・日程:1月31日(月)
・会場:オンライン
・講師:横山千枝子様、小磯一斉様
・受講生:出席11名
第8回の授業は、「『地蔵の年越し』の学習3」でした。
① 状況と感情表現を深める
② 台詞と地の文の語り分け
前回、A,B,Cに分かれたグループごとに、登場人物(おミノ、小平治、小豆婆、化け地蔵、黒地蔵、耳垂れ地蔵、成円寺の地蔵)の配役を決めたので、予習はできていました。
そのうえで、小磯先生の指導を受けました。たくさん学びました。
1) 話のはじめ
おミノ
大晦日の晩でした。
おミノは不老川の橋の下で、寒さに震えていました。
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聴衆は、これから何か始まるのか、期待を持っている。その思いを一層膨らませるように、タイトルコール後、間をゆったりと取って、ゆっくりと語り始める。
2) 情景が変化するとき
おミノ
『水野のお地蔵さん・・?』
どう眺めても、普通の百姓にしか見えません。
目がなれて来ると、同じような男たちが、ずらりと鍋の回りに群がって、ズルズルおかゆをすすっているのが、見えてきました。
「目がなれてくると・・・」では、暗闇の中で少しずつに表現するか、ゆっくりと語るなどの工夫がほしい。表現するか、ゆっくりと語るなどの工夫がほしい。な男が群がる空間の表現は、実際に周囲を見ますと自然に声の動きとして現れる。
3) 台詞と地の文の語り
化け地蔵
『この子のてて親は、評判の良くない大酒呑みでな、飲んだくれちゃあ、家族を泣かす荒くれもんじゃ。
この子の母親だって二年前、働きすぎで死んじまって、今じゃあ、この子一人で苦労しとる』
きっと、水野の地蔵さんは、村の辻で見守っていたのでしょう、ミノの哀れな身の上を地蔵さんに、話してくれました。
『セリフ』の文とその後の地の文を同一人物が語るとき、声色や音調に違いをつける方法がある。特に、複数の登場人物を一人で語るときには、それぞれを語るときの体勢を決めることも方法としてある。
4) 終わり
おミノ
『ありがとう、お地蔵さま』 おミノは、もうじきお正月がくる空めがけて、力一杯叫びました。
鐘が鳴る度に、すーッと光の筋が走り、その上にお地蔵さんがちゃっかり乗って、ヒラヒラ手を振ったのを、ミノはたしかに見たんです――
最後は、聴衆に終わりであることを知らせるように、余韻を残して語る。受講生の要望を受けて、小磯先生の「地蔵の年越し」の録画を渡しました。繰り返しの自習により、一層の成果が得られると期待しています。
(受講生の声)
・細かいところまで教えていただき、初心者としてはとても有難く思います。読む時に感じた事、想像した事が声となって伝わる事を理解しました。
・今期の授業も後3回かと思うと残念です。どの様な形にしても続けて頂けたら幸いです。
・今回の語りを聞いて皆さんがすごく上手になられていてびっくりしました。
・先生がよくおっしゃる「それもありですね。」理解できました。
・答えは一つでないので自分で工夫することは楽しいですが難しいです。
・今回はグループごとに配役を決めての練習で、グループの特徴が出ていて、聞いていて面白かった。
・小磯先生から、自分の体の状態を変えることで、声が変わってくると教わった。キャラクターを使い分ける時には、体を動かしてやってみようと思う。
・小平治の『丼一杯のかゆ』を、数量としてとらえていたので、一杯⤵と読んでいたが、ここでは、いっぱい食べさせてあげようと、丼にあふれんばかりのかゆを持ってきてくれたと考えて、一杯⤴(たくさん)という意味で読むのがいいかなと思いました。
・先生から具体的な指摘と指導を頂き、少しでも物語の人物に近づけるよう練習してみます。
・身体の位置(状態)を変えることで声が変わると教えて頂いたので試してみます。
・せりふと地の文との違いがはっきり分かるように読むこと、体の体勢・向きを変えるだけでも声が変えられるなど、具体的なアドバイスも頂き、大変参考になりました。