開催日時: 平成28年10月21日(金) 10:00-12:00
場 所: まちづくり活動室(元気プラザ)
講座名 : 「地域を支えるソーシャル・ビジネス育成講座」
受講生 : 受講者数10名 出席 9名 欠席 1名
小山学長から望月先生のプロフィール、さやま市民大学との交流について紹介をいただく。
第2回講座テーマ : 人々を幸せにする「ソーシャルデザイン」という構想力 ~地域社会で生きる技法と喜び~
内容:
第1章「アポリア」の時代がやってきている
第2章「より善く生きる」生きるというアリストテレスの思想
第3章 梅棹忠夫の「人類の未来」を読み解く。「遊び」という生命力
第4章 定常社会と差異化・・個性的に生きる
第5章 ソーシャルデザインとは何か・・多様な生き方のコミュニティ
第6章「幸福創造都市」のデザイン・・ハッピーエンジニアリングの技法
第7章ファイナンシャルキャピタル(金融資本)からソーシャルキャピタル(社会資本へ・・佐原の大祭の少女たち・・
第1章から第7章迄2時間にわたってソーシャルビジネス、ソーシャルデザインに関する、歴史、先人たちの多様な生き方、考え方をわかりやすく解説され、ソーシャルビジネスの枠組みを知ることができました。
すべてを記載することはできませんが、望月先生の講演には最後に心温まる実話が盛り込まれています。
第7章「佐原の大祭の少女たち」での1枚の写真から佐原文化資本(カルチュラルキャピタル)を分析されているので紹介をさせていただきます。
祭りに参加する2人の少女が示す祭りへの高い期待は可愛く、誇りを持っている。そこには家族、母親の子供たちへの深い愛情が祭りの衣装、鉢巻き、髪の結い方に表れ、少女の自己表現力がもたらす祭りの楽しさを享受し、個性を生み出すトレーニングとなっている。伝統的な地域文化のプレゼンテーションとデザインの革新性が少女が履く可愛い地下足袋に結実し、デザインの革新(見せる力)となり、地場産業を支える職人らによって商品化され世界の市場で販売されている。これこそソーシャルビジネスであり町興しにもつながっている。二人の少女たちの誇りを持った笑顔に新しい幸福社会の実現を見ることができる。と紹介されました。(佐原の所在地:千葉県香取市佐原)
使用された教材 : 望月客員教授による執筆 ≪第1章から第7章)
この教材の締めくくりとして書かれた文
おわりに:
明治時代、日本は先進国入りを果たすために地域サイドからは「自由民権運動」が興った。今グローバリゼーションの時代に再び地域からの「自由民活運動」が興りつつある。大隅良典名誉教授がノーベる賞を受賞した「オートファージ理論」は細胞内のたんぱく質の再利用による人体の持続可能性を考える理論である。ソーシャルビジネスはまさに地域コミュニティのオートファージを遂行するハッピーエンジニアリングではあるまいか。
感想:
望月先生とは平成25年度の第1回「協働フォーラム」で講師としてご参加いただき、その後オープン講座、市民大学の講師としておいでいただき、今回は4回目の講演でした。いつもかなり高度なテーマをわかりやすくご解説いただき受講生、スタッフともども感謝いたしております。この講座からコミュニティビジネスから出発し、地域の人々の協力を仰ぎながら事業の拡大が行われてソーシャルビジネスへと展開ができ、健康で元気な老後の活躍の場が得られるよう頑張りたいと思います。(講座リーダー江頭誠治)