第1回 講座概要の紹介 “今、何故狭山の生活文化なのか“
文責:「さやまの生活文化伝承講座」受講生 鈴木房子
10月10日 特別講座「さやまの生活文化伝承講座」が狭山元気プラザにおいて開講しました。講座開設の目的は、市制施行以前の一般の住民の生業(なりわい)、年中行事や食文化等を学び、生活の様子を記録に残すことです。ゆくゆくは狭山の生活文化の語り部を育てることです。講座の期間は 26年10月10日から27年3月27日で、場所は主に狭山元気プラザです。
「さやま市民大学」小山周三学長より、開講の挨拶がありました。今なぜ狭山の生活文化なのか。今記録しておかなければ永久に埋もれてしまう人々の生業や生活文化を残しておく事の緊急性やこの講座の重要性について話されました。
最初に元狭山市史編さん委員の広沢謙一先生が講演されました。狭山市史は残っているがそれに漏れてしまった人々の生業や日々の生活についての記録を残す事の重要性を説かれました。南古谷での川越の記録、秩父の山奥の村での記録等を例に取り上げられて、この作業で大切なのは“足で書け、頭で書くな”、“テクニックよりも心の大切さ”を強調されました。
続いて、元狭山市博物館長の髙橋光昭先生が講演されました。人々の生業についての調査は現在に至るまで殆ど行われていなかったこと。一般の人が朝起きてから寝るまでの生活、人の生き死に、年中行事、祭りを記録に残す必要性を説かれました。ハレとケについての興味深いお話もありました。ケは日常の事。ハレは日常ではない事、祝儀、不祝儀、祭り、盆、正月等。ハレの記録は残っているがケは当たり前のことなので記録は残っていない。例えば飢饉は日常のことなので記録には残っていない。その日常の記録を今残す必要がある事を強調されました。聞き取り調査で重要なことは、事前に内容をある程度調べておくこと。話を脱線させて広げていくことが大切であると話されました。
最後に受講生の自己紹介がありました。皆さんの熱意が伝わってくるようでこの講座の今後の展開が楽しみです。
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髙橋光昭先生は平成22年3月まで狭山市立・博物館館長を務められました。
※先日の狭山市制施行60年の記念式典では市政功労者の感謝状をうけておられます。
狭山市文化財審議委員会 副委員長
さやま市民大学 狭山の歴史学科講師
狭山博物館主催 古文書読解講座講師 等もなさっておられます。
広沢謙一先生は、狭山市史編纂委員を務められました。
狭山台公民館の“寿大学”で「東海道中膝栗毛初編を学ぶ」の講義をされています。
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