6月16日(土)いきがい講座第9回
「尊厳ある死と生きがい」
講師: 聖路加国際大学 鶴若 麻理准教授
1.尊厳死とは?
・人間らしさを失わず尊厳を保った死。過剰な治療を控えて、できるだけ平穏な死を迎えさせること。
2.生きがいという言葉をめぐって
・生きているだけの値打ち、生きている幸福・利益・生きていく上での張り合いという意味から、人生いかに生きるべきかにいたる広がり。生きがいは日本語だけにある日本固有の言葉。
3.高齢者の生きがいに関する国際比較研究
・日本人→集団や社会的役割への一体感 アメリカ人→自己実現
4.高齢者がとらえる生きがい。 (高齢者へのインタビューから)
・家族・他者・先祖などのつながり
・日常生活から得られる充実や幸せ、過去の人生への満足
・自らの目標を達成・追求する。
・人の役に立つこと、生き方・信念・価値観・生活信条
“まとめ”
・いかに死ぬか⇒いかに生きるかという生き方について考えること
・病院死の増加や医療技術の高度化により、終末期に受けたい医療ケアについて考える必要性
・本人の意思をどのように伝えておくか、残しておくか、家族とともにある自己決定のあり方。
資料出所:鶴若麻理准教授著作 いきがい講座テキスト「尊厳ある死と生きがい」及び講義より引用
~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【受講生の感想・意見】 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
❖ 尊厳死については自分自身の問題として考えることは出来ますが、家族の問題に置き換えると途端に考えが行き詰ってしまいます。
❖尊厳死については今まであまり考えたことがなかったので、これからいかに生きるかを考えていかなければと思いました。
❖幸福な老いを過ごすヒントになりました。いつか必ず来る死に対して尊厳ある終わり方を考える良い機会にしたいと思います。
❖尊厳死について自分自身でしてもらいたい事を文章に残しておこうと思いますが、家族の立場になったら冷静に医師に話せるか疑問です。
❖考えてみれば、「いきがい」は非常に重い言葉であり、また人によっては幅のある言葉であると思います。自分にとっては今までの重い「いきがい」を捨てて、軽い「いきがい」を持って生きていきたい。
❖高齢者の事例を読んで「幸せに暮らしているこの現状だね」という言葉があり、自分もいつも幸せなのだと、人と比べることなく、うらやまずに生きたいと思いました。
❖私にとって「いきがい」とは人とつながりながら主体的に生きることでしょうか。講義を通じて考えていきたいと思います。
❖高齢者がとらえる生きがいでは、それぞれの状況において「いきがい」に対する考え方の違いが良く分かりました。
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