『子どもの発達と保育』―0歳児・1歳児・2歳児を中心に―
実 施 日 : 5月17日(金)9:50~12:10
場 所 : 狭山元気プラザ B棟2階 大会議室
担当講師 : 諏訪きぬ(主任講師)
0~2歳児は大切な時期
諏訪先生からたくさんの資料と、パワーポイントを見ながら事例をふんだんに盛り込んでの講義。どんどん指名して発言させる手法なので、受講生は程良い緊張感と集中力の中にも、初めてのワークを楽しめた。
初めに、親子を取り巻く環境の大切さ、保育の今、保育の質の低下、女性の働き方、子どもの貧困……などの現実の問題に触れての問題提起。
ハーローの「ミルクよりも母親の温もりを求めるサルの赤ちゃんの実験」から得られた“子育てにとっての温もりの大切さ”や、ボルトマンの生理的早産説から“人間はなぜ脳無し状態で生まれるのか”、ヒトと動物との違いなど、研究者の理論的な実験結果を引き合いに0~2歳児の育児や人間形成がなぜ大切なのかを理解させる。
各年齢の発達の特徴
0歳~2歳児のそれぞれの発達の特徴について、「家庭が母港」「愛着形成の大切さ」「乳幼児のこだわりを大切にする」など、乳幼児期の発達を踏まえたアタッチメントの視点からも話した。
ミルンの詩“六つになった”の朗読と解説。年齢が低くても、まだ言葉を話さなくても、一緒に見る景色を言葉にするなど、状況を言葉を添えて子どもに説明することの大切さ、甘えさせることの大切さなど普段の生活でできるかかわり方のポイントも話した。
感情の発達・自我の芽生え・自己主張の獲得など、乳幼児の内面の理解は難しいが、それらの理解やかかわり方について、明星大学で長年、教授として培った研究者の視点で話される講義に真剣に向き合った。
受講生からの意見
・0~3歳児の発達の様子、保育のポイントがわかりやすかったです。今悩んでいることに非常に参考になりました。
・子育ては辛いこともあり責任重大だと改めて感じましたが、たくさんのヒントをいただいたので楽しんで取り組みたいと思いました。
・母と子の関係、言葉の重要性(言葉がけ)など見つめなおしていきたいと思います。
講座リーダーコメント
・言葉がけに関して、先生のお話で花を見ての親子の会話が興味深かったです。
「お花きれいね」
→ 「赤くてきれいね。何というお花かしら」
→ 「つつじに似ているけど何だろうね?シャクナゲかしら?図鑑を見てみよう」
というように、いろいろな言葉を浴びせると言葉の数が増えて言語世界が広がっていき、「あ!そうか」という洞察力がつきます。