第9回 「人と自然が共生する平地林 ―水野の森里山―」
日程: 9月11日(月)
講師: 水野の森里山の会会長 小川泰男 様
会場: 狭山元気プラザ 大会議室
受講生: 出席22名
本日は、入曽地区で平地林の保全活動を行っている「水野の森里山の会」の会長小川泰男様に、森林保全の重要性と水野の森の活動を紹介して頂きました。ちなみに、水野の森里山の会は、平成28年度埼玉環境賞優秀賞を受賞しています。
小川様が活動を始めるきっかけは、2005年2月JAいるまの主催による森林施業でした。作業は1回限りと聞き、ボランティアで“何とかしよう”と考えたそうです。平地林の地主と地元自治会の協力を得て1か月後「水野の森里山の会」を発足させたと、当時の熱い思いを語って頂きました。2011年「だいこんの会」からの呼び掛けで、「ロッジ水野の森」が活動拠点になり、自然に親しむイベントを開催しています。子供たちの体験会や里山ウォーク、コンサートや食事会、など多彩に利用されています。緑の保全協力金は1日1,000円です。
水野の森では四季折々、木々は花をつけ、草花も萌え、近隣の方々は散策を楽しんでいます。一方、なかには絶滅危惧種の野草などを持ち帰る人がいると伺い残念に思いました。
会員や地主には月1回発行の「里山通信」(現在151号)を発送して、保全活動の状況やイベント情報を知らせ、参加を呼び掛けているそうです。関係者のモチベーションを高めることに役立っているようです。発足当時、管理の森8,612m2が30,000m2に、会員38名が91名に拡大しており、活動は地域に理解され支援されています。まさに“継続は力なり”を感じました。
狭山に限らず、平地林の保全や存続を望んでも維持は困難であるとの意見が多くありましたが、水野の森里山の会の活動は希望の星であり、非常に参考になる活動でした。
なお、講義内容は講義録「語り継ぎたい狭山の魅力」としてまとめる予定です。