日程: 2月3日(月)
講師: 狭山市文化団体連合会 前会長 横山千枝子 様
会場: 狭山元気プラザ 大会議室
受講生: 出席30名
1.発声練習・活舌訓練で「外郎売り」に挑戦
昨年5月に挑戦した「外郎売り」を一斉に朗読しました。
全文約7分の語りですが、最後は全員同時に終わることができました。
「・・・・・・。
産子、這う子に至るまで、此うゐろうの御評判、御存じないとは申されまいまいつぶり、角出せ、棒出せ、ぼうぼうまゆに、臼、杵、すりばち、ばちばちぐゎらぐゎらぐゎらと、羽目を弛して今日お出での何茂様に、上げねばならぬ、売らねばならぬと、息せい引っぱり、東方世界の薬の元〆、薬師如来も照覧あれと、ホホ敬って、うゐろうは、いらっしゃりませぬか。」
2.民話「影かくし地蔵さま」の学習
狭山の民話「影かくし地蔵さま」を14のパートに分割し、受講生は順番に語り、先生方から丁寧な指導を受けました。順番は前回と異なるので、それぞれの語るパートが変わります。どのパートになっても対応できるように常に緊張して先生の指導に注意している必要があります。皆さんの台本にはメモがいっぱい書き込まれています。
3.昔ばなし「狐提灯」を拝聴
本日は特別ゲストにお迎えして、さねとうあきら作「狐提灯」の語りを披露して頂きました。
・小磯一斉様(タイムリーオフィス所属)はナレーターや役者を演じておられます。来年度「狭山の民話語り部養成講座」の講師をお願いしています。
・池田舞様(劇団仲間・演劇部所属)は舞台役者であり、子どもたちを対象に語りを行っています。なお、日本舞踊林流千永派の師範名取としても活躍されています。
以前、お二人の語りを聴いた横山先生が是非本講座にとお願いして本日の機会を作って頂きました。
「さねとうあきら作「狐提灯」
「空に星が凍りつく、寒い夜だった
万寿院の和尚さまは、漁師の嘉平ンとこで、お経をあげての帰り道だった。浜辺の道はヒイヒョウ風が吹きつけて、和尚さまの衣の裾をまくりあげる。冬の海を渡って来る風は、格別、身にしみた。
『うるるウ、さぶ、さぶ……』
和尚さまは、土産にもらった好物の酒徳利を、ぐいと抱えなおすと、風にまけまいと足を踏ん張った。すると、もう一方の手に握られた薄汚れた提灯(ちょうちん)も、フルフル寒そうにまたたいた。・・・・・・」
終了後、受講生より語りのコツについて質問があり、「台本に記された場面や情景、セリフに自分自身の想いを寄せてイメージを深めている」と指導を受けました。
両先生の語っている時には、上半身の仕草や顔の表情は豊かであり、発するセリフには強弱・緩急をつけていました。椅子に座りながらも、まさに舞台上を動き回っているような情景が伝わりました。圧巻でした。
日頃から指摘を受けていた「間」についても、「十分な間」や「わずかな間」の取り方は非常に参考になりました。次回の講座が楽しみです。
最後に、「狐提灯」を語って頂いた小磯一斉様と池田舞様に、本日の講座に参加できた自分に、感謝して終了しました。