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狭山市民広場

[告知する] 第29回 駅前・月例ギターコンサート

第29回 駅前・月例ギターコンサート

クリトン  さん

2019/01/22 11:56:46
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第29回 駅前・月例ギターコンサート 2019年 1月プログラムより
 アレクサンデル・タンスマン「カヴァティーナ」について
 タンスマン(1897-1986)はポーランドの作曲家。ポーランドというとフレデリック・ショパンが余りにも偉大ですが、タンスマンはショパン以後のポーランドの大作曲家です。

ギターのアンドレス・セゴヴィアとも親交を結び、ギター曲の名作を数多く作曲しています。
私はセゴヴィアをギターという楽器を色々な意味で近代的な楽器に育て上げたギタリストと考えています。たとえ、セゴヴィアの演奏スタイルがロマンティックで近代的合理性に反するものだとしても。セゴヴィアはピアノやヴァイオリンなどの楽器で良く知られた「楽器の近代化」ということにとどまらず、多方面からギターと言う楽器を近代社会に適合させていった音楽家だと思います。
楽器に関しては、ホセ・ラミレス、イグナシ・オフレタなどのアントニオ・トーレスが始めた楽器の近代化をさらに推進したような楽器を積極的に使用しました。これらの楽器は音量、音の透明度、音の伝達性にすぐれ、大ホールでの演奏が可能なものです。また右手の爪を使用する撥弦方法を極限まで洗練させ、透明度の高い音色を実現し近代の音楽家の選択した音色をギターで実現しました。第2次大戦前後からはナイロン弦を積極的に使用し、さらに音質の改善を推進しました。また、いち早く大手のレコード会社と契約し、大量のレコード出版を実現し、コンサートでは鉄道・船・後には飛行機で出来るだけ多く世界の都市で演奏を行いました。例えば昭和4年に来日した際の日本のギター界にとってはまさに黒船来航のようなもので、日本人のギターの近代化に限りない足跡を残しました。セゴヴィアは近代の産物であるマスメディアを利用し、コマーシャリズムに参入したギタリストでもありました。
そして、セゴヴィアの業績の中で最も偉大な仕事は、専門の作曲家に作曲を依頼し、芸術性の高いギター曲の数々を世に送り出したことだと思います。
ギター音楽は長いことギタリストだけが作曲してきましたが、近代社会に至って、音楽自体は専門の作曲家が作曲し、器楽の専門家が演奏するという分業形態が一般的になり、それによって作曲と演奏の高度化が可能になりました。セゴヴィアは、ギタリストによるギター音楽制作の占有という300年も立ちはだかっていた壁に風穴を開け、ギタリスト以外の作曲家がギター音楽が作曲する道を切り開いたのです。
 私がギターを始めたころ、入手できる最高の音楽の楽譜のは、セゴヴィア関係の作曲家の作品がほとんどでした。その人たちはほとんどラテン語圏の作曲家ばかりだったので、もっとヨーロッパ的な音楽を演奏したかった私には、少々欲求不満がありました。しかし、ポーランド出身で、フランス音楽の香り高いタンスマンは、私にとってヨーロッパの新しい芸術音楽を演奏する楽しみを与えてくれた数少ない音楽家でした。
ポーランドの音楽は第2次大戦後ルトスワフスキ、ペンデレツキなど、有能な作曲家を数多く輩出し、前衛音楽のなかで最も活動的なグループとなりました。この人たちは、大きな存在感の故にポーランド楽派と言われ、一般の聴衆の中にも多くのファンを獲得し、ポスト前衛の今日の音楽状況に、最大の影響力のある音楽家のグループではないかと思います。タンスマンは、ショパンとポーランド楽派を繋ぐような存在です。

カヴァティーナはプレリュード、サラヴァンド、バルカローレ、スケルツィーノの4つの小品からなる組曲です。ダンサポンポーサ(華麗なる舞曲)はもともとカヴァティーナと別に作られた音楽ですが、後にセゴヴィアの助言で、組曲の中に入れられることも有ります。両者は確かに似たような趣を持っていますが、私は両曲を別の音楽と考えた方が音楽的に納得できる気がします。
カヴァティーナ、ダンサポンポーサは、リズム、フレーズとも解釈が難しく、演奏する時はいつも悩みの種でした。
一例として今回、ダンサポンポーサを練習してみて気付いたことは、この曲は4分の3拍子で書かれていますが、色々な可能性を探りなんとか3拍子のままで弾けないかと試みたのですが、4分の4拍子として解釈しなければタイトル通りの力強いリズムが出せないと、結論しました。小節単位で見ると3小節でフレーズが出来ていて、これを余程ゆったりしたリズム感で聴けば3拍子に聴こえないことも有りません。
スケルツィーノも3拍子の音楽ですが、余程注意して弾かないと、たやすく2拍子に足を取られてしまうところがあります。出版譜に付けられたギターの運指では、2拍子にならざるを得ないので、運指は全面的に変更しました。確かに悩まずに2拍子で弾いてしまった方がカッコよくも聴こえたりしますが、気安く2拍子にするのも潔くないので、3拍子を維持すことを選びました。
一筋縄でいかないポリリズムと言ってもいいような書法は、タンスマンが独自の音楽世界を追求した結果だと思います。

[開催日]
2019/1/25
18:50開場 19:15開演

[開催場所]
狭山市民交流センター
埼玉県狭山市入間川1-3-1
1Fコミュニティーホール
西武新宿線狭山市駅下車 西口よりすぐ

[料金]
全自由席 2000円

[プログラム]
 さくら変奏曲(横尾幸弘)
 古典時代のギタリスト、フランシス・ド・フォッサの音楽
  主題と6つの変奏と終曲
「発表会用ギター名曲集」(現代ギター社刊)より
  東洋風狂想曲(ビクフォード)、モデラート(パガニーニ)
プレリュード第7番(ショパン) 、鐘の音(ペルナンブーコ)
 名ギタリスト國松竜次による日本歌曲のアレンジ作品
  椰子の実、浜辺の歌、ふるさと
 カヴァティーナ(タンスマン)
 ダンサポンポーサ(タンスマン)

[駅前・月例ギターコンサート その後の予定]
2月28日(木)
3月22日(金)
4月26日(金)
5月17日(金)
6月20日(木)
7月19日(金)

[石村洋 プロフィール]
石村 洋 プロフィール
  早稲田大学理工学部卒業
  ギターを江黒功一、奥田紘正に師事。
  日本ギタリスト協会第2回新人賞受賞。
  平田公弘と伴にフルート・アンド・ギター・デュオ、
  森淳一、前場祐介と伴にアマデウス・ギター・トリオを結成している。
  CD「子供の情景」(ALMレコード)がある。
日本ギタリスト協会、神奈川ギター協会、日本ギタージュニア教育連盟、
  日本ギター合奏連盟、日本哲学会 各会員

[お問い合わせ先]
石村ギター教室
04-2959-4112

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