広報委員の取材日記「奥富のかかし祭り」
狭山市の奥富地区では、田園風景を生かした秋の風物詩として、毎年「奥富かかし祭り」を開催しています。
今年は30周年記念大会でした。
さやま市民大学広報室で新規受講生の開拓を目指して、奥富地区の皆様に市民大学を知って頂きたく、市民大学の広報・宣伝活動を目的として今回初めて参加しました。
・日定:10月28日(土)13:30 ~ 現地にて設置作業
・会場:奥富小学校南側田んぼ沿い(通称フラワーロード)
・参加:個人・団体・事業所など、今年は67グループでした。
5月から企画を開始して5ゕ月、なかなか必要な事項が決定しないストレスを抱えながらの、長い道のりでした。
やっとたどり着いた設置の日は台風でした。時折雨の降る田んぼのぬかるみの中で、泥だらけになりながら4時間作業に頑張りました。
・10月 29日(日)台風の中、開会式
出展作品:タコのモチーフに市民大学の看板を掲げる。
作品のタイトル:ハッピーoctopusフェスタ(「奥富のかかし祭り」30周年を祝って)
時期的に台風の襲来も予測して何度も会議を重ね、風雨の対策も万全な筈でした。しかし、予想以上の強い台風には勝てず、一夜明けたら強い風と雨に打たれ腕が折れて、大事な市民大学の看板が落ちていました。まさに満身創痍の状態でした。その後は、紐でくくって応急処置をして、最後まで務めを果たしました。
・11月 5日 (日)11:00~受賞式及び閉会式、 12:00~撤去作業
さやま市民大学広報室は、市議会議長賞をいただきました。
第30回奥富かかし祭り各賞受賞作品
作品名「山田のREALかかし集会所」
制作者「奥富小学校4年1組」
作品名「願いをかなえて、おりぴぃ」
制作者「吹上子袋子ども会育成会」
作品名「Happy・オクトパスフェスタ(祭り)」
制作者「さやま市民大学広報室」
作品名「シャンシャンはやく大きくなあれ」
制作者「大芦・原子ども会」
作品名「万歳!30周年!飲めや歌え!」
制作者「Barchies」
作品名「キャプテンミク」
制作者「内藤博之氏」
作品名「三太郎物語」
制作者「新狭山学童保育室」
作品名「犬とおさんぽ」
制作者「SKT52」
主催:奥富かかし祭り実行委員会
後援:奥富地区まちづくり推進会議・奥富地区自治会連合会・青少年育成奥富地域会議・狭山市観光協会・狭山市奥富地区センター(奥富公民館)
案山子(かかし)
案山子は田畑の大切な作物を鳥獣の被害から守るために昔から使われてきました。古くは古事記にも記載があるということです。
案山子は笠(みのかさ)をつけて田や畑などの中に設置して、鳥獣に対して「人間が農作業をおこなっている」ように見せかけることを目的としています。
人間が農作業などをおこなっているときには、鳥獣は近づかないからです。最近は巨大な目玉の風船なども用いられるようですが、これは「大きな目を恐れる」という動物の本能を利用したもののようです。
案山子は歩くことはできないけれど、田園風景の中でただ立っているだけで、どこかユーモラスで懐かしく心が癒されます。映画「オズの魔法使い」に、ブリキの案山子が出ていたのを覚えている方も多いでしょう。
奥富の田園風景の中に生まれた「かかし祭り」は、30周年を迎えました。すっかり狭山の秋の風物詩となっています。
開催期間中のフラワーロードには、若いお母さんが小さなお子さんを連れて歩いていたり、介護施設のマイクロバスがお年寄りを乗せてゆっくり廻っておりました。台風の後の青い空と澄んだ空気の中で幸せな時間でした。
作品のデザインは「タコのモチーフに市民大学の看板を掲げる」というものでしたが、何故タコなのかという方もおられるようですので、少し説明させていただきます。
タコは英語でoctopus、高い知能を持っており、形を認識することや、問題を学習し解決することができるため、海洋学者の間では最も賢い無脊椎動物であるとされています。
最近では、英語のoctopus(オクトパス)にかけて「置くとパス(合格)」、ということで、受験生の間で合格祈願のお守りにもなっているそうです。