☆開催日: 平成 30年 11月 2日(金) 時間 13:30~15:30
☆場 所: 狭山元気プラザ B棟2階 大会議室
☆担当講師:西武文理大学サービス経営学部 教授 安田 亘宏
☆講座スタッフ: コーディネーター:小山周三 講座リーダー:草野 喜実勝
スタッフ:山影昶、江頭誠治、有賀富士子
☆講座テーマ:「まちを楽しくするイベントのプロデュース手法」
1. イベント・プロデュース
*あなたが知っている祭り・いべんと・小さなものから大きなものまで10個を書いてください:①クリスマス、②七夕まつり、③ねぶた祭、④万燈祭り、⑤ハロウィーン、⑥5月の節句、⑦あじさい祭り、⑧祇園祭り、⑨札 幌雪祭り、⑩東京2020・・・・
2.日本の祭り
★ 祭りとは・・・・:
*祭りの語源:祀る(まつる)の名詞形、神を祀ること
*祭りの始まり:豊作祈願、豊穣への感謝
★祭りの変化
農村の神社 豊作祈願(踊り+食べ物と酒)
↓
町の発達 神社の力(神輿・山車など)
↓ 行事の祭り化
(初詣、節句、七夕、お月見など)
国・自治体・企業・市民が祭やイベントをつくる
祭やイベントは多くの人を呼ぶようになる。
★祭の分類
*祭事神事・・神様、仏様と関係のある伝統的な祭:八幡様の祭、盆踊り、東北の夏祭り、京都の祭り
*季節祭事・・・市民の祭り、季節の催し、:七夕祭り、雛祭り、花火大会、雪祭り、花祭り
*イベント・・現代的な催し:博覧会、音楽祭、芸術祭、スポーツイベント・・・
★祭りの効果
*来訪者の増加 *地域経済の活性化、*地域住民の誇りの高揚、一体感の醸成、*地域の知名度アップ・PRに寄与、
*地域文化の交流と伝統文化の継承、*オフシーズン・オフデイの解消、*周辺観光地への波及、新たなビジネスチャンスの創出
3.イベント
★いろいろなイベント
*個人:誕生日、七五三、雛祭り、ホームパーティー、婚活パーティ、成人式、結婚式、金婚式、葬式・・・
*学校:入学式、運動会、文化祭、発表会、合唱コンクール、水泳大会、遠足、修学旅行、保護者会、卒業式・・・
*地域:夏祭り、秋祭り、盆踊り大会、市民祭り、マラソン大会、田植祭、花火大会、商店街フェスティバル・・・
*企業:入社式、PRイベント、新商品発表会、展示会、見本市、優待セール、企業説明会、就活イベント、講演会・・・・
*文化:芸術祭、音楽祭、コンサート、ロックフェス、演劇祭、映画祭、講演会、シンポジウム、コミックマーケット・・・
*国:オリンピック、万博、ワールドカップ、世界選手権、園遊会、・・
⇒それぞれ何れも何らかの目的をもって開催されている。
★イベントの定義:
*「イベントとは、何らかの目的を達成するための手段として行う行事である」⇒イベントの開催そのものが目的になることはない。
*「イベントは一定の場(空間)で、一定期間、ある特定の形態で、住民を中心に多くの人が集まり開催されるもの」
*「イベントはコミュニケーションのメディアである。」⇒従来のマスメデイア(マスコミ)と異なり双方向コミュニケーションメディアである。
★イベントの役割:
◎パブリック・イベントの役割
(1)地域アイデンティティの確立
①地域の知名度アップ ②地域のイメージアップ・イメージチェンジ ③住民の意識革命、達成感の醸成 ④地域の新たな魅力の発見・創出
(2)地域産業の振興
①産業間の交流促進、販路の開拓、②来場者・参加者による消費拡大、③会場施設・印刷・輸送などによるビジネスチャンスの発生、④環境整備促進による生活環境の向上、⑤地域産業のイメージアップとPR効果
★イベントの目的:
◎地方自治体におけるイベントの目的
①地域の振興・活性化 ②地域住民の連帯意識・コミュニティ意識の醸成、③地域C.I(コミュニティ・アイデンティティ)の確立、④国際化、国際交流の促進
◎企業におけるイベントの目的
①社会・市場とのコミュニケーションの深化、②販売促進、③組織の活制化・社員のモチベーションアップ、④文化活動とその支援
4.地域イベント:
★地域イベントとは:
*地方自治体、または地域社会(コミュニティ)の構成員が実施するイベント
*地域活性化・地域振興を目的として計画的・戦略的に実施されるイベント
*規模・形態は多種多様、共通理念は「市民参加」「住民参加」
★地域イベントの開催目的:
①地域の知名度アップ、②地域のイメージチェンジ・イメージアップ、③住民の意識革命、達成感の醸成、④地域の新たな魅力の発見・創出、⑤地域産業・地域商品の振興/PR、⑥地域間交流とファンの獲得、⑦集客観光振
興、⑧生活文化の充実、⑨住民の健康増進、⑩地域を担う人材の育成、⑪国際交流の促進
5.イベント・プロデュース
★イベントのプロデュース機能
*そのイベントの目指すべき全体像を構築し、輻輳する様々な要素や条件の調整を行いながら、種々の制約の中で最も効果を高めるよう、それらを一つのシステムとしてくみ上げていく機能。
*計画段階から終了に至るまで、そのプロジェクトの進行管理を一貫して総合的に統括する機能
★プロデュース機能の役割
①目指す目標や理念、向かうべき方向が常に明示され続けること
②常に一貫した判断基準が用意されていること
③意思決定ルールが確立されていること
★イベント・プロデューサー
*計画段階から終了に至るまで、そのプロジェクトの進行管理を一貫して総合的に統括し、イベント全体の成否まで責任を持つ専門職能。
★イベント・プロデューサーの役割
①計画段階:イベントの目的、理念の明確化し、最も効果が高いと思われる内容と構成を選択しシステム構築する。イベント全体のグランド・デザインを描き、関係者に全体像を伝え、コンセンサスを醸成すること。
②製作段階:限られた条件や種々の制約の中で、イベントの意義と役割を達成する方向へと導く。予算管理・工程管理・効果管理が重要な責務。
③実施段階:期待や要求とのズレを的確につかみ対応策を講じる。現場を見ながら、より効果的なオペレーションの方法を検討する。
◎イベント・プロデューサーの最初の仕事:
~イベントの構成要素=6W2Hを考え決めること
★6W2Hとは?=WHO?WHY?WHAT?WHEN?WHOM?WHERE?
★2Hとは?=HOW?HOW MUCH?
◎イベント・プロデューサーに求められる能力
①まず最初に必要な、想像力と企画力
②事業推進に重要な、予測能力と調整能力
③全体を通じて求められる、バランス感覚
以上
<受講生の意見・感想 >
*6W2Hを関わる全員に徹底することだと思いました。「
*各地の祭を世に広めたのは報道の力と思っていたが実際は旅行社のツアー企画によって盛大になったことに驚きを感じた。
*祭りを含めて地元に人と夢とおカネをもたらし、新しい夢と感動を呼ぶものだと感じた。。
*イベントの目的はイベントを通じて地域の課題を解決することであると理解した。
*「イベント」というものを理論的に分かり易く整理して頂き大変参考になりました。
*イベントは目的を達成するための手段で双方向のコミュニケーションが取れるものだと理解した。
*人と人との交流によって地域の絆や人間関係が強化されるのだと思う。
<講座リーダーのコメント(記入者)>草野 喜実勝
*本格的な「祭り論」を聞くことができて良かったと思う。
*現在では「祭り」の始まった時の目的や動機をそこに参加する人たち自身があまり
意識せず、ただ例年通り、今まで通りやれば良い、と惰性で行われる「祭り」が多いのではないか?と考えさせ られた。
*プロデュース、プロデューサーという言葉が如何に重く、責任のある職務であるかが良く分かった。