国際化と多文化共生社会実現に向けて
開催日時: 平成29年7月4日(火) 13:30~16:00
場 所 : 元気プラザ大会議室
受講生 : 10名 出席者:7名 欠席者:3名
講 師 : 駿河台大学 グローバル教育センター 教授 八木真奈美氏
テーマ : 国際化と多文化共生社会実現に向けて
1.左の写真は飯能市内のレストランで、八木先生が撮影された一コマ。英語。韓国、中国の国旗の右側にそれぞれの国の言葉で料理のメニュ―がありますと書かれている。
わかりやすい表示で午後4時からの開店も一目でわかる。まさに多文化共生社会の優れた広告である。 2.日本に住んでいる外国籍の住民(1.中国、2.韓国、3.フィリピン、4.ベトナム 5.ブラジル、6.ネパール、7.アメリカ8.台湾、9.ペルー、10.タイ)
1.戦前から住む韓国・朝鮮の方 34万人
2.中国残留孤児とその子孫(中国帰国者) 2万人、
3.インドシナ難民(ベトナム、ラオス、カンボジア)1万人
4.南米移民の子孫(日系人)180万人(ブラジル)、8万人(ペルー)
5.留学生 28万人
6.日本人と結婚した方 14万人
7.技能実習生 23万人
3.日本に住む外国籍の方の、来日のきっかけは何でしょうか?
・技術習得、・留学・就業・国際結婚・文化の研究(最も多い)
4.集住地域
中華街 : 横浜、長崎、神戸
Korea Town : 関西、東京、新大久保
愛知県 : ポルトガル語、日系ブラジル人3世4世
・トヨタで働く経済的な人手不足を外国人労働者で補ってきた背景がある。➡日系人の増加
・特に近年は、少子高齢化による人手不足が深刻➡留学生、技能実習生の活用⇒多文化社会はそこにある。
多文化共生社会
・日本には多文化の傾向が強い。外国人がいないと成立しない地域――コンビニ24時間体制で働いている。外国人(留学生)がいないと成り立たない。日本では週28時間留学生ビザで働くことができる。
・実習生: 看護師、技能実習制度:企業で2~3年働き技能を習得
・「日本に」「外国人」が増えるのではなく、すでに「日本人」が多様になっている。
・「 国」=「民族」=「文化」=「言語」である。すべて異なる。在日の方やアイヌ民族も日本の住人であるという現実が隠れている。
・人は、生まれた時から一人ひとり固有の文化を培う。文化の境界はあいまいで、文化は変わっていく 。
教材、テキスト
1.そこにある多文化社会
2.レヌカの学び:レヌカはネパール人の女性で、ネパール公立聾学校の校長です。彼女は、25歳の時に研修で来日し日本で生活しました。レヌカは日本で過ごしているうちに、ネパールにいる時と行動や考え方が変わってきました。18枚のカードがあります。カードにはレヌカの言葉があります。「日本にいる時のレヌカ」と「ネパールにいる時のレヌカ」レヌカの気持ちになって、カードを9枚ずつ二組に分けてください。
3組に分かれて(スタッフも含めて)カードを分けましたが、正解はありませんでした。今までにまだ正解はでていないとのことでした。
~~~~~~~~~~~~~ 受講生の感想 八木教授の講演を聴いての感想~~~~~~~~~~~~~~
・育った環境が個々の文化を作っていることもあり、違っていることが当たり前ととらえることが大事曖昧の中で全体をとらえる事の必要を感じた。
・人との交流はお互いの価値観、文化、習慣、等を認めあい接すると理解と共性が生まれる。楽しい講座でした。
・内容が充実していた。話の流れの中で資料を配布、ビデオを見せる等,飽きがなく興味深くきかせていただきました。
・日本はすでに多文化社会になっている国=民族=文化=言語の式が成り立たなくなっているとのお話に納得しました。文化は時代とともに形を変えていく。1+1=2ではなく3だったり4になったりする世界になるのも楽しいかなと思います。
2.外国人との交流をされた経験を述べてください
・6年程前にべトナムから企業研修(浅草の靴会社)に来ていた3人の若い女性に2か月間集中日本語学習で日本語の支援をしました。3人は研修施設に泊まりこんで食事も3人で作りました。私達スタッフも昼食をごちそうになりベトナムの生活習慣を知ることができました。
・子供たちの放課後学習支援をしましたが、韓国、中国、タイなどの子供たちで皆日本の学校が大好きといってくれたのが何よりうれしことでした。市民レベルでの交流が大事だと思いました。
・35~65歳までの仕事でアジア、北米、ヨーロッパ、オセアニア地区、13か国以上に技術指導で長期出張をしました。この経験を下記に記します。
1.現地の人と同じ生活を経験して、その国のことを理解できるようになりました。
2.民間人同士の交流が真の国際交流につながる。
3.現地ルール、習慣等に従って生活すると現地に溶け込める。拒絶反応がない。
~~~~~~~~~ 講座リーダーの感想 江頭 誠治 ~~~~~~~~~
仕事を通じて、日本語教育ボランティア活動を通じて多くの方々が国際交流に貢献されていることを本日の講座で強く感じました。八木真奈美教授のわかりやすい説明で、受講生の皆さんの共生社会での生き方、交流の方法を学ぶことができました。その結果多くの質問とそれに対し丁寧な解説をしていただいたこと深く感謝いたします。