1.キャンパスの遊歩道
いきがい講座の受講生は授業が始まるまでの時間や放課後に静かな環境の所沢図書館で読書をしたり、校内の遊歩道や周辺の自然豊かな雑木林を散策しています。森林浴でマイナスイオンを取り入れ、心身の活性化が出来ます。いきがい講座は認知症予防の特効薬です。
2.講座風景
5月23日(土)第7回講座「高齢者の健康と病気」:講師は東京情報大学 圓岡偉男教授による講義とビデオ視聴。
1.高齢化の推移と将来推計や高齢化の原因、高齢者の健康と病気などを知り、学び、考える授業でした。
・日本の高齢化率は1970年に7%を超え1995年には14%を超え、2010年には23.1%に到達した。2060年には40%に達すると予想され、平均寿命も2060年には男84.19歳 女90.93歳まで伸びると予想。
・高齢化の主原因は長寿化では無く少子化。少子化は「晩婚化」「未婚化」「生まない価値観」「産めない環境」等、様々な要因を含んでいる。
・高齢者の死因として①ガン②心疾患③脳血管疾患で65歳以上の6割を占めていたが、 現在では ①ガン②心疾患③肺炎④脳血管疾患⑤老衰…
2.ドキュメンタリービデオ 「生きるために」を視聴。「ガン専門医が自ら実践した妻へのガン告知と末期医療」
出展:東京情報大学 圓岡 偉男教授著作 いきがい講座テキスト「高齢者の健康と病気」より
5月30日(土)第8回講座「男女協同参画社会」:講師は東京情報大学 圓岡偉男教授による講義とビデオ視聴。
1.男性の役割と女性の役割、女性解放運動の歴史、女性の労働条件の変化、性別による優遇の差など男女格差の実際を知る、そして考える授業でした。
2.障がい者や高齢者は可哀想な人なのか、常に困っている人なのか、支援の基礎を学ぶ。障がい者を見かけたら直ぐに手をかしてあげましょう…は誤り。できることまで手助けすることは人格の否定。
援助の原則=自立と自助 相手を傷つけない優しさの必要。
3.ビデオ視聴 「母ちゃんになりたい」自分の人生は自分で切りひらく、障がい者同士で結婚。二児を出産した女性のドキュメンタリーに胸を打つ。
出展:東京情報大学 圓岡 偉男教授著作 いきがい講座テキスト「男女共同参画社会」より
2回にわたる講義とビデオ視聴のひとことカードは、生きることの意味を学び、ハンカチを握り、涙でかすんだ目をこすりながら書いた31枚のひとことカードから。
5月23日(土)第7回講座「高齢者の健康と病気」ひとことカード
- 生きること ≠ 死なないこと! 考えさせられます。健康でありたいことは当たり前に思いますが、死についてもう一度考えてみたいと思います。
- 生きている時間の大切さを更に確認できるビデオでした。正に考える授業でした、
- ビデオを見て自分が病気になった時の参考になりました。あきらめること、後悔しないこと、これからをどう生きるのか問い詰めてほしい。自分らしく生きるために、心に残りました。
- 「生きるために」のビデオには自分の今後の事を考えさせられました。「今まで気が付かなかったようなことが大切」といった患者さんの娘さんの言葉が印象的でした。
- がんの告知はしても余命を告げずに他界した弟の心の中を見せて頂いた映像でした。余命は告げてあげたかった‼ とても心に染み入る授業となりました。
- 人は必ずいなくなります。亡くなる人も残された者も看取りのあり方で大きく変わるし、残された者の悲しみも又様々だと深く思いました。本当に考えさせられましたし、その時どうするか重い課題です。
5月30日(土)第8回講座「男女協同参画社会」ひとことカード
- “求めたら与えられる”…まさに、その通りだと思います。でも、その方々を支援する体制がもっと、国をあげてできたら!と思います。小さな力ですが私も応援したいです。
- 自助⇒自立を目指す障がい者の家族の中の、素直な人間関係がさわやかに感じられた。世には「してもらってあたりまえ」の考え方の人も多く見られます。「感謝する」気持ちが必要であると、あらためて感じました。
- 若かった頃 女性は結婚したら勤めを辞めて家庭に入るのが当たり前の時代でした。奥さんを働かせる男性は“甲斐性なし”と言われたものです。親からも「結婚しないと世間体が悪い」と言われました。また、入社2年目から給料に差が出ました。いま 反省として、なぜあれ程世間体にとらわれていたのか、経済的に自立することを考えなかったのかという事です。「障がい者ができることをやってあげるのは、人格の否定」の話には、はっとしました。
- 正確な知識の必要性を、講義からもビデオからも認識しました…色々と勉強になります。
- 自分で選んだ人生ではないか…そこを克服して生きてゆく難しさを痛感しました。
- 障がい者を、弱者とみることが社会では一般的でしょうが、人間であり人権がある訳です。して欲しいことは、私たちが良く聞いて話して対応していくことを学びました。
- 生きることの力を心の底から感じとることが出来ました。“優しい心”で接するだけが、頑張り抜いている障がいを持つ人達への支えにならないことを、改めて知識に加え温かな人生づくりをお手伝いできる人になっていきたいと思います。ビデオ“母ちゃんになりたい”は、人生の支えになりました。有難うございます。孫たちへ語り継いでいきます。
- 良いビデオを見せていただきました。福祉の大切さを、今更ながら勉強させて頂きました。“障がい者の前に普通の人間なんだ”と言われた本の作者、その本に出会えたからこそ、子どもを2人育てる。それが普通に生きる勇気になって良かった。私自身のこれからの行き方も考えさせられて良かったです。
- 自立させるために子供に厳しく接した…これは、子や孫をもつ私も考えさせられました。私は、障がい者をみると可哀想で、手を出そうか?とか、声をかけようか?と思って自分の方から考えていた。これからは、障がい者の本当の生きている気持ち・人格までを考えて行動して行きたいし、先入観をなくしていきたいと思いました。
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担当講師の圓岡です。ひとことカードのご意見、拝見いたしました。
現在の日本には高齢者固有の問題がたくさんあります、2回ほどの講義でしたが、ビデオで取り上げたように「命」や「共同参画」というテーマは、むしろ、高齢者という枠を超えて広い意味での「人間の問題」なのかもしれません。
現代の高齢社会の問題を考えるとき、高齢者個人の問題、家族の問題、地域社会の問題、国家の問題とその領域をまたがる形で関係します。だからこそ、いろいろな視点でこの問題を考えていただければと思います。
高齢や障がいが理由ではなく、「困っている人」を見かけたら、いつでも手をさしのべられる、心のゆとりは持ちたいですね。その一方で、「見守る」という優しさも必要かもしれません。これまでの講義が少しでもみなさまのお役にたてならば、幸いです。
以上