骨密度減少と骨粗鬆症
日時 : 令和元年6月22日
場所 : 早稲田大学所沢キャンパス
講師 : 早稲田大学准教授 鳥居 俊
1.ロコモティブ症候群
加齢による移動能力の低下をきたして、要介護になる危険性が高い状態。片足立ちで靴下がはけない、横断歩道を青信号で渡りきれない、15分くらい続けて歩くことができない、などの症状がみられる。
2.加齢によって生じる運動器の変化
軟骨の変性・摩耗(変形性関節症)、骨の脆弱化(骨粗鬆症)、筋・腱の脆弱化(筋力低下)。
⇒ これらの結果から運動能力の低下、活動性の低下につながる。
3.骨粗鬆症の定義
受講生の全身骨密度測定結果について、項目別に説明。骨密度(YAM)の値が70%未満は骨粗鬆症、80%以上が正常。受講生のほとんどが正常値との事。受講生が測定した、各自の「膝関節の軟骨厚」写真を説明。骨折の好発部位として、上腕骨頸部や大腿骨頸部などあるが、腿骨頸部は身体を支える重要な骨で、骨折すると生命に影響することがある。骨粗鬆症の治療は、薬物療法や運動療法があるが、若い世代から予防し、発育期の骨の蓄積を高める働きかけが必要。
4.変形性関節症とは
関節軟骨が変性、摩耗した状態。動きが悪くなり、痛みや変形による機能障害が原因。
一次性(原発性)⇒加齢
二次性(続発性)⇒外傷、関節炎など。
背景要因⇒遺伝、体重など
5.全身骨密度測定(早稲田大学測定装置使用)
6月8日鳥居研究室実施。
測定結果データは測定者全員にフィードバックする。
受講生の感想・意見
・先日の骨密度測定結果とロコモティブシンドロームの関係が具体的に理解できた。
・非常に興味深い内容でした。今後の日常生活に役立たせるつもりです。
・黄色信号の数値でした。資料を参考に、運動と食事の見直し、励行したいと思います。
・運動と食生活に気をつけて、骨密度、筋力を高めたい。残り少ない軟骨を大切にしたい。