早稲田大学所沢キャンパス正門から学舎へ向かう通路。朝から学生たちが掃除をしている。
6月30日(土)いきがい講座第10回
「高齢期とリビング・ウィル」
講師: 聖路加国際大学 鶴若 麻理准教授
1. エンド・オブ・ライフ(人生の終生期)を考える。 現代の終活ブームの背景は
① 長寿時代(男性81歳、女性87歳)、
② 高齢化率(65歳以上人口の割合)は27%、
③高齢者の単身世帯・夫婦のみ世帯の増加(57%)、
④病院・高齢者施設で亡くなる人が8割を超えたことなどである。
2.興味ある終活内容は
①所有物の整理や遺言、
②エンディングノートの作成、
③終末期医療・延命治療などである。自分の人生をどう締めくくるかに関心を持つ人が増えた。
3.リビングウィルとは
将来自らが判断能力を失った事態を想定して、自分に行われる医療行為の意向について、あらかじめ意思表示しておく文書である。日頃から家族等の信頼できる者や治療・ケアチームと繰り返し話し合うというアドバンス・ケヤ・プランの取り組みは重要である。
4.終末期医療に関する調査から
①労働省意識調査では終末期に延命治療を望まない人は81%であるが、医師と患者・家族との間での対話は十分でない。
②特養老人ホームの調査では入居時に本人の意向確認が出来ない割合は80%以上を占める。
③高齢者大学受講生への調査から、リビングウィルは家族が選択を迫られることを回避し、精神的負担を減少させることを重視しているなどである。
資料出所:鶴若麻理准教授著作いきがい講座テキスト「高齢期とリビング・ウィル」及び講義より引用
~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【受講生の感想・意見】 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
❖ 「終活」は、私にとって「最も大きな課題」のひとつです。なかでもリビングウィルは残したいと考えています。しかし、これは自分ひとりの問題ではないということを痛感しました。 残された家族に負担をかけたくないという思いからのリビングウィルですが、その家族に納得してもらうためには、時間をかけてていねいに話し合うことが大切だと思います。考えさせられることが多い講義でした。
❖常日頃から自分はどうありたいかということを周囲に話しておくことは大切で、恥かしい事ではないと解った。とにかくこれからは話そう!と思う。
❖リビングウィルの考え方には賛同できます。でも、いつからパートナーに話をしようか迷ってしまいます。
❖リビングウィルと言う言葉は初めて聞きました。家族とは話をしても、書面で残すとなると、やはり考えます。医療者のアドバイスも必要になる。
❖リビングウィルは、判断能力がある時に書いておくことが大切なことは理解できたが、自分がどのような状況になった時に誰に何を託しておくのか難しい。具体的な内容例などが有れば家族と話しあう時に参考になるのではないかと思った。
❖長生きする前提と、突然の事故など、状況により違うと思う。事故の時どうするか、子供たちに聞いてみよう!延命に用いる費用が出せるかわからないから。
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