なんとなく探検隊
狭山市水野にある「国産畳」にこだわった畳屋さん
2013/06/12
狭山市内を、な~んとなく探検していきます。
今回は入曽駅近くの線路沿いにある「稲葉畳店」さんへ。
住宅街の奥にひっそりとある畳屋さんですが、中をのぞくとお宝が……!
「畳ドクター」に聞いてみよう!
「畳ドクター」って御存知ですか?
読んで字のごとく、畳博士のことでしょうね。その「畳ドクター」が狭山市内にいらっしゃるというので伺ってみました。
入曽駅から徒歩10分ほどの線路沿い、住宅地の奥にある路地へ入ると突き当りの軒先に小さな「畳」という看板が見えました。
「畳ドクター」ののぼり旗とか、派手な看板とか出さないのですか?と伺うと…
「ここは人通りが少ないから…」とおっしゃる奥ゆかしいご主人です。が、畳の話しになると、惜しげも無く国産のイグサから、かなり高価な最高級畳表まで、様々なものを見せてくださり、畳について熱く語ってくださいました。
まずは、「畳ドクター」について
「畳ドクター」は、畳の素晴らしさをアピールしたり、畳を永く快適に使用するためのアドバイスをしたりする「畳のプロフェッショナル」です。「全国畳産業振興会」が需要の減ってきている畳を盛り上げるために、畳職人さんを対象に認定しています。
稲葉畳店さんでは、お客様に「そろそろ畳替えの時期です」という案内を送る際に、「畳は呼吸しています……」というような畳の豆知識も盛り込んだり、ホームページでも畳選びや表替えなどについて、写真付きで詳しく説明したりしています。
国産の畳表にこだわっています
「国産の畳表しか扱わない」とおっしゃる稲葉さん。
現在、畳表(畳ゴザ)は中国産のものが圧倒的に多く出回っています。緑色に染めたイグサを使用している中国産の方がきれいに見えてしまうそうですが、肌触りや耐久性などに違いがあるようです。
また、イグサには心を落ち着かせ、集中力を高める成分や湿度調整や部屋の空気を浄化する作用があると言わています。そして、それらの効能や機能は減農薬、有機質肥料によって栽培されたイグサに限られるようです。
熊本産の畳表には生産者表示のタグが
稲葉さんが多く使用している熊本産の畳表には生産地・生産者・性能表示がされています。そして、熊本産はイグサの栽培時から農薬などの使用にきちんと配慮しているとのこと。
そして、畳床も今では発泡スチロールを使用したものが安価で軽量という理由で普及していますが、稲葉さんは昔ながらの藁床(もしくはオールボード)にこだわっていらっしゃいます。クッション性はもちろんのこと、吸放湿性、均一性があり、耐久性に違いが出るそうです。
安心!安全!快適!!な畳の上で、一家団らんしたり、気ままにゴロゴロしたり、心地よく過ごしたいですよね。
最近流行の琉球畳について
大分県産の七島イグサを使用した縁無しの畳が本物の「琉球畳」です。でも、「琉球畳」と勘違いされている中国産の畳表を使用した縁無し畳が多いのも事実です。
縁無し畳イコール「琉球畳」と誤解している方も多いのでは?
実は、この取材で稲葉さんにお話しを伺うまで、私もそう思っていました。
イグサについて
「畳について知らないことが多いな~」と実感していると、稲葉さんがイグサの束を見せてくださいました。
イグサは、刈った後に長さで分けて使用するんだそうです。畳の幅は決まっているので、短いイグサで織った畳表は、根本から穂先ギリギリまで使用する。それに比べて長いイグサを使用した畳表は、両端を切り落とすことになるので、イグサのいいところを贅沢に使えるということ。長いイグサで織られた畳表は、両端の色ムラも少なくなります。