザ B棟2階 大会議室
3.講座名:「身近なところでソーシャル・ビジネスの“種”を見つける講座」
4.受講生:受講者数14名 出席者 13名 欠席者 1名 コーディネーター 小山学長 講座リーダー 1名 スタッフ2名
5. 第2回講座:*テーマ:「社会をデザインする、市民起業家の道しるべ」
~自由民活時代の市民とビジネス~ *講師:構想博物館 望月 照彦
◎第一章:自由民活運動の時代がやって来た
①かつてさやま地域は自由民権運動の盛んな地域だった。
②これからは自由民活運動の時代がやってくる。~すなわち市民が新しい地域事業で地域を元気にする時代
◎第二章:楽しく、嬉しく働くのが市民起業家
①「自由民活」その主役は“市民起業家”~市民起業家とは、「志民」」であり、「試民」であることが大切。
②「働く」は「傍を楽しくさせる」こと。すなわち「他利」の思想である。
◎第三章:経営学は学べても経営は学べない
①経営の神様と言われた松下幸之助は小学校しか出ていない。
~彼は言う「経営学は学べても、経営は学べない」。
②幸之助の理念は「価値ある失敗の積み重ねが人間経営を体得させる」
~すなわち、やってみなはれ:実践することでしか経営の本質には迫れない。
◎第四章:AIにはない、差異化と異能化のビジネス発想
①それでは、AIで経営はできるか?すなわちディープラーニングで経営を成功させることはできるか。
②他人と違うことをする、統合情報理論のネットを切断する発想が鍵である。
つまり「こころ」から発信されるぬくもりを、(AIで)事業化できるか?
◎第五章:最初は全て“身の丈”で・・・手持ちの資源(資本)だけで勝負する。
①まずは、“ひとり”になって自分と世界・地域との孤独な対話をする。
~一人の人間として何ができるかを考え抜く
②身の丈の「世間」で必要とされるものは何か、身の丈で集められる資本は何か
③人間はちいさな閉ざされた宇宙の生命力を持つ=オートポイエーシス(自己創出)哲理。
~(株)上昇気流の「残滓都市ビジネス」~居ぬきで店を異業種に変える
◎第六章:目指すのはソーシャル・ビジネス…アジャイル(共創)の思想が肝となる
①事業の対象は「マーケット(市場)」ではなく、「ソサエティ(社会)」である・
~社会を豊かにすることが、事業を成り立たせること(近江商人の哲学)
②事業家と生活者は、対面するのでなく、同じ方向を向いて“アジャイル(共に創る)“する。
◎第七章:レジリエンス・ソサエティへのデザインへ
①生き残る人間や事業の要諦は、「革新」ではなく、「「復元力」である
~ビジネス・イノベーションを生み出す土壌には「折れない心」を持つレジリエンス(復元力)が必要。
②「未来を復元する力」こそが、社会起業家の哲学・構想である。
~「デザイン」とは「De-sign=形を壊して創り直す)」ことである。
◎おわりに:アポリア(課題解決のための起業の“種”)一覧
① 様々な格差の問題
② 少子高齢化問題
③ 国際紛争の頻発
④ アパシー(無関心)の蔓延
⑤ 地球環境問題
⑥ 地域・地方の崩壊
⑦ 哲学・思想(宗教)の不在(劣化)
<受講生の意見・感想>
*「ソーシャル・ビジネス」の対象は、「マーケット」ではなく、「ソサエティ」であることを学んだ。
*「脳を耕す」ということは、正に今の私に必要なことだと思いました。
*「未来を復元する力」こそが社会起業家の哲学であり構想である、と理解した。
*生き残る人間や事業の要諦は革新ではなく復元力であるということに納得。
*市民起業家とは「志民」」であり「試民」であるべきだには同感。
*今後「社会起業」「市民起業」はますます必要になってゆくと思います。
*今回の講義で「ソーシャル・ビジネス」とは一種の「社会貢献」であると感じました。
*自分が社会の為に働くことで、人が喜び、自分も楽しくなることがビジネスに繋がるのだと理解した。
*身近なところに自力でできることを題材として新しいビジネスを見つける事がシニア世代の役割であると感じました。
*人との出会いが大切で、事業を起こすときは点ではなく線として見たり、面として見ることが大事であると思う。
熱心に聞き入る受講生の皆さん 聴講に見えた、サイボクハム笹崎社長も感想をひと言
<講座リーダーのコメント>草野 喜実勝
*これまでも、幾つかの講座の講師をお願いしてきた望月先生ではあるが、すべての講座で常に新しい内容、テーマの講義を聴くことができており、今回も全く新しい内容、観点からソーシャル・ビジネス論を伺う事ができた。
*受講生14名のうち5~6名が別の講座で望月先生の講義を聞いているが、今回もまた新しい内容でであったので、十分期待に応える内容だったと思う。
*今回は1枚のレジュメを配布し、その流れに沿ってPPTのプレゼンによって、ソーシャル・ビジネスの理論と具体的な事例、参考文献などを取り混ぜて約2時間、休憩なしに一気にお話しいただいた訳で、先生の迫力と熱意に圧倒された講座であった。