第2回 史跡・文化財めぐり「入曽地区」
実施日:平成28年6月9日(木) 8時30分集合~12時20分現地解散
天 候:小雨後曇 23度 風なし 梅雨に入り、天気予報では曇時々雨でしたが、髙橋先生の判断により実施しました。朝方は小雨でしたがその後曇になり、逆に暑さは避けられました。
地 区:入曽地区 コース距離 約4.5㎞
順 路:入曽地区は道路が狭く全員の行動が難しいため、A班とB班に分け順コース、逆コースをたどりました。
コース:入曽市駅東口広場(集合)A班コース…水野の庚申塔…金剛院…入曽用水…下水野の地蔵尊…常泉寺と井戸神さま…野々宮神社(トイレ休憩)…七曲井と観音堂…入間野神社…金剛院中央霊園の夢地蔵さん
参加者:髙橋先生 受講生19名 スッタフ5名 狭山歴史ガイドの会6名 総勢31名
■水野の庚申塔
天明2年(1782)に造立された庚申塔は、正面に6手の青面金剛が足元の二邪鬼(にじゃき)を踏まえ二童子を従え、その下には二羽の鶏が向き合った形で刻まれ、台座には「見まい、聞くまい、話すまい」の三猿が刻まれています。
■金剛院
当院は御嶽山金剛院延命寺といい、宗派は真言宗豊山派で、総本山は奈良県桜井市の長谷寺です。創建年代は不明ですが、室町時代後期と推察されます。本尊は木造不動明王坐像です。本堂に安置されている木造地蔵菩薩立像は昭和61年(1986)2月1日に市指定文化財・彫刻として指定されました。
■入曽用水
この用水は天正6年(1578)に開削された生活用水です。湧き水を集めて流れる林川を分水したもので、かつて入曽村の人々にとってかけがいのない生活用水でした。当時の人達は親しみをもって入曽用水を「小川(こかわ)」、不老川を「大川(おおかわ)」と呼んでいたそうです。
■下水野の地蔵尊
この地蔵菩薩は平成25年(2013)2月1日に市指定文化財・史跡として指定されました。通称「水野の化け地蔵」といわれています。貞享(じょうきょう)2年(1685)に造立されました。
■常泉寺と井戸神さま
当寺は蔵王山観音院常泉寺といい、宗派は真言宗智山派で、本寺は日高市にある聖天院です。創建は不明ですが、天正年間(1573~92)に創建されたと推察されます。本尊は木造釈迦如来坐像です。
「水天」と刻まれた小さな自然石は安政7年(1860)に建てられました。銘文に「井戸組中」とあることから1つの井戸を共同使用する家々が「井戸神さま」として造立されたものです。
■野々宮神社
当神社の創建は古記録がないため不明ですが、社家の伝承によれば奈良時代の創建と伝えられています。祭神は倭姫命(やまとひめのみこと)です。
ここの入曽囃子は昭和52年(1977)9月1日に市指定文化財・無形民俗文化財として指定されました。
■七曲井
この七曲井は昭和24年(1949)2月22日に埼玉県指定文化財・史跡として指定されました。この井戸は武蔵野台地にある古代の井戸で堀兼の井の遺構として価値が高いものです。この井戸の発掘調査は昭和45年(1970)に実施され復元されました。
■観音堂と本尊の木造聖観世音菩薩坐像
当堂についての古記録はなく創建は不明ですが、常泉寺の「当山沿革史考」によると創建は建仁2年(1202)と伝えられています。この菩薩坐像は昭和61年(1986)11月1日に市指定文化財・彫刻として指定されました。安永5年(1776)から文政2年(1819)ころに造られたものと推定されます。
■入間野神社
当神社は建久(けんきゅう)2年(1191)の創建と伝えられています。祭神は大山祇命(おおやまつみのみこと)と木花耶姫命(このはなさくやひめのみこと)です。
ここの入曽の獅子舞は昭和54年(1979)3月27日に埼玉県指定文化財・無形民俗文化財として指定されました。毎年10月第3土曜日・日曜日の両日にわたり金剛院と入間野神社に奉納されます。
■金剛院中央霊園(墓苑)の夢地蔵さん
この丸彫の地蔵菩薩は「夢地蔵さん」と呼ばれ、寛政7年(1855)に造立されました。昔はここから600mほど西の南入曽にあった金剛院大日堂(現在の狭山モータースクール裏)脇の竹林を背にして入曽用水(小川)の傍に立っていました。
この地蔵菩薩が夢地蔵と呼ばれるのには、次のような話が伝わっています。
この地蔵菩薩の熱心な信者だった吉野久次郎さんの夢枕にお地蔵様が立ち、「わが身を信州小諸千曲川の傍なる湯の瀬に移し温泉を掘り人々の健全を守るべし」とのお告げがありました。
久次郎さんはそのお告げを信じて信州へ行き、見事温泉を掘り当てることができました。