★場所:狭山元気プラザ パソコンルーム(サテライトスタジオ)
★授業方式:Zoomによるオンライン方式
★受講生:出席7名 欠席2名
★スタッフ:講座リーダー 江頭誠治、オンラインサポート 鈴木悦子、司会進行 草野喜実勝
★講座 1.「困りごとはみんなで解決しよう:~支え合って安心・安全に暮らせる街づくり~
講師:NPO法人コモンズ 理事長(狭山安心お助け隊 運営責任者) 大石卓司
2.「コミュニティカフェ(ワンデイシェフ方式)の開業・運営」
講師:元(一社)街活さやま 代表 江頭誠治
★講座報告 1.
テーマ:「コミュニティカフェ(ワンデイシェフ方式)の開業・運営」
<狭山元気プラザ :コミュニティカフェ運営要綱>
業務の内容 カフェは次に掲げる業務を行うものとする 狭山元気大学の受講生及び修了生のためのカフェ運営 アマチュアのワンデーシェフ方式による飲食店営業の実践学習 飲食の提供のみならず、地域の人々の交流の場づくりの実践学習 3世代が交流し合える、憩いの場を作る。
<コミュニティーカフェの趣旨>
1.地場産の野菜を使用して、安全、安心な食事を提供できること 2.地域の人々の交流の場であり、地域の様々な情報の発信をしていること 3.狭山台地区で多い、一人暮らしの高齢者に栄養バランスのとれた食を供給できること 4.子供連れでも気兼ねなく訪れることができ、食事やお茶などでホットできること 5.就労が難しい人の働く場になっていること 6.元気大学修了生でコミカフェ開店を希望する団体のインキュベーション施設であること
<コミカフェの衛生管理状況>
1.始業前の手洗いの励行: ・手洗いはくるぶしまでを、石鹸水で20秒間泡立てながら丁寧に洗い 水洗ののちペーパータオル遣い手をふく。布製のタオルは使用しな い。 2.使用済みの食器、厨房器具については洗浄用シンクで洗剤で洗 い、すすぎ、殺菌自然乾燥を行った後、所定の位置に保管する。 3.頭髪、あごひげ、はネットで覆う。 4.装身具禁止、マニキュア、爪装飾の禁止。 5.手の傷、やけどを起こした場合には傷防水の包帯、ノンラテックス 使い捨ての手袋で覆う。 6.布巾:調理台、テーブル、まな板その他の器具を清掃する布巾と、調理用に使用する布巾とは明確に区別をしておく。
<元気プラザ コミュニティ・カフェ管理運営の総括>
・コミュニティカフェの利用状況を過去のデーターから見てみると、利用者の8割が受講生の利用であり食事を楽しみ、余暇を仲間との団らんを楽しむ受講生に支えられて稼働してまいりました。 ・しかるに長期間に及ぶ閉鎖状態が、シェフの業務再開の意志を 希薄化し、高齢化の進行により再開の意志が失われてしまいました。また受講生の高齢化、講座のオンライン化により登校する受講生の減少に拍車をかけ、コミカフェの営業を維持する武器が奪われているのが現状です。 ・コミカフェで毎週水曜日に、市民大学卒業生により栽培された野菜の販売を行い、近所の主婦に安くて、新鮮な野菜が買える場として喜ばれていた野菜販売もコロナウイルスの影響により中止となり、これも再開の機会が得られない状況におかれております。 ・ちなみに2019年2月~6月の野菜売上は、99,200円、7月~12月164,880円合計263,330円の売上がありました。
<新規コミュニティカフェの開設についての私案>
・2012年9月20日に法人化以来10年にわたってコミュニティカフェの運営にあたり、コロナウイルスによる蔓延が原因となり、コミカフェの運営を断念せざるを得ない状態に陥り、社団法人の解散に至りましたこと残念至極でありました。 ・我々が企画し運営をしてきたコミカフェの目標は、コミカフェでの食事の楽しみ、それは 日替わりのメニューとシェフによる創意工夫から作り出される料理の数と種類にありました。人気のあるシェフの料理は、開店早々に予約で一杯となり、多少価格が高くても喜んで食事を楽しむ笑顔がテーブルを囲んでいました。 ・このようなコミカフェを元気プラザで再開することは私個人の希望としてではなく、市民大学そのものの存在意義を高めるためにも是非必要なことであると、心から願っております。
★講座報告 2.
テーマ:困りごとはみんなで解決しよう~支え合って安心・安全に暮らせる街づくり~
◎ 狭山安心お助け隊活動:介護保険外有償生活支援
・コモンズの活動の中で中核となっているのが有償福祉サービス「狭山安心お助け隊」です。 地域の高齢者・障がい者を中心に、暮らしの中の困り事を、同じ地域に住む一般市民の応援会員が支援する「住民の住民による住民のための便利屋 さん」です。
◎「さやま安心お助け隊」活動内容
:<介護保険外の有償生活支援サポート> 福祉移送・通院同伴、掃除や洗濯などの家事全般、身の回りの お世話から庭の整理等、お客様のご要望に合わせてのサポート
✦家事全般・身の回りのサポート (・買い物、掃除、洗濯 ・お食事の支度などの家事全般 ・換気扇や照明器具のお掃除・交換 ・引越しの荷造り、部屋の整理 ・お庭の手入れ、樹木の枝払い ・ペットのお世話 ・御話し相手、趣味のお相手 ・来客の対応等)
✦安心お出かけサポート (通院等したいが、巡回車等に乗れない、交通費がかかりすぎで利用困難 ・親戚や友人宅、 スーパー等買い物、 美容院に行きたい ・イベント、観劇お墓参り、葬儀、結婚式 への参加 ・日帰り温泉 外食 ・市役所、銀行等への書類申請手続等)
◎オレンジカフェの実施
1.高齢者並びにそのご家族の方々の交流:コミュニケーションを楽しめるサロン運営
2.毎週2回(火・木)開催 :認知症予防体操、楽器演奏などのイベントの開催と有償ランチの提供
◎フードバンク狭山の活動
・フードバンクとは、職場やご家庭にある「食べられるけれど余っている」食品を寄付していただき、寄せられた食品を、困窮する世帯へ届けるという活動です。食料の無駄をなくし困った人の支援につながる取り組みとして、全国各地で取り組みが始まっています。
<生活支援体制の改善施策等>
1.新たな生活支援担い手の募集~身近な活動に気楽に参加:体験できるよう工夫 :自前の講習会・説明会の逐次開設 、様々な講座や学習会に参加された人たちとのつながり、実践体験の場の提供。
2.活動の継続のため若い世代の方々との交流による意思疎通~ 活動参加のメリットや、活動継続のための運営 、サポート等若い方々の参加を増やす。
3.身近な相談拠点としての活動強化 ~オレンジサロン等の改善による気楽な相談窓口各種団体とのネットワーク化。
<家族というセーフティネットの消滅>
●親の世代が、これまでのように退職金や年金といった安定した収入得られる見込みが小さくなり、家庭を支え切れなくなってきている。
●親子の高齢化進んで、家族内でもコミュニケーションが取れずに、それぞれが孤立
●年老いた親と一緒に暮らす子供が世帯分離 をしなければ生活保護などの受給のハード ルが高い。
<共倒れ生活の問題点>
①高齢の親の問題 :年金だけでは食べていくのがやっとの生活を送る高齢者がいます。年金の平均の支給額を見ているだけでは、問題が見えにくい。
②中年となった子供の問題 :非正規雇用は年々増えて、2014年には雇用者の4割近くが非正規雇用になりました。また生涯未婚率が上がり、結婚しないで親と暮らす子供の数も増えている。
③親子が同居することで生まれる問題 :親が働ける年齢の子供と同居していると生活保護は、なかなか受けることができない。また親子とで生活することが、周囲から問題をみえにくくしています。
◎「お助け隊」の2大事業
<福祉移送>・できる限り利用者様の負担を軽減した料金体系で思いやりの ある移送支援。 ※完全会員制で市へも届け出、認可されており、いわゆる「白タク」には当たらない。 ・半面、支援者様への報酬は抑えられてしまう。
<屋外作業> ・不住や高齢化により手入れが困難になった庭(敷地)の植樹の整理や除草作業。
※近隣への配慮や敷地前の道路通行の妨げ防止等、地域環 境の保全にも役立っている。
数名の剪定経験者もおり、作業 参加についての経験はほぼ不問。
・支援者(作業者)も高齢化が進み、深刻な人員不足状態。また夏場の作業の時間制限等で、
依頼をこなせない状況。
✦支援員不足の課題と対応~増え続ける要請に対し、慢性的な支援員不足~
利用者様にできる限り負担をかけないような料金体系を設定する半面、「有料ボランティア」という括り(制限)の限界から支援者様に対し、最低時給に至らない報酬でご協力いただいております。ご参加に当たり、創設理念を第一義にご理解いただけるよう説明に努めておりますが、改めまして地域福祉・ボランティアにおける謝礼を(利用者様から)いただいている旨をご了承いただきますようお願い申し上げます。
✦支援者募集の方策例:口コミによる訴求 、チラシ等による訴求 、自治会・NPO等地域の生活支援、団体の活用 ・HP等の活用
◎生活困窮者支援問題
・生活保護に至る前の段階で、経済的な苦しさや地域 における孤立など、生活に困難を抱える人の増加 。年収122万円以下で生活している世帯の割合が6世帯に1世帯。
✦フードドライブの運営(フードバンク狭山)
・「フードバンク・ドライブ」とは、職場やご家庭にある「食べられるけれど余っている」食品を寄付していただき、寄せられた食品を、困窮する世帯へ届けるという活動です。食料の無駄をなくし (フードロスの概念)困った人の支援につながる(福祉の概念)取り組みとして、全国各地で取り組みが始まっています。
以上ご清聴ありがとうございました。
<受講生の意見>
★コミカフェが10年間続いて、(中略)正に市民大学のオアシスで、ピアノ、イベントのある時、美味しいランチタイムでおしゃべりと憩いの場でした。心からご苦労様と感謝を申し上げます。
★今回特に関心を強く持ちましたのは、福祉支援サービス、特に福祉移動サービスの問題です。需要過多にも拘らず、供給過小の現状にあり担い手不足が続いているという状況に触れられました。(中略)コモンズの提供サービスへの期待も大きくなると思います。
以上