<狭山のまちを知って貰うビッグ・チャンス到来>
東京2020オリンピック・パラリンピック開催まで、あと一年半を切りました。狭山市が開催都市の一翼を担っていることはご存知と思います。狭山市駅から直線距離で約5㎞の「霞が関カンツリー倶楽部」でゴルフ競技大会が行われます。男子競技が2020年7月30日(木)から8月2日(日)までの4日間、続いて女子競技が8月5日(水)から8月8日(土)の4日間にわたって金メダル獲得を巡って熱戦が繰り広げられことになります。
一日の観客数が約25,000と予想すると8日間で約20万人という大変な数の人出が予想されています。開催期間中の観客者の多くが、狭山市駅あるいは稲荷山公園駅を利用することになるでしょう。狭山のまちの魅力を知って貰える、これ以上のビッグ・チャンスはなかなか来ません。このチャンスを活かすための知恵と市民の力を結集しなくては「もったいない」と思いませんか。
<観光の本来の目的はその土地ならではの体験価値に出会えること>
とくにオリンピック観戦に訪れる外国人に対して(もちろん日本人にとっても)、狭山のまちとの出会いが記憶に残るような「体験価値」の提供が出来るかどうかに知恵を絞る必要があります。
東京招致のキーワードになった「おもてなし」の核心は体験価値の提供にあると言えます。狭山は観光都市のイメージがないとよく言われますが、本来の観光とは、その土地ならでは体験、経験,感動などへの出会いを意味します。感動的体験がもしも一枚の写真に収めることが出来たら、狭山の記憶は永久不滅なものになります。
観光が名所旧跡めぐりの時代は終わりました。感動体験との出会いを求めて人びとがやってくるのです。その土地の食べ物、お祭り、行事、自然、人との出会い、生活文化との出会いなど、その土地から生み出されるモノ、コト、情報などとの「感動的な出会い」が観光目的になってきているのです。プロの写真家は感動体験を一枚の写真に収めるためには、何日もシャッタ―チャンスを待ち続けると言われます。
<お茶を通じた感動体験をどのくらい創り出せるか、の問いかけが大切>
3月3日(日)に、狭山市市民交流センターにて、来年のオリンピックを盛り上げることを意識した「外国語茶道体験ワークショップ」(狭山市市民交流センター企画・運営)が開かれました。約40名の市民ボランティアが参加し、皆で抹茶のお点前を体験しました。
最初に、お茶の点て方についての英語での解説があり、そのあとで、棗(なつめ)に入った抹茶を茶杓で茶碗に入れ、お湯を注ぎ、茶筅で泡を点て、自分が点てたお茶を試飲しました。茶道具や茶道文化についての紹介と説明を簡単な英語で受け、外国人に日本の茶道文化を体験してもらうためのおもてなし体験のワークショップが開かれたわけです。
初めてお茶を点てたという参加者が大勢いました。英語での説明の仕方も初めて体験したという参加者が殆どでした。しかし、今回のお茶体験ワークショップに参加して良かったという声が多く聞かれました。こうした体験研修を積むことによって、狭山を訪れる外国人が、日本の伝統文化である茶席体験が気軽に楽しめたら、記憶に残る文化体験が味わえることになると思います。お茶の狭山を印象付けることになりますし、もてなす側の貴重なもてなし体験にもなるはずです。お茶体験を通して、狭山流おもてなし文化が育ってくれたら素晴らしいです。
もてなしを受ける側ともてなす側の双方の満足を創り出す(プロデュースする)ことが狭山を観光のまちに育てることにつながります。狭山のまちの魅力をお茶で伝える試みは観光都市さやまを目指す貴重な第一歩になると実感しました。
<「お茶サロン都市」を狭山のレガシー(歴史遺産)に>
狭山のまち全体がお茶でもてなす「お茶サロン都市」を目指す必要があると思います。そのためには、どのようなことがやれるのか、やるべきなのか、どのような連携と協働が必要になるのか、このような問いかけの大切さが、今回の市民参加ワークショップで共通認識されたことが何よりの成果だったと感じました。
多様なお茶体験のできるまちづくりへの挑戦が、開催都市として後世に残せる狭山のレガシ―になって欲しいという期待感がふくらみました。