市内の国際交流活動団体の活動を知る 第4回講座報告書
開催日時: 平成29年5月23日(火) 13:30~16:00
場 所: 元気プラザ大会議室
講 師: 1.長野オリンピックボランティア体験を語る 土屋 一雄氏
・・・・・・・ 2.海外生活経験を語る ホンダ OB 山田 恵一氏
受講生: 10名 出席者 8名 欠席者 2名
1、伝えたい長野五輪とパラリンピック(最高齢ボランティアとして) 講師 : 土屋 一雄 氏
長野五輪 〈1998年2月7日~2月22日〉に開催された。
メダルの数:金5,銀1,銅4、計10コのメダル獲得。
土屋氏の住む静岡県川津町と白馬村が姉妹都市締結を行ったのは、1982年7月。
オリンピック、パラリンピックのボランティアとしての活動の内容は、輸送の係と駐車場の整備であった。長野では45日間ロッジに泊まり、毎朝4時に起床し、会場のコース整備駐車場の管理と大忙しの毎日を過ごされた。
中でも自衛隊の活躍は大で、自衛隊の援護なしにはオリンピックが成功しなかったのではないだろうか?
講演の冒頭CBCラジオ〈1998年3月25日〉のさわやか信州の伊藤秀夫アナウンサーとのインタビュー録音でボランティアとしての活動、感激、特にペンション、民宿の家族の方に朝3時から夜中までお世話をいただいたことに感謝の言葉が述べられていた。
ボランティアに従事した人数は35000人に及び、そのパワーは特に女性、中学生から大学生まで本番では別人の活躍を見せたのには敬服をした。と述べられた。
4万人の会場入場者と1万人の場外観客者のどよめきは、何にもまして感動を覚える最大のものであった。2020年のオリンピックにおいてもこれと同じ感動を味わいたいものです。
2、海外生活から学んだこと HONDAでの体験から 講師 : 山田 恵一 氏
経歴
1970年 本田技研工業(株)入社
1998年~2000年タイホンダに駐在、勤務。
*海外勤務で尊重すべきこと、譲れないこと
・基本は相手の文化を尊重すること。就業規則や備品の持ち出し禁止などについては入社時に徹底指導をする。
・言葉はコミュニケーションの道具
下手でも現地の言葉を話せば喜ばれる。行き詰ると最後は英語が役に立つ.「習うより慣れろ」
*工場の出入り口にいる女性警備員
・部品や工具の盗難防止:持ち物検査
・自分が批判されたくないから、他人も批判しない。議論は苦手なので上司からの要求は受け入れる(ふりをする)
・上司の指示には「わかりました」しかない。出来なくても「仕方がない」これらのことを踏まえたうえで指示を出さなければならない。
・作業服通勤は社員の誇り。特に外国企業に勤める社員は誇りと思っている。
*タイの生活習慣 ~タイは上座部仏教の王国~
・男性は成人前に一度出家するのが普通
・葬儀は7日間、最後の日に火葬にする。
・中国系はお彼岸に墓参りに行く。
・毎朝托鉢の僧侶の列が通る。市民は毎朝托鉢のための食料の準備をして僧侶を待つ。
・午前中にお寺に行くと無料の食事がある。托鉢のおすそ分け。
・国王は政治・軍事・仏教の最高位者
*タイもインドネシアも経済の実権は中国系(華僑)が握っている
・タイは共産化予防で漢字の使用を禁止
・インドネシアはオランダの植民地政策として民族対立と宗教対立を利用
・子供の留学先もリスクに対応している。例:長男はアメリカ、次男はヨーロッパ、長女は日本などリスクの分散を行っている。親族を分散しておけばどこかの国に移住が可。
・ネットワークの維持を大切にする。タイでも20%はイスラム教徒
*タイの政治体制について
・旧体制派は黄色:前国王が月曜日生まれだから
・タクシン派は赤色:国旗の「国民」を表す。タイには不敬罪があり朝夕に国旗掲揚、降納を行う。
・国王夫妻の肖像写真を飾ってある。
・お金と食事で雇われたデモ隊:騒ぎは特定の地域。2008年のタイの空港占拠など
~~~~~~~~~~~~~ 受講生の感想及び意見 ~~~~~~~~~~~~~~
☆ 土屋一雄氏の講演に対し
・67歳での応募はすごい。積極性が人生を活生化している。
・オリンピックの体験談ですがよく話を覚えていられるし、話し方も上手感心しました。
・パラリンピック、ボランティアの参加されたときの経験が興味深かった。外国人に対しお世話する場面もあり。意味なく笑ったりすると誤解を受けるなど、配慮が必要なこと肝に銘じたい。
・ジャンプの原田、船木選手の名を思い出しました。
・オリンピックでボランティアをされたことが土屋さんの生涯にとって非常におおきなことであったと想像できました。ボランティアのプラス面はもちろんですが、自己負担などのことも話していただき今後の参考にさせていただきます。
Q 次回の東京オリンピックで関心があるボランティア活動は何ですか
・陸上競技のコース係り、バスケットボール会場での地域のガイド。
・外国からのお客様と接する仕事。外国の文化習慣を知ること(語学を通して)に興味がある・まだ漠然としていますが、韓国語を今よりもっと勉強し競技場外で韓国から来た人たちのサポートができたらよいと思っています。(いきたい場所への案内)
☆ 山田恵一氏講演について
・国が違っても基本的には人間はみな同じと実感。タイの生活事情が少しわかって面白かった。
・地図が出てきての説明とても参考になりました文化の違いは大切にすべきと感じた。
・日本を外から見る感覚は大事で、外国で人を雇用することの大事な点を改めて認識しました。
・豊富な経験の話であった。海外勤務はまさに国際交流の場であったということだとの印象です。外国人の歴史と民族感情をよく学んで接するとよいサービスが提供できると思いました。
~~~~~~~ 講座リーダーの感想 江頭誠治 ~~~~~~~
オリンピックのような大きな祭典は、大会関係者だけで成功をするのではなく、多くのボランティアの参加により、目に見えない活動―大会のためには必須の活動ーの縁の下の支えにより初めて成功に導かれることが土屋さんの講演で鮮明に語られました。メインスタヂアムの観客と場外観客者5万人が上げる歓声とどよめきがボランティアの皆さんの唯一の感激、報酬であったことが19年の歳月を経た今、語られたことは大きな感動でした。
山田さんの海外生活から学んだこと、タイでの経験をもとにわかりやすく解説されました。異文化の中で実際に工場を管理していくには大きな努力とその国の生活習慣、考え方をよく理解しなければ円滑に物づくりを進めることが不可能に近いことがよくわかりました。理解を深めるためには従業員との対話、コミュニケーションをどうとるかが重要、やはり普段のあいさつ,思いやりある会話、片言の現地語を交えた親しみある会話により信頼関係が築かれるのだと思いました。