晩秋の所沢キャンパス校内の紅葉樹林、猛暑と塩害の影響なのか、例年のような艶やかな錦秋の紅葉は望めず、地球温暖化の影響を考える。
11月24日(土)いきがい講座第23回
「オリンピックを楽しむ(東京2020に向けて)」
〜オリンピックの医学サポート〜
講師:早稲田大学スポーツ科学学術院 赤間 高雄教授
【2020年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会メデカルディレクターに就任】
1.東京2020大会の概要
スポーツには世界と未来を変える力がある。2020年、東京・日本は世界最高の舞台になる。
・正式名称「第32回オリンピック競技大会(2020/東京)」33競技
・正式名称「東京2020パラリンピック競技大会」 22競技
2.オリンピック代表選手の健康管理
・大会国によって選手の疾患は違うが、整形外科と呼吸器、消火器疾患が多い。
・アスリートは過度のトレーニングをするので風邪をひき易い。
3.東京2020大会の医学的トピックス
・熱中症対策
「熱中症予防運動指針」「熱中症予防情報サイト」「スポーツ活動中の熱中症予防5か条」が役立てられている。
4.ドーピング
・ドーピングはスポーツの価値を損なう。
・ドーピングとは…競技能力を増幅させる可能性がある手段。
・アンチ・ドーピングとは…ドーピングの反対してドーピングをなくすこと。
・2016年に実施されたドーピング検査の結果
検体数 全世界229,514 違反確定数5,371 日本5,371 違反確定数6
・東京2020大会予想検体数6,500…ドーピング対策は過去にない規模となる。
資料出所:赤間高雄教授著作いきがい講座テキスト「オリンピックの医学サポート」より引用
~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【受講生の感想・意見】 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
❖ これまでは個々の選手のパフォーマンスを見るだけでしたが、大会の裏側が見えて、裏方の活動も思いながら見ることが出来るので、東京オリンピックを。楽しみにしています。
❖ オリンピックの大会の概要や選手を、いろいろな角度から説明していただき、違う意味で興味を持ちました。
❖ アンチドーピングルールで規定されているの薬物の製造を禁止できないものでしょうか。貴重な講義は勉強になりました。ありがとうございました。
赤間教授の回答
ドーピング禁止薬物のほとんどは、もともとは病気の治療に使う薬物です。治療薬のなかに禁止薬物がたくさんあります。スポーツ選手が病気の治療のために 禁止物質を使う場合には、特別の手続きが必要になります。
❖ ドーピング検査の対象者はどのように決まるのですか。全員が対象ではないと思いますが、あの人は怪しいとか、又は何かの順番が有るのでしょうか。
赤間教授の回答
いろいろな方法があります。最近は、検査の効率性の観点から、違反の多い競技でたくさん検査をする、いろいろな情報(怪しい)を集めて検査をする(インテリジェンスといわれます)などが重要とされています。また、大会では成績のよかった選手(オリンピックの金メダル)は、検査対象になります。
❖ 国の威信をかけたオリンピックの舞台裏の様子を知ることが出来て、東京2020の見方が変わると思いました。表彰台に上がるために選手は競技成績だけではなく舞台裏の戦いもあることを思いながらオリンピックを観戦したいとおもいます。
❖ ドーピングはスポーツの価値を損なう!ドーピング問題はオリンピックの成否に大きく関わっていることがよく理解できました。
❖ オリンピック選手の健康管理から、アンチドーピングの取り組みまで、医学サポートの重要な活動内容を知ることが出来ました。熱中症予防や風邪と運動との関係等、一般者にも参考になる有意義な講義をありがとうございました。
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