第14回 「大木が茂り太古の象が住んでいた狭山」
日程: 1月15日(月)
講師: 元狭山台南小学校長 橋本荘一 様
会場: 狭山元気プラザ 大会議室
受講生: 出席24名
本日は、遺跡の発掘を手掛けた元小学校校長橋本荘一様に、300~70万年前の化石発見を語って頂きました。
1.笹井堰下流でメタセコイア発見
昭和49年(1974)大型台風の龍来で、笹井堰下流の入間川河床が露出し、メタセコイアの化石が現れました。翌年、橋本様が加わった調査団(団長:埼玉大学堀口萬吉氏)がメタセコイアの化石計29株を発見したそうです。1株は今宿遺跡に展示されています。調査以前、近隣の住民は太古の貴重な化石と気づかず亜炭(株の化石)として燃料にしていたそうです。
メタセコイアは杉の仲間ですが、秋には褐色に色づく落葉針葉樹です。昭和20年中国で自生するメタセコイアが発見され、現在は世界中に分布していますが、成長が早く大木になるので広い敷地が必要です。狭山では入間川中学校や新狭山公園で成長しており、紅葉を楽しむことができます。
2.笹井堰上流でアケボノゾウ発見
アジア象より小型なアケボノゾウ(体長1.5~1.8m、体重2~3ton)は、堀口先生を団長とする地質調査隊が大臼歯や肩甲骨を発見し、昭和60年埼玉県自然の博物館坂本浩氏が一体分の化石を発見しました。日本での全身発掘は笹井が初めてだそうです。本物の化石は自然の博物館に保管され、狭山市立博物館にはレプリカと化石の本物3点が展示されています。アケボノゾウノの足跡は入間川の河床、西武鉄道鉄橋付近などで発見されました。入間川市博物館では観測会などで案内をしてくれます。
なお、講義内容は講義録「語り継ぎたい狭山の魅力」としてまとめる予定です。