第6回 史跡・文化財めぐり「奥富地区」
実施日:平成28年10月27日(木) 8時30分集合~12時50分現地解散
天 候:晴 22度 風強し 雲一つない秋晴れ
地 区:奥富地区 コース距離 約6㎞
コース:新狭山駅北口広場…大山道の道しるべ…芝坂のイボ神さま…広福寺…奥富公民館(休憩)…梅宮神社 …瑞光寺…西方の薬師堂…生越道道標(現地解散)…新狭山駅
参加者:髙橋先生 受講生23名 聴講生1名 スッタフ5名 狭山歴史ガイドの会4名 総勢34名
■大山道の道しるべ
・この大山道の道しるべの様式は山伏型角柱の文字塔で、正面の銘文から阿弥陀如来の種子(キリーク)、その下に南無阿弥陀仏と名号が彫られているところから、阿弥陀如来を主尊とする石仏型の道しるべです。寛政5年(1793)6月に建てられました。
道路が狭く混雑するのでビジネスホテル若狭の広場をお借りしてガイド説明をしました。
■芝坂のイボ神さま
・通称「イボ神さま」と呼ばれる浮彫の馬頭観音は、銘文から安永8年(1779)正月に、この付近に住んでいた細田林右衛門(ほそだ りんえもん)により、馬の供養仏として建てられたものです。
この馬頭観音がイボ神さまとして信仰されるようになったのは、身体中にイボが出来て困っていた人が願掛けをしたところ、たちどころにイボが取れたことからだと伝えられています。
・八雲神社 創立年月については不明です。旧来牛頭天王(ごずてんのう)と称しましたが、明治維新に至って当社の社号を八雲神社と改称しました。平成16年3月に現在の社殿に再建されました。
■広福寺
・当寺は薬王山地蔵院広福寺といい、川越にある仙波中院(せんばなかいん)の末寺で、宗派は天台宗です。本尊は木造薬師如来坐像です。
創建については正徳4年(1714)に全焼したため古記録のすべてを失いましたが、江戸後期に編纂された「新編武蔵風土記稿」には「開山尊栄(そんえい)永禄11年(1568)當寺を草創」とあります。
・山門は昭和48年(1973)3月1日に狭山市指定文化財・建造物として指定されました。
袴腰(はかまごし)が美しい漆喰(しっくい)白壁塗りで、袴腰の上層は勾欄(こうらん)手摺りをめぐらした楼門(ろうもん)です。また屋根の下が鐘楼(しょうろう)になっているのも珍しい山門です。
・当寺の歴史を感じさせるものに「御詞(おことば)の梅」と呼ばれる紅梅があります。
いわれは3代将軍家光が当地で鷹狩りを行った際に当寺に立寄り、当寺の井戸水で点(た)てたお茶を飲んだとき、この紅梅のあまりの美しさに感嘆の声をあげられ、「この梅おろそかに致すべからず」との言葉から「御詞の梅」と称するようになったといわれています。
■奥富公民館で休憩
■梅宮神社
・当神社の創建は古く承和(じょうわ)5年(838)といわれ、京都市右京区の桂川沿いに鎮座する梅宮(うめのみや)大社から分祀したものです。広瀬神社と並んで市内で最も古い神社の1つです。
・鰐口(わにぐち)は、神社の拝殿やお寺の仏殿の前に吊るされた銅製の扁平円形のもので、参拝の際に綱で打ち鳴らす仏具です。昭和51年(1976)に狭山市指定文化財・工芸品に指定されました。
・拝殿に掲げられている桃園三傑図(とうえんさんけつず)は、昭和52年(1977)9月1日に狭山市指定文化財・絵画として指定されました。
普段は上がれない拝殿でガイド説明をしました。
■瑞光寺
・当寺は龍殿山成就院瑞光寺といい、宗派は真言宗智山派で、本寺は坂戸の大智寺です。
創建は不明ですが、大正2年(1913)記した調書「瑞光寺所有物件之覚」の中に、古老のいい伝えによれば創建は平安前期の大同2年(807)といわれているとの記載があります。
・志村家のお墓 ここの墓地には上奥富の名主の志村家代々の墓地があります。堀兼地区の新田開発で説明がありましたが、堀兼の新田開発の総責任者だった志村次郎兵衛は志村家の次男でした。
■西方の薬師堂
・西方自治集会所横の薬師堂の創建年代は不明ですが、慶安元年(1648)に記された広福寺の「御改帳(おんあらためちょう)」によれば「堂地三畝六歩薬師堂高(光)林寺也」とあるので慶安元年以前の創建と思われます。このお堂は広福寺の所有で、通称千日堂とも呼ばれています。
・本尊の薬師如来坐像は左手に薬壷を持っていたようですが、今は持っていません。右手は肩の辺りに上げて施無畏印(せむいいん)をしており、すべての人々の心の恐怖を取り除き、病から救済を図るお姿をしています。制作年代や作者は不明です。
■生越道道標
・生越道道標は昭和50年(1975)3月1日に狭山市指定文化財・史跡として指定されました。国道16号線に面して建っているこの道標は、神仏を刻まない市内で唯一の独立型道しるべで、建てられたのは寛政2年(1790)です。かつては「せごしどう」と言われていましがた現在は「おごせどう」と言われています。
国道16号沿いにあり狭い歩道なので、西方自治会集会所前でガイド説明をしました。