☆開催日 :平成27年10月20日(火)9:30~12:00
☆場 所 :狭山元気プラザ A棟3F 教室2
☆講座内容:認知症高齢者の現状・認知症の理解 認知症の方への対応 寸劇を見て考える
☆講 師 :あさひ病院認知症疾患医療センター院長 大島久智先生、 認知症地域支援推進員 宇津木健一氏
授業1時間目は、あさひ病院認知症疾患医療センター院長大島久智先生による認知症疾患の現状と認知症の理解のための「認知症サポーター養成講座」である。
認知症有病率15%、認知症有病者数462万人、介護保険制度を利用する認知症高齢者約305万人(平成24年全国)から始まり、
・認知症の定義について
①物忘れが存在
②失語、先行、失禁、実行機能の障害のどれか
③これらはせん妄、薬物、意識障害等による一過性を含まない
④それが社会的または職業的に著しい生涯を呈する場合とした。
治りにくい脳の細胞が壊れて直接起こる症状の「中核症状目」治る可能性がある性格、環境、人間関係等の要因により精神症状や行動に支障が起きる「行動心理症状(BPSD)」。
・次いで、認知症の種類
①アルツハイマー型
②レビー小体型
③脳血管性
④その他、アルコール性・前頭側頭葉変性症等のそれぞれについてスクリーンに映像を投射して解説した。
認知症状を見かけた場合、①③以外の疾患もある。特に慢性硬膜血腫や正常性水痘症等、治療可能な認知症がある。 早期発見・早期治療が重要で、放置すると認知症を困難にする。臨床症状でもこれからの治療戦略として期待がもてる。通所サービスの利用も重要で忘れしまうから意味がない…は間違い。脳はその時点で使うことに治療としての有効性がある。感性を掌る右脳と言語機能の左脳をバランスよく使おう。
認知症の予防では、喫煙や過度の飲酒、善玉コレステロールの多い食事、魚は40%ほど発症率を下げる。緑茶、30分程のウオーキングなどは効果的。
・最後は認知症への原則的対応である。
①人間として人格を尊重してあげる。生きがいを与える
②孤独にしない。共にあること
③叱らないこと
④出来ることはなるべく自分でさせる
⑤刺激を与えるケアプランの策定。
その他、探し物は一緒に探す。認知症と呼ばない『脳の老化現象』。「あなたが介護者である場合、半分以上の時間は自分個人の時間に当ててください。これが長期に在宅介護を続けていくポイントです」と締めくくった。
2時間目は、認知症地域支援推進員・宇津木健一氏により「認知症サポーターの役割」「認知症の方への対応について」ビデオを観ながら、「海馬」や「加齢に伴うもの忘れと認知症のもの忘れに」ついて」解説。
「認知症の方への対応について」2人のディサービス職員による「寸劇(悪い対応例)」が演じられた(写真下左)。
最後に、各班で寸劇を見ての「良い対応について」協議し、発表を行った(写真下右)。