「ここちよい眠りのために」
日時:5月27日(10:40~12:20
講師:早稲田大学スポーツ科学学術院教授 西多 昌槻 先生
受講生:出席34名(欠席2名)
講師経歴
東京医科歯科大学医学部医学科を卒業後
スタンフォード大学医学部睡眠生体リズム研究所 客員講師
現在、早稲田大学学術院 教授
研究内容
・睡眠や体内リズムと身体運動、スポーツとの関連性を科学的に明らかにする。
・アスリートの睡眠障害や抑うつ・不安・発達障害等精神医学的な問題。
・メンタルヘルス、ウェルビーイングに対する運動の有用性を明らかにする。
1.睡眠とエイジング
年を取るとともに睡眠の個人差が大きくなる。
高齢者の睡眠の特徴
刺激に敏感になる、日中の活動や代謝が低いなどの原因で眠りが浅くなり朝まで持続できなくなる。
REM睡眠とNREM睡眠
睡眠にはREM 睡眠とNONREMREM睡眠がある。
2.上手に疲れようエイジングと睡眠の最新知識
不眠症とは?
眠れないことを思い悩み、24時間不眠の事ばかり考えていることにより眠る力よりもそれを上回る覚醒が働いてしまう病気のこと。
※翌朝「まあ眠れたと」感じ日中のパフォーマンスにも悪影響がなければ不眠症ではない。
夜の覚醒力を下げるには?
「太陽」「運動」「会話」で上手に疲れることが大切。
睡眠薬と障害認知症の関係
65歳以上、平均7.3年の追跡調査では、BZD系睡眠薬服用と認知症発生には関係なしの追跡調査が出ている。
新型の睡眠薬は、アルツハイマー予防に良いかも?の結果もある。
長寿者の睡眠
・100歳以上の長寿者では良眠するもの
・長時間睡眠するもの
・昼寝をするもの の比率が高い。
3.健康を守るための上手に疲れる7選
- 日中はしっかり日光を浴びる。
- 日中は楽しく活動的に過ごす。
- 午後の決まった時間に20分程度の昼寝を取る。
※ 長すぎる昼寝は逆効果。 - 起きる時間・寝る時間を一定にする。
- 寝つく90分前にぬるめのお風呂に入る。
- 眠くなったらベッドに入る。
※ 眠くないのに床に就くのはあまりよくない。 - 午後3時以降のカフェインは控える。
4.やってはいけない事3選
- 座りっぱなしで朝からテレビを見続ける。
- 誰とも話す機会がなく孤独。
5. 治療すべき睡眠障害
- 受診が必要な場合
*日中だるい、ぼーっとしてしまい活動が十分にできない。
*寝る前に脚がムズムズする。(貧血などが考えらえる)
*夜中に息が止まる。(睡眠時無呼吸症)
*夜中に夢遊病のように動いてしまい日中も寝不足気味。
1.睡眠時無呼吸症について
加齢とともに頻度が増加する。
中程度の無呼吸 50歳~70歳では 男性17%、女性9%
高血圧、糖尿病、冠動脈疾患、脳卒中、うつ秒、認知症などの様々な疾患と関連する。
症状:日中の眠気、怠惰館、起床時の頭重菅、夜間頻尿
治療によって認知機能は改善する。
2.ムズムズ症候群
寝る前に生じる下肢の不快感で少し動かすと一時的によくなる。
要因は鉄欠乏(貧血)、身心の併存疾患、パーキンソン病、慢性腎疾患 等が考えられる。
3.レム睡眠行動障害
睡眠中に暴力をふるう、大声で叫ぶ 等 で男性に多い。
約2%で男性に多い。
神経疾患の合併が見られる。
専門的な薬物療法と定期的診察が必要。
大切な事は
「眠るために生きるのではない。生きるために眠るのです」!!