SSCC楽農学科
SSCC(狭山シニア・コミュニティ・カレッジ)の楽農学科は、再開講して2年目の4期生です。
今年は、春先の寒波、猛暑の夏と異常気象に悩まされましたが、5人の講師の熱心な指導と、スタッフのサポート、そしてなによりも受講生のがんばりとチームワークで乗り越えることができました。 授業も残り少なくなりましたが、堀兼の農園から “楽農だより” を、お届けいたします。
楽農学科農園全景
あんなに暑かった夏が嘘のような現在(11/10)の農園です。
“楽農学科”は “楽苦農学科” でしたね
一番学んだことは?
この夏、大活躍をした一輪車
今年の夏は記録的な猛暑で雨も降らず、農園の野菜も水やりが大変でした。
特に里芋は水やりが重要で、講師の指示のもと受講生は交代で水やりに励みました。
それは水を運ぶための一輪車が、悲鳴をあげてパンクを繰り返したほどでした。
受講生のみなさん! お陰で、いろいろなことを学びましたね。
そのなかでも、一番学んだことは “楽農学科”は “楽”ではなく “楽苦” だったことではないでしょうか。
農園は収穫の秋を迎えています
一番の収穫は?
楽農学科は家庭菜園の初心者が野菜作りの知識と経験、そしてコミュニケーションを学ぶ学科です。教室での授業も農園での実習もすべてグループで行動します。特に暑い夏の作業は、シニアには辛いものです。少しくらい気の合わないメンバーがいても、お互いの協力なしには乗り越えられません。野菜を育てつつ、“友情” も育てていたのですね…。
楽農学科では人気者ですよ。さつまいも。
川越から苗を取り寄せました。
毎回大量の収穫で、みんな飽きてしまったナス。でも、秋ナスは美味しいから食べてね。
品種は「千両2号」。
いも掘りって、大人も夢中になるんですね。
市場では高級品です。堀兼の里芋。
品種は「土垂(どだれ)」。
大きな芋が現れて、思わずニッコリ!
ハクビシンも食べに来た、落花生です。
今夜は塩ゆでにして、ビールで乾杯!。
形も艶もちょうどよいと、先生に褒められた、かぶ。
人参は、先生こだわりの品種“向陽二号”
プロのような出来栄えです。
楽農学科22年度文化祭
狭山市堀兼地区は、里芋の産地として有名です。 厳しい選別(10~12段階)で、高い品質を保ち、市場で高い評価を受けています。
品質が高いために、市場でセリに掛けられる前に、料亭や有名店に引き取られてしまうのだそうです。
楽農学科では、先生も里芋を生産しており、受講生はその高い生産技術を学びました。
写真の品種は、土垂(どだれ)です。
親芋から小芋、孫芋から曾孫芋へと、繋がっているのがわかります。
親芋が小芋、孫芋へと栄養分を送ってしまうので、味が落ちてしまい売り物にはならないと、大量に捨てられていました。
味は落ちてしまうのでしょうが、充分食料としては使用できます。
近年、その無駄が見直され、「さといもコロッケ」などの開発が盛んです。
実技・実演のプログラム
SSCC文化祭の実技・実演プログラムでは、楽農学科からも受講生・講師3名が3日間講演を行いました。
講演終了後には、野菜の無料配布を実施しました。
3日間で、400本のだいこん、200本の人参、60束の水菜、が配られました。
講師 講演 (市川俊一先生)
楽農学科では、昨年に続き、2名の受講生が講演を行いました。野菜の無料配布というおまけがついたためか会場は満員で、参加者からは 「おもしろかった!」 「参考になった」 「時間が足りなかったようですね」 などの感想をいただきました。
楽農学科受講生 長塩文良さんの講演
「楽農とコミュニケーション」
楽農学科受講生 菊池功さんの講演
「家庭菜園のアドバイス」
受講生が育てた野菜を配布しました
3日間大勢の方が、野菜の配布に来てくださいました。これは嬉しいことでしたが、残念なことに、皆さんが帰ったあと、床に野菜のくずが散乱しておりました。受講生たちは、野菜を配った後、これもきれいに掃除しました。
展示会場
楽農学科の展示の様子です。
野菜とともに、その作物を栽培する様子を撮影した写真をまとめました。
文化祭 配布野菜栽培計画
文化祭委員が決めた配布野菜の種類は、「だいこん、にんじん、ブロッコリー、キャベツ、葉ボタン」の5種類でした。
先生方やスタッフも協力して、種まきをしました。
先生方に、「プロの農家もこんな暑いときに作業はしない」と、いわれた、8月の授業でした。
芯くい虫に食べられてしまったキャベツ
今年の夏は、かつてないような猛暑で、ブロッコリー、キャベツ、葉ボタンンは、暑さと害虫でほぼ全滅でした。
120連結のペーパーポットを使用して
1粒ずつ種をまく
幸い、にんじんはうまく育ちました。
9月に入り、「だいこんなら、まだ間に合う」と、先生のアドバイスで 大根の種を思い切りたくさん蒔きました。
先生の協力もあり、順調に育っている、10月初めの大根畑です。
間引き葉も美味しくいただきました。
収穫の日
楽農学科の受講生たちは、文化祭で配るために自分たちで費用を負担し、野菜を育て、3日間の収穫作業・洗浄作業・運搬作業をこなし、文句も言わず後片付けもしました。
その後に…
楽農学科は、講師・スタッフ・受講生の距離が近く、ぶつかり合う事もよくあります。でも、この摩擦が連帯感を生み、お互いに協力し合うチームワークをつくるのです。
文化祭終了の3日後、楽農学科では収穫した野菜で、それぞれの故郷の「いも煮」をつくり、忘年会をしました。
作るそばから、つまみ食いされたさつまいも
各自自慢の漬物も持参されましたが、食事が始まる前に試食で無くなりそうですね
自慢の いも煮 グループごとに味が違います