・日程:10月18日(月)
・会場:オンライン
・講師:横山千枝子様、小磯一斉様、林光子様
・受講生:出席11名
第2回目の本日は、いよいよ小磯一斉生を講師に迎えて「『スギモリ稲荷とマツモリ稲荷』の学習 1」です。
1) 歴史背景を学ぶ
林光子様(狭山歴史ガイドの会)には、狭山の民話「スギモリ稲荷とマツモリ稲荷」(今坂柳二採話)の歴史的背景について解説を頂きました。
・稲荷神社の解説では、古くから農家や商家では五穀豊穣・商売繁盛の神として稲荷神(社頭におかれた狐形の像は守護獣)を神社に祀り、稲荷講と称して近隣の人たちが集まって飲食をともにしていました。
・初午祭(2月最初の午の日)には、氏子たちが稲荷神社に集まり、宮司による五穀豊穣の祈り、氏子が順次玉串を神前に奉納しています。その後、直会(なおらい)の儀式となり、お神酒と料理を食べていました。狭山市史には詳しく説明されています。
・稲荷神社は、農家は屋敷神を、集落ごとには部落神を祀り、さらに近年では企業が商売繁盛を願って社内に祀ることもあるので、全国的に稲荷神社は多数あります。
・スギモリ稲荷:「新編武蔵風土記稿」によると水富地区の高台にあった西光寺と信立寺に稲荷神社ありましたが、明治の町村合併時に合祀されて広瀬神社の境内社に松森稲荷として祀られたと伝わっています。社には素晴らしい彫刻が施されていますが、製作の時期や作者は不明です。
・マツモリ稲荷:松森稲荷神社は入間川沿いの畑の中の塚の上に祀られています。塚は、頻繁に氾濫する入間川が入間村との間で発声した境界争いの対策として、目印となる塚を築き、境界絵図を保管していたものです。塚の上に松森稲荷を創建したのですが、その時期は不明です。なお、境界の目印となる塚は近辺に8か所ほどあったようです。ちなみに、大きな境界絵図は畳6畳分の大きさがあります。レプリカが狭山市立博物館に展示されている。
2) 補足
水富地区にお住いの小川豊子様から、子どもの頃から体験から、家族が稲荷講の行事を大切にしていたことを話して頂きました。
3) 模範演技
小磯一斉先生に「スギモリ稲荷とマツモリ稲荷」を語って頂きました。
講座で男性の先生による語りは初めてであり、受講生は感激していました。
4) 語りの学習
受講生一人一人が数行ずつ語り、小磯先生からポイントを指導して頂きました。
・台本に目を落とし続けるのではなく、顔を上げて聞き手を見て語るように。
・マツモリ稲荷は高台から見下ろすように、スギモリ稲荷は低地にあるから見上げるように。
・語りの始めでは、聞き手にいまから始まる民話の状況を説明するように、ゆっくりと語ったほうが良い。
・声の高低、山を二つにするか一つにするか、意味合いを把握して語っては。
・対比の文章部分の表現。
・タイトル「スギモリ稲荷とマツモリ稲荷」の対比では、同等がよい。
・語るスピードを場面で調整しては。
・歌を歌う際には、少し間をあけては。
・「・・100年も200年も・・・」のところでは、100年という時間経過を間で表現する。
語りの方法はひとつではない。情景をどのように表現するか、語り部それぞれの個性で表現していいでしょう。
しかし、まずは先生の語りを参考にまねて学ぶことからですね。
(受講生の感想)
・民話の歴史的背景を説明頂き、稲荷神社のことがよくわかりました。
屋敷神、部落神など、たくさんの稲荷神社が創建されていたんですね。
・小磯先生の素敵な声に、引き込まれました。これからのご指導が楽しみです。
・オンライン授業もいいですが、対面授業が待ちどうしいです。