早稲田大学所沢キャンパス 野球場(多目的グラウンド)、女子ソフトボール部が練習しています。
8月4日(土)いきがい講座第15回 前期講座最終回
「いきがいとしての余暇」
講師: 早稲田大学人間科学学術院 臼井 恒夫教授
1. 学習のねらい
高齢期においては「いかに健康で長く生きるか」だけでなく、「いかに充実した生活を送るか」と言う「生活の質」の向上が重要であり、生きがいづくりやそれに関連した余暇活動が新たな課題として注目を集めている。
2. 余暇の歴史
・前近代社会では農事、祭礼、慣習が余暇を提供し、個人の余暇は未発達。
・近代社会では余暇は無益として統制する捉え方であったが、産業社会が発展すると余暇問題は労働政策の中に位置づけられ、娯楽産業が広がった。その後、定年者の増加、平均寿命の上昇、高齢社会の更なる進展のもと、自由時間の充実が重要な課題となってきた。
3. 人生80年時代の生涯生活時間は70万時間。60〜80歳の余暇時間は仕事時間と同じ10万時間
4. 日本人の生涯生活構造は「3すぎる」と言われている。
・子供時代は「勉強し過ぎ」大人は「働き過ぎ」高齢期は「暇がありすぎ」
・日本は欧米と比べると有給休暇も少なく有給休暇取得率も少ない。
5. 国際比較から見た日本の高齢者の余暇生活
・男女ともに睡眠時間が減少し、家事関連時間が増加している。
・テレビ・ラジオ・新聞・雑誌に費やす時間が増加している。
・社交性に乏しく、近隣の人との交流が少ないなどグループ活動参加が低い
6. 余暇と生きがい
・若い時から余暇活動の学習や訓練をしないと歳を取って意欲と機会を失う
・人生80年時代を仕事中心の発想だけで生き抜くことは出来ない。余暇は地域の生活に深く根差したものでなければ、人生を支えることが出来ない。若いころから家庭と地域に余暇生活の足場を築きゆとりある生活を楽しめるように個人も社会も工夫を重ねていくことが求められている。
資料出所:臼井教授著作いきがい講座テキスト「いきがいとしての余暇」及び講義より引用
平成29年度さやま市民大学修了式で記念講演をされる 早稲田大学人間科学学術院 臼井 恒夫教授
~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【受講生の感想・意見】 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
❖余暇活動は、若いうちから学習や訓練をしないと歳を取ってからでは意欲と機会を失う事を学んだが、20年前に今日の講義を学んでいたら自分のセカンドライフはもっと違っていたかもしれないと思った。
❖前期講座についての感想・意見
・講座の内容は全般にレベルが高く、とても興味深い内容でした。今まで受けた市民大学の中で、一番素晴らしい内容です。
・期待したとおりの講座で「受講してよかった」と満足しております。
・現実の立場が理解できた。有意義でした。
・人生週末に近づいているこの頃ですが、身近な問題をていねいな授業で良かった。
・期待したとおりの講座で「受講してよかった」と満足しております。
・すべての授業に共通していえることですが、図表などを用いて、たいへん分かりやすい講義でした。
・それぞれすべての課目で役立ち、勉強になりました。
・大変参考(勉強)になる講義が多かった。埼玉いきがい大学でも色々な講義を受けましたが、いきがい講座の内容はとても濃く良かったです。
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