市民大学の新たな役割に挑戦
全国各地に多くの市民大学があります。生涯学習を担う学びの場として開設されてきました。行政主導型の市民大学もあれば、市民主導型の市民大学など、運営方法も様々です。カリキュラムの内容も、カルチャースクールのように多岐にわたるものや、各講座の受講回数も数回の短いものや半年、一年間のまとまった回数をこなすものなど、取り組み方も多彩です。文科省認可の正規の大学ではありませんので、運営は自主性に委ねられており、行政と市民による協働運営方式によって実践されているのが実状です。
これから市民大学を立ち上げる地方自治体やその関係者が、私たちの「さやま市民大学」を参考にしたいという目的で視察によく来られます。視察は大いに歓迎で、開設の目的や運営方法などを詳しくご説明しております。協働とまちづくりに関わる人材育成を目指しているさやま市民大学が、市のイメージ向上に役立つのであれば、嬉しい限りです。
学び、そして成果の活かし方を模索する
4月に入学式が行なわれ、半年が過ぎました。講座によっては修了式を迎えたものがいくつか出ています。講座の最終回は、成果発表やまちづくりに関わる想いを語って貰い、一人一人に修了証書をお渡ししています。運営に関わる私たちにとっては、受講生の「受講満足度」や修了後の「地域コミュニティ活動」との関わり方が大いに気になります。
私自身が直接関わっている「まちづくり担い手養成学科」も先日、全20回の講座が終了しました。21名の受講者同士がよく話し合った結果、4つの検討課題を選択し、その成果発表が行なわれました。「童話・童句・童絵を活かしたまちづくり」、「まちじゅう健幸サロン」、「狭山のふるさとタウン化構想」、「困りごと何でも相談所開設」の各グループ発表は中身の深い、充実した内容でした。課題テーマに取り組んだ理由、検討と調査の過程が正確にトレースされ、実践したい活動への熱い想いが伝わってくる、素晴らしい出来栄えでした。市民ならでは構想力が創出されたと感じました。
協働社会を動かす市民人材が育つ瞬間を体感
半年前、まちづくりに関し、何を学び、自分がどう変われるのか、心配しながら入学された受講生の一人一人が、自信に満ち溢れた姿で発表に場に立ち、地域社会のために出来ることを実践したいという熱い想いが聞けたとき、胸にジーンとくるものがありました。発表会と修了式を終えた夜、皆で懇親会を楽しみましたが、学びの成果とつながる仲間が出来たという充実感と達成感のせいか、大いに盛り上がりました。学科リーダー並びにファシリテーターとして支える運営スタップ(5人)との共同で講座を運営してきましたが、講座を支えるスタッフの力も大きかったと思います。私自身も、市民大学の学長をやっていてよかったという実感を初めて持ちました。協働・市民社会の人材育成を担う市民大学の使命の重要性を再認識した次第です。