高齢期とリビングウィル
日時 : 平成31年4月27日
場所 : 早稲田大学所沢キャンパス
講師 : 聖路加国際大学准教授 鶴若麻理
1.エンド・オブ・ライフ(人生の終生期)を考える
(1) 現代の終活ブ―ムの背景
① 高齢化率(65歳以上人口)の割合は27%
② 長寿時代(男性81歳女性87歳)
③ 単身世帯・夫婦のみ世帯(高齢者)の増加(58%)
④ 生涯未婚率の増加(男性23%、女性14%)
⑤ 病院・高齢者施設等で亡くなる人が8割を超えたこと
(2) 興味ある終活内容
① 所有物の整理や遺言
② 家族へのメッセージやアルバム、日記の整理
③ 終末医療、延命治療、臓器提供など
④ 葬儀、墓
☛ 人生をどう締めくくるかに関心を持つ人が増えた。
2.リビングウィル(Living Will)とは
将来自らが判断能力を失った事態を想定して、自分に行われる医療行為の意向について、あらかじめ意思表示しておく文書である。日頃から家族等の信頼できる者や医療・ケアチームと繰り返し話し合うというアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の取り組みは重要である。
3.我が国の終末期治療に関する調査から
① 厚生労働省意識調査……「終末期に延命治療を望まない人」は81%。「医師と患者・家族の対話が十分でない」は50%。
② 特養老人ホームの調査……入居時に本人の意向確認が出来ない割合は80%+90%以上が67%のシェアを占める。
③ 高齢者大学受講生への調査……リビングウィルは家族が選択を迫られていることを回避し、精神的負担の減少を重視しているなど。
受講生の感想・意見
・リビングウィルの大切さを感じました。自分はどう生きたいのか?考えさせられました。
・大変有意義な講義でした。早速家族と話し合いたいと思います。
・ACPそのものが初耳で勉強になった。終末医療・治療が延命行為なのか。本人は判断できないので、家族に口頭で延命行為不要と伝えるだけでも十分なのでは。