平成30年度さやま市民大学公開講座 第1回講座
社会人野球の魅力について
~ 夢と感動を与えられるチームを目指して ~
文責:さやま市民大学 公開講座担当 川口 彰久
写真:さやま市民大学 広報室長 草野喜実勝
- 講師:Honda硬式野球部監督 岡野勝俊氏
- 日程:平成30年12月6日
- 会場:狭山市民交流センター3階 中央公民館第一ホール
1.開講の挨拶
公開講座の開催にあたって、さやま市民大学学長が挨拶をしました。
都市対応で優勝できなかったことは残念でしたが、狭山市はオリンピック会場都市です。選手の育成法や地域活動を通じて、狭山のスポーツ活動を盛んにする一翼を担ってほしいと、期待を述べて頂きました。
岡野監督は、群馬県伊勢崎市出身。
青山学院卒業後、1999年本田技研工業会社に入社しました。
本社営業部を経て、平成29年監督になりました。
現役時代は捕手、外野手、内野手として活躍、2006年全国社会人野球部3塁手部門で社会人ベストナインに選出されています。
3.2009年都市対抗優勝記録
2009年都市対抗野球で優勝した当時、岡野勝俊氏は主将でした。
当時の映像には、本田カラー一色で埋め尽くされたスタンドは緊迫した試合(相手はトヨタ自動車)に一喜一憂し、優勝決定時には選手ともども歓喜に満ち溢れていました。狭山市内で優勝パレードをしています。皆さん記憶にありますよね。9年前の優勝に沸いた映像を見せられ、会場は次の優勝シーンを期待する声に揺れました。
4.Honda硬式野球部
1960年創部の「本田技研硬式野球部」(和光市)は1967年から都市対抗に出場しています。1996年優勝しました。2001年「ホンダ硬式野球部」として拠点を狭山市に移転、2007年「Honda硬式野球部」に改称、2009年都市対抗野球に二度目の優勝を果たしました。あれから9年が経ちました。
本田技研工業では狭山と鈴鹿、熊本の3事業所を拠点に硬式野球部があります。なかでのHonda狭山硬式野球部はチーム力が高く、期待も高いものがあります。監督からは「今年、都市対抗野球の優勝候補でしたが・・」と小さな声で無念さを滲ませていました。
5.社会人野球大会
日本野球連盟(JABA)に加盟する社会人野球は94チーム、クラブチームは264チームです。うち、埼玉県内の社会人チームは、Honda、日本通運、深谷組、SUNホールディングの4社です。
本年春に行われた東京スポニチ大会(神宮球場、太田スタジアム、岩槻川通、入場料1000円)では、予選を勝ち抜いて、本戦(神宮球場)準決勝では11:1で東芝に勝ち、決勝戦では4:3でHonda熊本に勝利して優勝しました。
優勝によるビールかけはプロ野球だけではないようです。この試合に優勝することで秋の社会人野球日本選手権大会(京セラドーム大阪)に出場しましたが、JR東海に対して延長12回4時間28分、7:6無念の敗退でした。
都市対抗野球(毎日新聞主催)では予選敗退チームから3名の補強が可能であること、狭山市長の推薦状を提出すること、右袖に都市章を付けていること、皆さんご存知でしたか。
辻野雄大捕手は日本代表侍ジャパンの選手としてアジア大会で銀メダルを獲得しました。
6.地域活動
地域活動では、少年野球教室とHondaカップ、狭山市内のイベントに参加していることを紹介して頂きました。
少年野球教室は埼玉県内6地区(狭山市、和光市、川越市、小川市、寄居町、朝霞市)などの少年野球チームを対象に定期的に開催しています。野球人口の拡大とレベル向上を願っての活動です。12月15日(日)笠幡球場で狭山市と川越市の少年野球チームを対象とした教室が予定されています。
Hondaカップは各地区(新座市、港区を加えた)の予選を勝ち抜いたチームが野球技術を実践する場としてHonda主催の大会です。狭山市の少年たちの頑張りを期待しています。
狭山市入間川七夕祭りでは野球体験を企画し市民の皆さんに参加して頂きました。
7.Honda硬式野球部の今後の構想
スタッフ8名で本年を総括し今後を考え、「常に勝つ事で夢と感動を与えられるチームを目指す」ことを目標に掲げました。
・監督の想いや考えを選手と共有できるように、チームのコミュニケーションをよくする。
・チームの戦力のリズムを分析して、過去には波があったと反省し、都市対抗戦に目標をおき、なだらかな戦力アップを図るなどの方針を共有しています。すなわち、本年のチーム打率は良いものの、投手の補強が必要として補強に取り組んでいます。
・現有勢力から3名がプロに転出するので、補強は最重要課題でしょう。
・本田技研の3事業所の3つの野球チームが競い合い、お互いに刺激し合うことも取り入
れたようです。
・選手一人一人の考えを尊重してチーム力を昇華させる戦略は、監督の手腕を期待するところです。
8.プロ入団する選手紹介
休憩後、ドラフト指名をうけて、プロになることを決意した3名の選手がユニホームを着用して入場しました。
サプライズです。
松田進(24才)内野手 齋藤友貴哉(23才)投手 木浪聖也(24才)遊撃手
岡野監督から一人一人紹介され、選手自身が抱負の述べるとともに、会場からの質問に答えてくれました。狭山市での居住は1~2年でしたが、狭山市の魅力や楽しかったことを披露してくれました。
・木浪聖也(24才)遊撃手、阪神タイガーズへ入団
・齋藤友貴哉(23才)投手、阪神タイガーズへ入団
・松田進(24才)内野手、千葉ロッテマリナーズへ入団
終わってから、サインや写真撮影の求めに応えて頂きました。
まとめ
岡野監督からは、社会人野球とプロ野球との違いは一生懸命さにあると伺いました。その優秀な選手がプロに転出することは、チームの戦略としてはマイナスですが、「夢と感動を与えるチームづくり」を目指し、「The pawer of dreams」を社是とする本田技研工業にとって、狭山市にとって、狭山市民にとって、心に留めておきたい大事な言葉でした。
岡野勝俊監督、選手の皆様、ありがとうございました。