「コミュニケーション」
「さやま市民大学」は、いきがい探しと仲間つくりが目的のひとつです。体育祭や学園祭など、全員で取り組む行事の他に「自主活動」は、同じ教室で学んだ仲間としての「絆」を深める大事な行事です。有志の方からの発案があり、皆さんにチラシを配り参加者を募ります。今回は身近な「川越七福神めぐりと昼食会」で、21名が参加しました。松の内は過ぎましたがお天気には恵まれて“揃っての神頼み”今年はご利益がありそうな……と、美味しい「フカヒレランチ」を食べての皆さんの感想でした!
講座は、残り3回となりましたが、今日の散策とグルメで「仲間つくり」は成功です。
講座風景
平成28年1月16日(土)第30回講座のテーマ「スポーツ活動と免疫」
講師:早稲田大学スポーツ科学学術院:赤間 高雄教授
1.講師:赤間先生のこと
先生は、前出の金岡先生と同じように「教授」の仕事の他に、スポーツドクターとして何度もオリンピックに参加して活躍しているのです。今回 1月17日の新聞発表された様に、2020年の東京五輪・パラリンピック組織委員会でメディカルディレクターを務めることになりました。任務は、日本アンチ・ドーピング機構副会長としてオリンピックを前に、薬物根絶への体制整備と教育活動を推進することです。難問に頑張って下さい。
2.スポーツ活動と免疫
*免疫・免疫力を簡単にいうと、自分自身の体力に病原性微生物・細菌やウイルスなど外敵に対し、健康を守れる力のことです。
*健康を犯す病原体には、インフルエンザ・風邪・はしかなどの感染症が一般的だが、なかには自己免疫疾患(免疫が自分の細胞を攻撃する)として、リューマチや膠原病がある。
*いかに自分自身の免疫力を高めておくか?だが、加齢により免疫力が低下(20歳を過ぎた頃から下がり始める)することが分かっている。
*高齢者の免疫力を向上させるには「運動」である。実験データからは余りストレスにならない「ほどほどの運動」、目安は①1日合計7,000歩程度の運動。②週2回の定期的な運動60~90分程度の有酸素運動、筋トレなど。③1日30分・週5日のウォーキングです。
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ひとことカード
今日は17件のカードを受けました。皆さんは、インフルエンザやかぜエボラ熱・デング熱など話題の「感染症」には敏感に反応しました。
我ら高齢者の免疫力は落ちる一方だが、それなりの運動をすれば少しでも回復するとのこと。先生から回答を頂いた中から一部公開します。
Q 医学が進歩するのに、次々と新しい病気(エイズ・エボラ熱・MERS)が出てくるのは何故なのでしょう。今日の講義から、高齢者が運動することの大切さを改めて教えられました。
A 新しい感染症が出てくるのはなぜか?
いろいろな要因があると思います。人間の生活範囲の拡大、グローバル化、航空機など移動スピードが速くなったことなど。
Q 風邪と免疫について良く解りました。普通の風邪と細菌感染症性の判断をお医者さんは、どの様に判断しているのでしょうか?
A 普通のかぜと細菌感染症の判断
細菌感染症を思わせる症状(抗生物質を処方する症状)は、扁桃腺炎、色のついた鼻汁や痰、症状の継続日数などです。血液検査をする場合もあります。
Q 運動することの大切さがよく解りました。私も運動だけでなく良く動いているので、これも加えて身体運動として考えていました。その考えは正しいでしょうか?それと、トレッドミル走行を教えて下さい。
A 身体活動量(運動+日常生活での動き)で考えていいと思います。トレッドミル走行は、上りの傾斜をつけたベルトを動かして、その上を走るもので室内を走れるので、運動の実験やフィトネスジムで良く使われます。しかし、装置が必要ですし動いているベルトの上なので走るのは若干危険性もあります。家で毎日行う運動としては、屋外のウォーキングなどの方がいいと思います。
Q 数年前体温を測ったら平均値(36.5℃)を大幅に下回る数値でした。運動などで体温を上げられると聞いて定期的に体を動かしています。本当に体温を上げられるのでしょうか?免疫系疾患もあり免疫力を高めたいと思っています。ほどよいストレス・適度な運動が良いとのことですが、「ほどよい」も努力が必要と感じました。免疫力、目に見えないものなのにとても大切なものと分かりました。
A 体温と免疫力、健康について
本当の体温は体の中心部(脳や内臓)の体温です。これは、運動に関係なく脳(視床下部)で調節されていて、一定(37℃)の温度が健康な状態です。風邪の時に体温が上がるのは、脳で設定している温度が上がるためですが、風邪ですから健康な状態でありません。一時的な体温上昇は一時的に免疫反応を活発にしますが、体温が高い状態が健康ということではありませんので、その温度が低いといっても、本当の体温が低いわけではありません。
~ 以上