☆ 開催日 :平成 31年 1月 12日(土) 時間 9:30〜12:00
☆ 場 所: 狭山元気プラザ 大会議室
☆ 担当講師:① ひまわり倶楽部代表 井島美由紀
:② 管理栄養士 中神裕子
:③ Vegetable Promotion 豊泉 正人
☆ 講座スタッフ :コーディネーター:宮野 由紀 講座リーダー:草野 喜実勝
:スタッフ: 綱島 佐智子、有賀 富士子、松瀬 陽子
☆ 講座のテーマ:
★第一部:地域で」「食」を支える取り組みを考える~子ども食堂 in さやま~
講師:ひまわり倶楽部 井島 美由紀
1. こどもの支援を始めた理由
*働けない大人の存在 *将来に希望が持てない大人 *対人が苦手で引きこもってしまう大人 *生活に困窮してホームレスを選ぶ大人 *自己肯定感が低くモチベーションが上がらない大人 *他者に相談することが苦手な大人 の存在に対応する。
●「相対的貧困」=所得の中央値の半分を下回って人(日本に多い)
●「絶対的貧困」=栄養不良、悪環境、高い乳幼児死亡率などによって特徴付
づけられ、人間らしい生活から程遠い人(日本には少ない)
2. 子どもの貧困の現状:継続的な貧困率の上昇:ひとり親家族の貧困率の高さ
:母親(女性)の貧困 :乳幼児の貧困率の高さ
*貧困は経済的貧困だけではない:・相談できる人がいない、・家族と疎遠、
・楽しめることが無い ・夢や希望がない ・他者を信頼できない、・必要と
されている実感が無い、などが原因になる
3. ひまわり倶楽部の活動
① 小学生の学習支援「たんぽぽクラブ」
・毎週土曜日14:00~16:00 社会福祉会館
・いろんな大人に会える場所 ・いろんなお友達に会える場所 ・いっ
ぱい褒められる場所 ・分からないことを聞ける場所
② フードバンク「思いやりスーパー」の開催
・賞味期限の近い保存食やお菓子などを無料で配布する。
③ ひまわり食堂事業
*「ひまわり食堂」: 毎週土曜日社会福祉協議会
1回あたり15食程度。中学生、高校生が対象。
*中央ひまわり食堂:毎月第2・第4日曜日中央公民館調理室
1回あたり40食程度を中学生、高校生、親子連れなど。持ち帰り可
*運営上大事にしていること
・食品衛生とプライバシー保護 ・完全無料 ・来てくれた子どもを「特
別(扱い)」しないこと(普通の子どもとして扱う)
*運営の財源:県社協、市社協、行政などの助成金 ¥ロータリークラ
ブ、レストランなど地域の方々からの寄付、・地域のお祭りやイベント
での出店販売、・空き缶(アルミ)リサイクル 、・農園での野菜販売
*運営上の課題:財源の確保、・担い手の確保(ボランティアの確保)
◎活動の安定継続「ブーム」で終わらせない!
★第二部:最後まで、食事をおいしく楽しくいただきたい
講師:管理栄養士 中神 裕子
◎総人口、年齢階層別人口、高齢化率の推計
◎高齢化率7%から14%に高まるまでの年数:日本は18年で世界最速
◎介護給付と保険料の推移
2001年=2911円⇒2015年 5514円⇒2025年 5869円(推計)
◎地域包括ケアシステムの構築
*団塊世代が75歳以上になる2025年を目途に、重度の要介護状態となっても
住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよ
住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシ
ステムの構築を実現していきます。
*地域包括ケアシステムは保険者である市町村や都道府県が地域の自主性や主
体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていくことが必要です。
◎「自立支援」:地域包括ケアシステムの構築に当たっては、自立支援という考え
方が鍵となる。
:高齢者が一人ひとりが、住み慣れた地域でその能力に応じて自立した日常
生活を営むことができるように支援すること。
◎「自立」とは:福祉サービスを受けないで済むようになることを意味のではあ
りません。どんなに重度の障害者であっても、地域で主体的に生きる、自己
実現をはかることこそが、本当の自立である筈です。
◎「自立」とは「依存できる先を増やすこと」~「自立」とは依存しなくなることだと思われがちです。でもそうでもありません。「依存先を増やしていくこと」こそが自立なのです。これは障害の有無にかかわらず、全ての人に通じる普遍的なことだと、私は思います。」出典:熊谷晋一朗
◎要介護者の原因疾患の49%は「廃用性症候群(高齢による衰弱、間接疾患、骨
折、転倒など)」である。(所謂疾病、病気ではない)
◎「自立」への道⇒「お世話型」(ヘルパーによる買い物、などの困りごとを代行)
⇒「支援型(ヘルパーによる買い物同行、などで歩いてもらう)に代える。
(埼玉県地域包括ケア課作成「高齢者のためのイキイキ生活への扉」より
★第三部:私たちの「地産地消」の取り組み
講師:Vegetable Promotion 豊泉 正人
1) Vegetable Promotion
*設立:2016年4月(さやま市民大学「食と農のコミュニティビジネス講座」
修了後設立」
*事業の特徴:野菜の生産・調理・飲食サービスの一体型の6次産業と
キッチンカー利用の移動販売
*事業方針:野菜で元気に!! 食コミュニティで地域を繋ぐ
~地元さやまの農産物の生産・加工(調理)販売を通じて、地産地消の促進やコミュニティの活性化を図ることにより地域貢献をします。
2) ミッション:安心・安全、新鮮な野菜の生産・販売(調理品を含む)を行います。
:地域イベント等キッチンカーを利用し、主に地元農産物調理品の食コミュニケーションを通じて、地域コミュニティの活性化を図ります。同時に
「さやま野菜のブランド訴求を行います。
:元気プラザコミュニティカフェにて狭山野菜を使った調理品や生鮮野菜の販売を通じて「地産地消」を促進します。
3) 地産地消とは・・
:地産地消とは地域生産、地域消費の略語で地域で生産された様々な生産物
や資源をその地域で消費すること。
:メリットとして・・旬の食べ物を随時新鮮なうちに食べられる。
・消費者と生産者の距離が近いため鮮度が良く栄養価が高い。
・地域経済の活性化、地域への愛着に繋がる
・地域の伝統的食文化の維持と継承に繋がる
・農産物の輸送にかかるエネルギーを削減できる
4) 具体的な取り組み
① 生鮮野菜の生産と販売:季節ごとにオーガニックによって野菜づくり、
狭山元気プラザ内コムカフェにて販売。(毎週金曜日)
② 地元野菜を使った調理品提供:狭山元気プラザのコミカフェにてさやま
ラーメンを提供
③ キッチンカーでの調理品販売:「狭山茶バーガー」、「里芋コロッケバーガー」「ホウレン草パオ」「人参パオ」「さといもケーキ」「さといも団子」
「かぼちゃのアイス」「スムージー各種」
④ 各種イベントへの参加(キッチンカー出店)
⑤ 埼玉県特産「さやま茶の世界“2018年に出店(埼玉スタジアム)
⑥ 狭山茶グルメ計画への参画:さやま茶を使った20品目の料理の一つに
「さやま茶シューマイ」が採用された。
5) 地産地消の課題(埼玉県の場合)
*地産地消の推進に向けて:農業と商工業の連携強化、観光振興との連携、
食文化等の生活文化の継承、保存など、県、市町村、事業者、県民(市民)
などが一体となって取り組むことが必要である。
以上
<受講生の意見・感想>
*(子ども食堂の)お手伝いをしたいと思いました。
*(子ども食堂について)原点から教えて頂き、本当に大切な事業だと思いました。
*幼少時代の食生活、家庭の在り方が大切だと思います。
*「自立」とは依存できる先を増やすこと、これは高齢者を含めてすべての人に言えることだと思います。
*地産地消の取り組みから狭山経済を活性化していこうという考えに賛成です。
*子ども食堂の多様な子供たちに対する思いやりに同感しました。
*“サービスを使わないことが自立ではない”気持ちが楽になりました。
*フードバンク利用は大変良い取り組みですね。素晴らしいです。
*貧困の子供たちが・・・狭山にもこんなに多いとは思わなかった。
*「ひまわり倶楽部」の活動を始めて知りました。何とか力になりたいと思います。
*老後の事を考えて、一段と栄養の事を考えて生活しなければと思いました。
*地産地消、大賛成です。まず日本産を愛し、伝統を大事にしたい。
*“未来の大人を育てる”という言葉が印象に残っています。
<講座リーダーのコメント> 草野 喜実勝
*3人の講師にそれぞれ違うテーマで講義をお願いしましたが、結果として3つの
お話に共通するテーマは“食べることは生きること”という当講座のテーマそのものに通じるものであった。
*また、3人とも正に現役でしかも現場で日夜活動している方々であり、お話の内容は現実そのものであったこともあり、受講生にも実感として伝わるものが有ったように感じた。
*振り返りシートの内容も何時も以上に細かく丁寧に書いた受講生が多かったのも
今日の講座の内容が充実していたことの証であると思った。