写真・編集:狭山の歴史講座スタッフ 遠藤 猛
平成27年5月28日(木)に狭山の歴史講座の野外活動として入曽地区の史跡・文化財めぐりが実施されました。
当日は風もなく曇り空で髙橋先生、受講生31名、スッタフ5名、狭山歴史ガイドの会(ガイド説明の支援)8名の総勢45名が参加しました。
入曽駅東口広場に8時30分集合。入曽地区は道路が狭く全員の行動が難しいため、A班とB班に分け順コース、逆コースを巡り、12時20分に現地解散しました。
行程は、入曽駅→水野の庚申塔→金剛院→入曽用水→下水野の地蔵尊→常泉寺と井戸神さま→野々宮神社(トイレ休憩)→七曲井と観音堂→入間野神社→金剛院中央霊園の夢地蔵さん→入曽駅で、距離は約4.5㎞でした。
■入曽駅東口広場
・出発前に挨拶する髙橋先生と山崎スタッフ
■ 水野の庚申塔
・この庚申塔は傘付角型で浮彫像の左右上部には日月があり、農業に関係の深い太陽と月が刻まれています。天明2年(1782)に造立。
■金剛院
・金剛院本堂:当院は御嶽山金剛院延命寺といい、宗派は真言宗豊山派で、総本山は奈良県桜井市の長谷寺です。創建年代は不明ですが、室町時代後期と推察されます。本尊は木造不動明王坐像です。
・石橋供養塔:この供養塔は地蔵菩薩を主尊とする文字塔で「道しるべ」を兼ねています。天明3年(1783)に造立。
■入曽用水
・この用水は天正6年(1578)に開削された生活用水です。林川の上流部分から分水したものです。
■下水野の地蔵尊
・この地蔵菩薩は平成25年(2013)2月1日に狭山市指定文化財・史跡として指定されました。通称「水野の化け地蔵」といわれています。貞享(じょうきょう)2年(1685)に造立。
■常泉寺と井戸神さま
・常泉寺本堂:当寺は蔵王山観音院常泉寺といい、宗派は真言宗智山派で、本寺は日高市にある聖天院です。創建は不明ですが、天正年間(1573~92)に創建されたと推察されます。本尊は木造釈迦如来坐像です。
・井戸神さま:「水天」と刻まれた小さな自然石は安政7年(1860)に建てられました。銘文に「井戸組中」とあることから1つの井戸を共同使用する家々が「井戸神さま」として造立されたものです。
■野々宮神社
・野々宮神社拝殿:当神社の創建は古記録がないため不明ですが、社家の伝承によれば奈良時代の創建と伝えられています。祭神は倭姫命(やまとひめのみこと)です。ここの入曽囃子は昭和52年(1977)9月1日に狭山市指定文化財・無形民俗文化財として指定されました。
■七曲井
・この七曲井は昭和24年(1949)2月22日に埼玉県指定文化財・史跡として指定されました。この井戸は武蔵野台地にある古代の井戸で堀兼の井の遺構として価値が高いものです。この井戸の発掘調査は昭和45年(1970)に実施され復元されました。
■観音堂と本尊の木造聖観世音菩薩坐像
・観音堂:当堂についての古記録はなく創建は不明ですが、常泉寺の「当山沿革史考」によると創建は建仁2年(1202)と伝えられています。
・木造聖観世音菩薩坐像:この菩薩坐像は昭和61年(1986)11月1日に狭山市指定文化財・彫刻として指定されました。安永5年(1776)から文政2年(1819)ころに造られたものと推定されます。
■入間野神社
・入間野神社拝殿:当神社は建久(けんきゅう)2年(1191)の創建と伝えられています。祭神は大山祇命(おおやまつみのみこと)と木花耶姫命(このはなさくやひめのみこと)です。ここの入曽の獅子舞は昭和54年(1979)3月27日に埼玉県指定文化財・無形民俗文化財として指定されました。
■金剛院中央霊園の夢地蔵さん
・夢地蔵さん:この地蔵菩薩は「夢地蔵さん」と呼ばれている丸彫の地蔵菩薩です。昔はここから600mほど西の南入曽にあった金剛院大日堂(現在の狭山モータースクール裏)脇の竹林を背にして入曽用水(小川)の傍に立っていました。寛政7年(1855)に造立。