喬木は風雪に耐えて愈々高く、樹根は大地に張って愈々深し、
天下に憂いをいたして、思いかえして考えるのである。
高く飛ばんと欲すれば深く学ばざるべからず
大隈重信
1月26日(土)いきがい講座第30回 最終講座
「生活習慣病に対する運動の効果」
講師:早稲田大学スポーツ科学学術院 坂本 静男教授
1.生活習慣病とは
①運動、栄養、休養のバランスが悪く、十分に行われていないために発症してくる疾患群。
・肥満症、代謝疾患(脂質異常症・糖尿病・高尿酸血症等)、高血圧症。
・メタボリックシンドローム:過食・運動不足などにより内臓脂肪が増え、生活習慣病や血管の病気になりやすい状態。
②その他の生活習慣病として慢性閉塞性肺疾患(喫煙の影響)、歯周病、骨粗鬆症。
2.肥満症対策は
①摂取カロリーの減少→食事摂取量の減少。
②消費カロリー量の増加→運動実施量の増加。
③リラクゼーションの増加→睡眠、レクリエーションなどを増加させ。
3.糖尿病治療の基本
①全身の細胞でのインスリン作用不足による代謝異常を是正すること。
②食事、運動を含めた生活習慣の改善から始める。
③慢性合併症の予防(糖尿病性神経症、網膜症、腎症)
④生活習慣の改善により治療目標が達成できない時に薬物療法を開始する。
4.運動の効果
①体重の変化率は運動強度より運動量の方が効果が出ている。
②内臓脂肪改善には中等度強度の運動(週に3時間半)で効果がある。
(中等度強度の運動:ウォーキングレベル、ランニングまでいかない)
③肥満による高血圧予防:運動で体重を落とすと血圧を下げるが、強制すると血圧が高くなる、運動は中等度強度が良い。
④生活習慣病対策には安全で効果的な中等度強度の運動を1日30分続けることが必要。
資料出所:坂本静男教授著作いきがい講座テキスト「生活習慣病に対する運動の効果」より引用
~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【受講生の感想・意見】 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
❖ 話し方がゆっくりでとても聞きやすい、わかりやすい。毎日30分のウオーキング実行しよう。
❖ 健康でいるためには、中強度の運動を継続させることの大切さを改めて感じました。
❖ 「中強度の運動」を心拍数から求める式(カルボーネンの式)は具体的指標を決めるのに非常に役立ちます。
❖ 生活習慣病の改善に運動が効果あるとの内容非常に参考になりました。運動量と強度についても具体的な数字を知ることができ、運動を行うさいの目標が立てやすくなりました。
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【全講座を修了した受講生の感想・意見】
❖ 講座の内容は全般にレベルが高く、大変興味深い内容でした。今まで受けた市民大学のなかでも一番素晴らしい内容でした。
❖ 期待した通りの講座で受講して良かったと満足している。
❖ 地域活動への関わり方など、身近な問題としてとらえることが出来て大変勉強になった。
❖ 今後の人生を考えると有意義な1年であった。健康に関する講義は何にも増して意味のあるものでした。素晴らしい仲間に出会ったことにも感謝です。
❖ 講座内容は期待していた以上のものでした。機会があれば再度受講したい。
❖ 講座の内容は充実したものばかりでとても勉強になりました。これからの生活に生かしていきたい。
❖ 今まで、健康というものを何となく捉えていましたが、生きていくための健康というものの大切さを教えて頂きました。学習したことを無駄にしない様、出来ることから実践していこうと心に強く決めました。
❖ 以前から受講したかった講座です。やっと念願がかないました。講座内容は期待した以上のものでした。(これからの生き方を左右するほどに) 機会があれば再度受講したいと思います。
❖ 年齢的に大学生気分には戻れませんでしたが、三分の一ほど若返った1年でした。グラフ、表、などビジュアルで説明される講義に最初は読み取るだけで精いっぱいでしたが、脳も次第に働き出し、数値などが理解できるようになりました。日常データというものにそれほど興味はなかったのですが、よむことでより深く物事を知ることが出来、世界が広がることを知りました。これからも色々な形で広げていきたいと思います。
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平成31年度の早稲田大学連携いきが講座について
長きにわたり開講を続けてきた「アクティブ・エイジング社会を目指して」全30回のいきがい講座は延べ549名の受講生が修了後、学びの成果を生かして社会や地域で活動を続け多大な貢献をしてきましたが、平成30年度をもって有終の美を飾って幕を下ろすことになりました。
平成31年度は「健やかいきがい講座」として、健康づくりを主テーマに、いきがいや社会参加の意義も同時に学び、いろいろな年齢層が楽しみながら学べる19回のカリキュラムに改変して開講を目指します。
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