1. クロスケの家とトトロの森
所沢キャンパスから歩いて5分の所に「クロスケノ家」があります。狭山丘陵のトトロの森と里山環境を保護する公益法人「トトロのふるさと基金」がナショナルトラスト事業の活動拠点として取得した古民家です。昔ながらの農家の雰囲気を残す築100年を超える貴重な古民家で文化財に指定されています。一般公開もされています。
クロスケノ家には大きなトトロが来館者を迎えてくれます。トトロの森のジオラマや森の間伐材で作ったアクセサリーやおもちゃ、写真やアート作品等が展示されています。子供も大人も楽しめる場所です。
いきがい講座のウォーキングコースにもなっています。
西武小手指駅→早稲田大学または宮寺西行きで15分、バス停:大日堂下車、徒歩5分
2. 講座報告
7月18日(土)第15回講座「高齢者の引退移動の動向」
7月25日(土)第16回講座「高齢社会の生活空間」
講師:早稲田大学人間科学学術院 臼井 恒夫教授
臼井教授の研究分野の視点から、職業生活引退後のライフスタイルを実現するための引退移動と、高齢者の住宅環境について2回にわたる講義でセカンドライフを考え学びました。
◆ 平均寿命が延び退職後の生存期間が長くなっている高齢者が、現役時代とは異なる充実したライフスタイルを実現するために現住地で暮らすのか、出身地に戻るのか(Uターン)、出身地以外で暮らすのか(I・Jターン)引退移動の動向は将来の人口分布を考えるうえで重要なテーマである。
◆ 将来人口推計は高齢人口も三大都市圏に集中し、地方圏には高齢者すらいなくなる状況が生じかねない。引退移動の多様化による移動が、移動する側、呼び込む側にも重要になる。高齢化、格差問題、グローバル化は地域にとってチャンスになりうる。高齢者を地域に取り込むことは地域の活性化につながる面を持つ。
◆ 高齢者を敬遠する賃貸住宅やバリアフリー化の問題で、高齢者の借家住まいは困難な状況にある。
◆ 古くなり痛んでいる、住宅が狭いなど高齢者の既存住宅のバリアフリー化は喫緊の課題である。
◆ グループリビング「現代版長屋」の勧め 小金基泰 阪神大震災後の窮乏生活の中で支えあって生きる長屋的コミュニティは励ましあいながら生活する大切さを教えてくれた。高齢者がプライバシーや自主性を重んじつつ、支えあって生活する共同住宅(グループリビング)は災害時ではなくても有効だ。「一つの屋根の下で、同じ釜の飯を食う」ことである。皆が受益者にもサポートする側にもなって支えあう、血縁によらない多世代同居の場所づくりは世代交流や子育てサポートなどに役立つのではないか。
【早稲田大学 臼井恒夫教授著作 いきがい講座テキストより引用】
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ひとことカード
2回にわたる講義の感想意見の抜粋を紹介します。
1. 引退後の移住は、このごろ良く耳にするが、自分の事として考えたことがなかった。地方消滅等を考えると、移住も必要な事を実感しました。
2. 狭山市で高齢者が今後増加し、介護施設が不足することが言われ、今日の講義で地方移動が現実の問題となってくる気がします。姥捨て山的移動でなく、自発的に生きがいをもって地方移動は自分の為にも移動先の地にも良いと考えます。住み慣れたところで良い人間関係と地域に役立って生きがいをしていく事が一番と思います。
3. 日本の人口も減少する中、国外への流出はさけて欲しいと思う。政治の力で住みよい国に、そして先ず狭山市も人口が減少していると聞くので何とか若い人が住みよい、住みたいと思う街にして欲しいものである。高齢者になっても役に立つことは沢山あると思うのです。
4. 地域のつながりが強く移住は考えて無いが、たまには他の地方で生活したいと思う事もあるが、その事がスムーズに行くルートもない。
5. 現在、空住宅が多く問題になっています。草ボウボウの家を見ると寂しい気持ちになります。公的住宅グループリビングなど必要と思われます。
6. 現在居住している団地は、約40年前に分譲された集合住宅で片寄った世代構成が諸問題間の根源です。古き良きコミュニティを再現する「グループリビング」が一つの解決策としてのヒントになると思います。自分の10年後の状況を考えると、高齢者向け住宅への住み替えや、施設への入居が切実になってくる!!
7. 我が家はローン無し、バリアフリーの住宅で高齢のみの世帯です。子供たちは便利な都市部で持ち家に住んでいるので、多分狭山には帰ってこないと思います。年を取っても現在の所に住み続けたいのですが、自立できなくなった時の事はまだ考えておりません。と言うより、考えたくないのかも…。転居、移動となった時は、やはり.シニア住宅となるのでしょうか。 でもやはり、知人も多い今の所に住み続けたいです。グループリビングは良いと思いますが、人間関係がうまくいかなくなった時、逃げ場がないのもつらいです。いい老後のためには勉強しないといけませんネ。
8. 自身の高齢化、配偶者の死去にともない、子供と同居の為、転居していく友人が増えています。数年後に会い、気づくのが共通して「転居先で友達が出来ない」と言う言葉です。帰属的側面で失うデメリットの一つでしょうか。
9. これからの居住をどうするか私にとっても切実な問題です。家も古くなっているので転居かリフォームか、速やかに決めなくてはならないと思う。
10. 住み続ける考えを持っている。 が間取り、設備等が高齢者の生活に見会っていない。建て替えには多額の費用を要するので、建物の一部をリフォームするか、このまま我慢して住み続けるか 思案している。