★開 催 日 :令和2年1月10日 ★ 時 間 13:30~15:30
★場 所 : 狭山元気プラザ 大会議室
★担当講師:江頭誠治氏、大森治子氏、豊泉正人氏
★講座スタッフ :講座リーダー:江頭誠治 スタッフ:綱島佐智子、松瀬 陽子
★本日のテーマ:
1.コミュニティカフェの運営・一般社団法人街活さやま 代表理事 江頭誠治
*旧狭山台北小学校が廃校となり、そのあとの校舎を利用して平成24年に狭山市民大学が設立された。
この校内の2階にコミュニティカフェが開設され、その営業運営を一般社団法人街活さやまが受託し、
7年間を経過した。
*コミカフェは月曜から金曜まで5人のシェフによるワンデーシェフ方式で運営されており、
日替わりで食事が提供されている。
シェフとの契約にあたりコミュニティカフェの趣旨について理解を求め、趣旨にしたがって
の運営が求められている。
1.地場産の野菜を使用して、安全、安心な食事の提供と、ワンデーシェフによる日替わりの
料理が提供されること。
2.地域の人々の交流の場であり、地域の様々な情報の発信をしていること。
3.狭山台地区で多い一人暮らしの高齢者に栄養バランスの取れた食を提供できること。
4.子ども連れでも気兼ねなく訪れることができ、食事やお茶などでホットできること。
5.就労が難しい人でも有償で働く場になっていること。
6.さやま市民大学修了生でコミカフェ開店を希望する個人、団体のインキュベーション施設であること。
*2019年度(1月~12月)のコミカフェ実績
回数 ランチ 平均/日 平均/月 コーヒー 平均/日
通常営業 230 8,299 36.08 691.58 439 1.91
臨時営業 4 499 331
総数 234 8,798 37.5 770 3.29
*経費:シェフが支払う毎月の経費
管理費:10,000円(調理に使用する燃料代を含む)
消耗品:コーヒー、ミルク、フィルター、砂糖)街活さやまで仕入れた原価でシェフに
請求(月平均1万円程度)
その他:コミカフェ内で使用される、鍋、電気釜、お皿等必要備品は無償貸与
*原価計算、月間収入:
当コミカフェで提供されるランチ価格は500円~700円で推移しており、平均600円(1食当たり)
として売上価格を試算すると、2019年のランチ数は8,299食:8,299×600=4,979,400円1日平均:
36食x600=21,600円の売上。1か月4回稼働として、21,600×4=86,400円が日替わりシェフの収入となる。
食材費:売り上げの35% 86,400×35%=30,240円 86,400-30,240=56,160円の祖利益となる。
*このほか、厨房内で皿洗いに1名、レジ係り1名、厨房外で配膳係り1名が必要となり、
その人件費の手当も必要となる。
2.今後の課題
*2018年8月に改正食品衛生法が可決され、HACCP(ハサップ)の義務化が決定しました。
HACCP義務化のスケジュールは、2020年6月法律施行、2021年6月猶予期間修了
となっています。
*来年6月までにHACCP(ハサップ)に対応した衛生管理を行わなければなりません。
当コミカフェにおきましても今年1年かけてHACCPに適応した衛生管理について文書化
を行い、実施に移さなければなりません。ワンデーシェフ及び関係者の協力をお願いし、
食中毒のない、安心、安全な食の提供が実行できるよう努力いたします。
2.お菓子工房“春呼”HARUKOの紹介 : 大森治子氏
*店名:春呼(HARUKO) 演者の名前より春呼となづけた。
*場所:入間市久保稲荷町5-3-11(久保稲荷公民館近く)(Tel:04-⓶962-5139)
営業日:木、金,土、日 定休日:月,火、水 営業時間:11:00~19:00
春呼は2003年に現住所の入間市の自宅,6畳,7.5畳の部屋を厨房に改造し、
小さなお店からスタートしました。17年もの間、地域の皆さまに支えられて、現在では販売スペースを備え付けた店舗となりました。
子供に安心して食べさせられるお母さんの手づくりケーキをモットーにお菓子作りを続けています。
食材:
*ケーキ作りの食材は・北海道産の小麦粉・地元桂ファームの卵・北海道よつ葉の乳製品です。
*季節のフルーツは、顔の見える、無農薬、減農薬を使った生産者から直接仕入れています。
*パイ・クッキーは、生地からすべて自家製です。バターを立地に使った本格的な味わいです。
*ジャムは、旬のフルーツと砂糖、レモンのみで作っています。
季節の食材:
*冬~春 完熟とちおとめ(埼玉県吉見町産)
*初夏~夏 ・あんず【長野県、森産】・桃、スイートネクタリン【山梨県産】・ブルーベリー【埼玉県日高産】・プルーン【長野県産】・イチジク【埼玉県、加須産】
*秋~冬 ・ピオーネ、シャインマスカット【山梨県、長野産】・栗【埼玉県・長野県・
熊本県産】・りんご【長野県産】ラ・フランス【山形県産】・レモン(国産)・オレンジ(国産)
*定休日(月、火、水)は、食材の産地に行きより良い食材の仕入れ及び新しい食材の発見に
努めています。例えば12月は、吉見町産 減農薬 完熟イチゴ“とちおとめ”を販売して
います。クリスマスケーキの予約販売に使用されます。
*HARUKOのお菓子クラブ
○Aアラカルㇳコース(旬のカットケーキ7カット) ○Bホールケーキコース
○C焼き菓子ジャムコース 各コース1年契約で2,500円/月
*営業成績:
17年間安心して安全に食べていただくために食材探しに全国を飛び回り、上記の食材を
探し、これをお菓子作りに生かしています。供給者、購入者からも感謝され、
『お菓子は幸せな笑顔で心を込めて作りなさい」そんな言葉を胸に今日もお菓子を
作りつづけてています。
17年間続けて営業できたのは、家族の協力、と安心して食べることのできる食材の
安定供給があって初めて実現できたと思います。経費節減のために自宅を改造し、
工房と販売が狭いながらもできたこと家賃を支払うことなくコツコツと販売を広げ、
お客様の信頼を勝ち得たことが大きな成果でした。手作りのチラシA4版の用紙に
盛られたたくさんの情報を読むのが楽しくなる、翌月のチラシが待ち遠しくなる情報です。
3.名称: Vegetable Promotion (ベジタブルプロモーション):豊泉正人氏
*設立: 2016年4□→月食品営業許可公布と同時に営業を開始、夫婦2人の個人営業
事業の特徴:・野菜の生産~調理~飲食サービスの三位一体型の六次産業
・飲食サービスは移動販売の影響で主に狭山茶、さやま野菜の訴求活動を行う。
*移動販売のメリット、デメリット
(メリット)
・開発費用が低コスト ・賃料がかからない ・場所に縛られない ・提供商品の自由度が高い。
(デメリット)
・客足が場所や天候に左右される ・夏は暑く、冬は寒い・・・客席が(室内に)ない。
・出店場所を探さなければならない
*目標:地元狭山の農産物の生産・加工(調理)販売を通して、地産地消の促進や、コミュニティ
の活性化を図ることにより地域貢献をします。
(商品)生野菜だけでなく、調理品として付加価値のあるアイテムを提供。
□→野菜を使ったオリジナルの手づくり商品
(流通) 売れる場所へ移動できる □→移動販売
売れる場所=人が多く集まる□→イベントでの出店
(価格)自産野菜を食材とする □→安価にて提供
(宣伝)目立つキッチンカー、オリジナル手作り商品 民の食座愛を狭山産野菜・お茶とする□→
「さやま野菜」【狭山茶】の訴求
【優位性・強み】
自己栽培野菜の利用
・新鮮且低価格な商品の提供
・地元野菜を材料とし地産地消を促進
・オリジナルな「手作り」調理品を提供
キッチンカーの利用
・移動販売という利便性
・賑わいのある場所(イベント会場など)への出店
・提供商品の自由度が高い
【野菜の生産】
春,夏 スナップえんどう、インゲン、じゃがいも、キャベツ、ナス、トマト
キューリ、ピーマン,人参,大根、カボチャ、ホウレンソウ、小松菜
つるむらさき
秋、冬 ほうれん草、里芋、サツマイモ、大根、ニンジン、ゴボウ、ネギ,白菜
キャベツ、ぶろっこり―,カリフラワー。
【野菜の販売】
狭山元気プラザにおいて毎週水曜日、金曜日に販売
【元気プラザコミュニティ―カフェ】
毎週金曜日、狭山野菜ラーメン・・・新鮮な「さやま野菜」をㇳッピングすることにより、
皆様の食の健康と野菜生活を応援します。夏は冷やしもあります。
・狭山茶バーガー
鶏ひき肉に狭山茶の粉茶を合わせてパテを作りました。お茶の成分を丸ごと摂取できる商品です
・里芋コロッケバーガー
狭山B級グルメとして知られる里芋コロッケを挟んだバーガーです。コロッケは自
産されたものを手作りしたものです。
・里芋ケーキ
小麦粉を使わずに、マッシュしたさといも(親芋)をペースにして狭山茶味に仕上げた
低カロリーでヘルシーなケーキです。
・DUO-SAYAMA焼売
さといもペーストと狭山茶ペーストを利用してオリジナル焼売を作りました。
*各種イベント等に積極的に参加し、イベントを盛り上げると同時に、食コミュニケー
ションを通して、地域の活性化に取り組んでいきたい
□▶農産資源や観光資源の有効活用、地域の多世代の人達が交流できる機会や場における
食コミュニケ―ションの提供。
□▶農業と商業による「地産地消」の推進
□▶狭山産野菜「さやま野菜」の訴求
*微力ながらも。できることから着実に実践していき、地域を元気にして行くことが
活力ある狭山市につながっていくと思います。
以上
<受講生の感想・意見>
1.コミュニティカフェの運営・街活さやま(江頭誠治氏)
A)・まずコミュニティカフェの趣旨がよいと思いました。
・一人暮らしの高齢の方に良い栄養バランス。 ・就労のむづかしい方の働き先
・コミカフェ開店希望者へのキッカケ
狭山に住んでいながら全然知りませんでした。コンサートや野菜販売など近隣の方に
喜ばれる企画とても良いです。コミュニティカフェとして、こうした企画やメニュー、
宣伝までしてくれること魅力的です。質問、家賃に関する話が聞けたのもよかった。
学び、経験しながら独立に向かうのかなと思いました。
B)話を聞き、売上、利益を考えると非常に厳しい様だ。半面場所提供をしていただける
利点もあり、もっと宣伝効果を広めることとメニューの新鮮さで活路が期待できると
思います(市の広報、自治会、商工会、老人団体、PTAなど)
2.お菓子工房・治子(大森治子氏)
A)サラリーマンから起業化し、ケーキ屋さんへの原価率に左右され、競合店多く競争
激しい中、17年は頭が下がります。材料にこだわりおいしさを追求されています。
流れに乗らないビジネスと感じました。
B)ご自身の事情をお話してくださったことでとても身近に感じました。また全くお菓子
と関係ないところから【好きなこと】をお仕事にできるのだと具体的な内容でとても
わかりやすかった。50代からの新しい挑戦素晴らしいです。キッカケがありセミナー
という第1歩を踏み出したからこその実現であったのかなと思います。準備や事前知識が
やはり必要だと思いました。さやま―ケットさんでもみたい!手書きのチラシとても
素敵で、クッキーもとてもおいしかったです。我が家でも自宅で何かできないかと思いました。
3.野菜工房・ベジタブルプロモーション(豊泉正人氏)
A)ごはんのメニューが加わりお客様の選択肢が増えたのはうれしいです。おいしかったです。
豊泉さんの新しいことへの挑戦と、ご自身農業生産者で、責任ある野菜作り、地産地消で
商品開発され食事を提供されていること頭が下がります。話を聞き基本と目指す道が
しっかりしておりプチ・ビジネスを目指すものには大いに参考になりました。
B)非常に的確な説明がスット入ってきてわかりやすかったです。これまでの経験を
生かし、とても楽しそうにお話をされているのが印象的でしたこのとおりに考えて
いけば、何か1つプランができそうです。里芋ケーキとてもおいしかったです。
C)仕事での経験と知識を生かして、自農野菜と結び付けたビジネスモデルは見事に
成功しつつあると思う。奥様と2人でこれだけ多くの仕事をこなすとは!!体力、気力がすごい。
<講座リーダーのコメント>講座リーダー:江頭誠治
*プチ・ビジネスを立ち上げた皆さんの気力、ご苦労には頭が下がります。
石の上にも3年持続性のある信念と、努力が実を結び、それを取り巻く人々の理解及び
人々を引き付ける魅力は、お菓子工房を立ち上げられた大森治子さんに見事に結実しており、
17年間にわたって現在のお菓子工房に育て上げられた実績は何にもまして、
ご家族の協力と努力により培われたものと思います。
*自営で栽培されている野菜類を基礎にキッチンカーを中心にして、コミカフェで
営業をされている豊泉さんのご夫婦で活躍されている姿は、プチ・ビジネスの
代表者にふさわしい頼もしい存在です。
*元気大学コミュニティカフェを運営管理をしている我々も、より一層団らんの場を
盛んにし、コミカフェ・ピアノの音とともに、世代の分け隔てなく楽しめる場に
したいと思います。皆様の忌憚のない意見をお寄せいただき楽しいコミュニティカフェを
目指したいと思います。
以上